沖縄戦が激しくなる中、本土から派遣された島田叡( あきら)県知事と荒井退造警察部長が
県民を守ろうと懸命に働き苦悩した姿が描かれている。
沖縄戦の映画は何作品か観ていて、それぞれに訴えるものがあり、よく出来ていると思ったが、
実際の戦争の激しさは映画の比ではなかっただろう。それでも痛ましさに涙が出てくる。
島田県知事と荒井警察部長は、たしかに職務に誠実な立派な人たちであったのだろうが、
驚くのはこの時の沖縄県知事は住民の選挙ではなく、政府からの派遣だったということだ。
沖縄県には自治権はなかったということか。
沖縄戦が本土防衛のための捨て石作戦だったことを作品中で明言しているのは画期的だ。
この捨て石作戦は、沖縄が国内の米軍基地の70%負担を強いられ続けているという現在の状況に
つながっているように思えてならない。
沖縄の住民の中には、「沖縄は今でも植民地だ」とか「日本とアメリカの2重の植民地だ」と
いう人たちがいる。今は、県民が選挙によって県知事を選んでいるが、政府はその県知事の
訴えに耳をかさない。つまり沖縄県民の声は政府に無視され続けている。
だから、沖縄はいまだに自治権を認められない「植民地」だということなのだろう。
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