東京電力が、6月下旬に開催される株主総会の招集通知を公表したという記事。東京都をはじめとして、株主からの提案が多数あったようです。
「都は外部の第三者が検証できるように発電所の個別収支などの開示を求める議案を出した。個人株主などからは福島第2原子力発電所や柏崎刈羽原発の廃止を求める議案も出された。会社側は11人の取締役の選任議案を提示する。」
第89回(平成24年度)定時株主総会(東京電力)
会計監査人解任の提案もあります。
「第5号議案 会計監査人解任の件
○議案内容
会計監査人新日本有限責任監査法人を解任する。
○提案の理由
原発事故由来放射性物質による環境の汚染に対処するために平成23年8月に放射性物質汚染対処特措法が公布され, 同法に基づき講ぜられる措置 (廃棄物の処理,土壌等の除染等)は,原賠法第3条第1項の規定により当社が賠償する責めに任ずべき損害に係るものとして, 当社の負担の下に実施されております。 同法の施行等のための予算は, 平成25年度当初予算を含め総額約1兆5,351億円となっております。 しかし,当社は上記に関する費用として会社に請求または求償される額については, 計上しておりません。 また, 福島第一原子力発電所1~4号機廃炉にかかる費用も適切に計上しておりません。 そうであるにもかかわらず新日本有限責任監査法人は, 当社の平成24年3月期計算書類及びその附属明細書が, 一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財産及び損益の状況をすべての重要な点において適正に表示していると認めたので不適任であります。」
会社の反対意見は以下のとおりです。
「当社は,本年5月,監査委員会において,新日本有限責任監査法人は職務を適切に遂行しており, 会計監査人として適当でないと判断される事由がないことから,再任を決定しております。取締役会といたしましても,監査委員会の判断は妥当であると考えておりますので, 同監査法人を解任する必要はないと考えます。
(中略)
なお, 当社は, 平成23年度の計算書類等において, 法令に基づき講ぜられる廃棄物の処理及び除染等の措置等に要する費用として当社に請求又は求償される額については, 金額を合理的に見積もることができないことなどから計上しておりません。また,福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置に係る費用につきましては, 今後変動する可能性があるものの, 合理的な見積りが可能な範囲における概算額を計上しております。 これらの計算書類等につきま して, 会計監査人は財産及び損益の状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認めており, この会計監査に対し, 当時の監査役会は監査の方法及び結果は相当であると認めております。」
国の予算は合理的な積算に基づいて決められているはずですから、その金額が求償されるであろう合理的な見積りでしょう。それをまったく計上していないということは粉飾決算ではないでしょうか。
なおこの除染費用は、当サイトで指摘している特別負担金とは別の問題です。
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