地銀がさまざまな金融商品を使って、決算を「装飾」しているという記事。
「リパッケージローン」というのがはやっているそうです。
「地銀でひそかに広がっているのは理由がある。表面的には一定の利回りを手にできる金融商品。その中身は特定の企業や事業の破綻に備えたデリバティブなのだが、地銀はそこに融資する形をとる。複雑な金融商品が姿を変え、会計上は融資が増える構図だ。」
会計処理としては、ローンとしての扱いになるのかもしれませんが、監査人は、パッケージに入っている元の資産やデリバティブの中身も精査するのでしょう。
そのほか、投資信託(私募投信)が急増していること、メガバンクが組成した融資の地銀への「サイレント譲渡」、同じくメガバンクの外貨建て協調融資に地銀が中身を精査しないまま参加していることなどを取り上げています。
リパッケージ商品(日本格付研究所)(PDFファイル)
リパッケージ債(りぱっけーじさい)(野村證券)
こちらも、金融機関が保有している特殊な金融商品に関する記事。
↓
金融庁:金融機関のCLOなど証券化商品保有で規制強化ー3月末(ブルームバーグ)
「金融庁は、ローン担保証券(CLO)などの証券化商品を金融機関が保有する際のルールを厳格化する。今後の購入は、担保資産の当初の債権者が証券化後も商品の5%以上を保有するなどの条件を満たした商品に事実上限られる。国際的合意に基づくルール改正で、現在実施中の意見募集を経て3月末から適用する。」
「米CLOの発行残高は昨年、史上最高を記録するなど人気を集めた。昨年4月に、米裁判所が企業向け融資などで原資産自体が市場で取引されているCLOであれば、米国内の規制に抵触しないとの判断を示した後、発行額が積み上がった。同市場での日本の金融機関の存在感は大きく、UBSグループは最上位のAAA格付けの米CLO市場に過去数年流入した資金の3分の1を日本の銀行が占めたと試算している。
証券化商品をめぐっては、過去に米サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題によって高格付けだった債務担保証券(CDO)が次々に毀損(きそん)。2008年3月期決算でみずほフィナンシャルグループが約6450億円のサブプライム住宅ローン関連の損失を計上するなど、運用商品として購入していた日本の金融機関も大きな影響を受けた。CLOはCDOの一種。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所と米ミルバンク・ツィードは14日付の顧客向け文書で、日本の機関投資家は米国・欧州のCLO市場で主要プレーヤーの一角を占めており、「いかなる規制の強化も、日本からのCLO投資に対し甚大な影響をもたらす可能性がある」と指摘。農林中金の開示資料によると、昨年9月末時点でのCDO保有残高は5兆7378億円と3月末(3兆8134億円)から急増している。」
全然懲りていない金融機関もあるようです。
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