青樹句会

主宰:高橋信之(花冠名誉主宰)

◆第8回句会選句箱◆

2012-03-16 07:08:56 | 日記
■清記■

01.畑中の紅梅あかり遠くまで
02.雲去れば真っ先に陽を金盞花
03.山占めてビニールハウスが春光に
04.春霰打つ沖をゆくフェリー船
05.松林に海光透けて二月尽
06.踏青やふわりと弾む靴まさら
07.山門の梯子段鳴り春疾風
08.誘われて仰ぐ一天春の星
09.門閉ざし又も仰ぐや春の星
10.葉の真中蕾もたげし黄水仙

11.朝の陽に揺る蹲の薄氷
12.日の当たる庭にものの芽確かめる
13.あたたかき日差しに竿のもの高く
14.ものの芽を音なく濡らす夜の雨
15.ガラス器にさよりの刺身海想う
16.山影に残雪ありて夕焼けに
17.向こう岸土手のあちこちいぬふぐり
18.島通い蜜柑の花の蜂蜜を
19.歌いつつ通る土手道春よ来い
20.朝食にたっぷり飲んだ蜆汁

21.はんなりと膨らむ桜の赤い芽や
22.乾杯のグラスを挙げて春兆す
23.一椀の花麩のひらく春の日に
24.祝膳の大皿すすぐ春の水
25.活けられしままに芽吹いて桃の花
26.枝先に小さなみどり桃の花
27.今宵より淡く灯され雛の間に
28.お城山晴れてまた降る春の雨
29.幼子の吹き出す虹色シャボン玉
30.肥料袋土に置かれて春の畑

31.店先の竹筒に挿し早桜
32.朱の鳥居受験祈願の絵馬多く
33.先斗町紅白椿は交番前
34.八つ橋の菓子のケースにおひな様
35.誰が置きし椅子に椿の二三花
36.切りてなお椿一枝にあるちから
37.街並みの車窓にひかる梅日和
38.鋏入れ初咲きの椿賞でしかな
39.下萌ゆる野よ晴れわたる淡き空
40.淡雪に水の重みよ雪を掻く

41.街中に飛沫く音たて淡き雪
42.雛飾る年に一度の客のごと
43.友の句を書きとめ長閑に暮れゆけり
44.早春の木々輝きて影確か
45.赤土を押し上げ青々下萌ゆる
46.触れてみるものの芽いまだ尖りおり
47.寡黙なる亡母(はは)の好みし梅咲きぬ
48.食卓の色とりどりに春めきぬ
49.春空へ線路工事の笛高し
50.鉄塔を気高く浮かせ春三日月

51.山並みの軽み帯びつつ遠霞
52.花市のチューリップの前戻り来る
53.梅白し母とおしゃべり遠き日へ
54.近づいて離れて日永美術展
55.山里の川面いきいき風光る
56.梅東風や往来誰も優しくて
57.野の池や鳥帰りたる静けさに
58.熱々のミルクカップや二月尽
59.アイリスの芽のとんがりて伸びて来る
60.古木より幹を貫く芽吹きかな

61.花馬酔木ひと雨ごとに白くなり
62.春の土付けし筍掘り上げる
63.春潮の流れに沿いて雲走る
64.スートピー活け婚約の君ら待つ
65.春風吹くかもてなしのケーキの匂い
66.春浅き朝の机上の本を閉づ
67.閉じられて本の厚みの春浅き
68.喜びの姿して地に蕗の薹
69.三月の丘よ晴れの陽をぞんぶんに
70.晴れていて風吹き風の光る丘

71.山葵田の水すみずみに流れ行く
72.日の庭に鳥の集まりクロッカス
73.あけぼのの風素直なり沈丁花
74.芽柳の影やわらかき湖辺(ウミベ)かな
75.辛夷咲く赤城は荒き風を生む
76.竹秋や暮れかかり来し風の音
77.京菜摘む畦の十字の日のぬくみ
78.きさらぎや空気再びしんしんと
79.一斉に羽ばたきの音春の鳥
80.頂に立ち強東風を真向かいに

81.梢よりゆらめき出ずる春の雲
82.春の陽の注ぐ本堂鬼瓦
83.谷からの風梅が香を運ぶ
84.樒採る人と出会いし彼岸前
85.木蓮の芽のかしましき陽射しかな
86.水音の春の小川でありにけり
87.さみどりの摘むによしなし蓬萌ゆ
88.しつかりと風に起ち居り春菜かな
89.新駅のホーム外れや菜花の黄
90.校門のつぼみ艶めく桜芽木

91.山陰の村に灯りや春茜
92.雨止んで白木蓮の芽のあまた
93.細やかな雨降り沈み辛夷の芽
94.隠れ処に梅開いたと伝え合う
95.雪解けの水の流れる乾いた道
96.人訪うて梅園少し紅霞む
97.それぞれの庭に一木梅香る
98.スキップができて春から幼稚園
99.遥かには純白の嶺々猫やなぎ
100.春月や桧の匂ふ露天風呂

101.抱くごとに重くなる子よたんぽぽ黄
102.春暁の光まみれの山毛欅林
103.立子の句諳じながら雛飾る
104.暁光に滲みほのかに芽吹く河岸
105.暁光に頭をもたぐ蕗の薹
106.水温む鍬先光るまで洗う
107.御岳の遠望さんしゅゆ開く日に
108.枯れしものまず伏してから葦芽ぐむ
109.芽ぶきけり音楽室から歌溢れ
110.知らぬ児に声かけれて青き踏む

111.畝作る測量の綱ぴんと張り
112.春泥を踏んで寄り来る牧の牛
113.風光る真っ直ぐ長き飛行機雲
114.雛飾りなくてわが家のちらし寿司
115.夜が白み色鮮やかに梅の花
116.木の芽吹く木々の向こうに青き空
117.朝日浴び増え行く木の芽深緑
118.棲めるもの皆が現れ水温む
119.虫食いの葉も活き活きと花椿 
120.受験子や社の絵馬の太き文字
 
121.池の端に鯉浮き上がる梅日和
122.瀬の音へ紅のまんさく咲き満ちる
123.乳足りて母に笑む児の初ひいな
124.茅葺の屋根の湿りに草萌ゆる
125.雛の夜ひとり綾取る女かな
126.琴の音や五人囃子の包み解く
127.幼子の靴脱ぎ捨てる春の土
128.梅咲けるひとつふたつと晴るる日に
129.放射線科の窓の囀り吾がものに
130.春光へ水を撒きたる手のひろき

131.背の高き人にブルーの春ショール
132.咲きかけの莟つつめる雪解水
133.玄関を開けて吾が家の梅の香に
134.母と吾のまんなかに供花彼岸入
135.きらきらと眩しき朝日春の海

■選句箱■
※選者の選は、下記の要領でお願いします。
①上記の<清記>の中からお選びください。
②特選5句をお選び、番号のみをお書きください。1句にコメントを付けてください。
③選句期間は、3月17日(土)午後9時~18日(日)午前10時です。
④選句の番号とコメントは、下の<コメント欄>にお書き込みください。選者名もお忘れなきよう、お願いします。
※選句は、多少の遅れがあっても、許されますが、その場合は、ご一報ください。

▼選者の選を開始してください。締切は、明日(18日)の午前10時です。