SEC、VMウェアに不適切慣行停止と制裁金命令 売上計上先送りで
米証券取引委員会(SEC)が、クラウドコンピューティング事業の米VMウェアという会社に対して、800万ドルの罰金を課したという記事。
「SECが問題視したのは受注残高の管理方法。2019年度以降、四半期末が終わった直後に顧客に納品するようにして売上高の計上を本来の四半期の翌期に先送りできるようにし、その後に当初見通しに比べて鈍化した業績の動きをあいまいにしたとしている。
SECは「VMウェアが数千万ドル分の売上高(計上)を将来の四半期に持ち越し、20年度の事業が見通しとの比較で減速した実態を不透明にした」と指摘。VMウェアが受注残高は「何重にも検討して」適切に管理されていると開示していたものの、受注残高を売上高の認識時期に用いていることは投資家に公表していなかったとした。」
納品を実際に行った期に売上計上したのなら、問題ないようにも思われますが、納品時期を意図的に操作した結果である場合は認められないということでしょうか。
企業は、顧客からの受注をどのような手順で、また、どのようなタイミングで履行するかについて、ルールを決めて管理しているはずですが、それを会計操作のために、先送りしたり、前倒ししたりしてゆがめるのは、おかしいということなのでしょう。なかなか厳しい考え方です。
SECのプレスリリース。会社は、ライセンス・キーの交付を遅らせていたそうです。
SEC Charges VMware with Misleading Investors by Obscuring Financial Performance
The SEC’s order finds that, beginning in fiscal year 2019, VMware began delaying the delivery of license keys on some sales orders until just after quarter-end so that it could recognize revenue from the corresponding license sales in the following quarter. According to the SEC’s order, VMware shifted tens of millions of dollars in revenue into future quarters, building a buffer in those periods and obscuring the company’s financial performance as its business slowed relative to projections in fiscal year 2020. Although VMware publicly disclosed that its backlog was “managed based upon multiple considerations,” it did not reveal to investors that it used the backlog to manage the timing of the company’s revenue recognition.
(ロイター記事の「受注残高を売上高の認識時期に用いている」という訳はちょっと違うのでは。受注残を使って収益認識のタイミングを管理(操作?)していたという意味でしょうか。)