会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

マツヤ1億8000万円架空計上 粉飾決算 第三者委が調査(信濃毎日新聞より)

マツヤ1億8000万円架空計上 粉飾決算 第三者委が調査

ジャスダック上場で、スーパー経営のマツヤが、取引先から支払われるリベートを1億8千万円架空計上していたという記事。

「弁護士らによる調査委員会の調査結果などによると、同社は2011年2月期から12年3~8月期までの間、仕入れ先から年間の仕入金額や取引量などに応じて支払われる「仕入割戻金」を架空計上。仕入割戻金は「達成リベート」とも呼ばれ、販売促進策として支払われるという。

 同社は同日夜の記者会見で、架空計上の理由について、競争激化で思うように売り上げが確保できない中、利益を確保しなければいけないという認識が強まった、と説明した。

 同社によると、不正とはみられないものの、他にも利益の過大計上や過小計上があり、損益に影響を及ぼす金額は差し引き計6900万円になるという。」

リベートについては、計算期間の違いなどから、証憑があいまいなまま、仕入先への未収入金を計上するというのはあり得るかもしれません(よくないことですが)。不正がやりやすい項目といえそうです。

また、「役員3人が私財計6千万円で穴埋めし、隠蔽(いんぺい)を図っていた」とのことです。計上したときには架空だった未収入金も、実際に現金が入ってきて回収されたとなれば、架空ではなかったようにみえます。だからといって、粉飾の罪が消えるわけではありません。

マツヤ「利益改善」求め粉飾 昨夏の内部発覚後も隠蔽(信濃毎日)

「今回は加工食品や生鮮食品などを仕入れる商品部の10人ほどが架空計上に関与し、総額は11年2月期から12年3~8月期までで計1億8千万円に上った。担当者は架空の金額を記したリベート明細書を作成。仕入れ先の担当者名に合わせた三文判を使うなどして、リベートが支払われることを示す文書を偽造したこともあったという。」

「入金されない架空のリベート多額の未収入金として積み上がり、社内で問題が明らかになったのは昨年8月。だが、小山前社長ら役員は、ただちに調査して決算訂正を検討するなどの対応をせず、逆に私財計6千万円を会社に入金して未収入金を穴埋めした。」

長野のスーパー「マツヤ」が粉飾決算(中日)

「12年12月に監査法人に告発文書が送られ、問題が表面化。マツヤは第三者委員会を設置し調査していた。」

監査人として素早い対応だと思います。(オリンパス事件で、当時の社長から告発を受けたのに、タイムリーな対応がなされなかったのとは、だいぶ違います。)
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