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散歩コースでこの場所から廃校跡のグランドに隣接するプールを眺めやるのが好きだ。この大木はカエデ、その根方の灌木はシャクナゲだ。プールはアオコを住まわせ沈黙を続けている。春はシャクナゲが咲き、プールの水面にサクラの花いかだが浮かび、秋には赤く色づいたカエデの大木が映り、廃校となったとは言え校区の住民達の協力で整備されている。夕方の散歩歴はもう20年近くになるが、その日を反芻(はんすう)するひと時でもある。
早朝、花盛りのネムノキのトンネルの下を車で走っていると、大きなイノシシが倒れて息絶えていた。交通事故に違いない。一見して壮年の働き盛りの『おやじさん』だと、勝手に想像した。
昨日、激しい豪雨を降らした罪深き天は、夜になると天の川は星たちが溢れんばかりにいっぱいだった。久々の星の瞬きにさそわれ、お腹をすかしたイノシシの『おやじさん』は家族を先導して食料調達のため舗装の路を横断していたのだろう。
加害者?の車の破損もこの『おやじさん』が相手なら大きいだろう。加害者も被害者もそれぞれの宿命引き連れて歩かねばならないのか。
夕方の散歩の蝉しぐれと言えば、ひたすらヒグラシだ。この里山ではヒグラシのことを『カンカンセミ』と呼ぶ
かんかんかんと、カエデの大木からヒグラシの奏でるオーケストラが響いて来る。
きょうも何とか無事に過ごさせていただきました。