上北沢暗室雑記帳

写真に関するよしなしごとを

写真展080615

2008-06-16 22:39:57 | 写真展
 曇り空だが、梅雨時とは思えない爽やかな日曜だったので、前日に引き続きチャリで出かけた。と言ってもご近所。

■清川泰次/大東京/清川泰次記念ギャラリー
 奉祝皇紀二六〇〇年に沸く銀座の風景。古い映画フィルムでしか見たことのない風景が、真新しい印画紙にプリントされたのを目の当たりにすると非常に不思議な気分。日章旗と旭日旗のもと帽子に背広の群衆がうごめく様が、つい最近の出来事のように錯覚され、写真の記録性をあらためて思い知らされる。
 作家手作りの例のアルバムに貼られた手札判の写真はこってりとした黒が魅力的なのに対して、展示のプリントは半光沢なのもあいまって、上品だがやや迫力に欠ける感じ。と言っても、当時のフィルムの感度からすれば、かなり色の薄いネガだったはず。プリントにはかなりの苦労が伴ったのではないか。本展では、アトリエの脇の小部屋も窓が展示ボードでふさがれ、閲覧自由だった古書が仕舞われてしまっていたのがちょっと残念。いい空間だったのに。

 この後、砧公園の世田谷美術館にも行ってみた。「冒険王・横尾忠則」展。最終日の閉館一時間前とあってか、入ってすぐのところから牛歩の列。ルソーのパロディに笑った後、Y字路のシリーズ。こんなに大きな作品だったのか。Y字路はその後もたびたび登場し、作家のこだわりが窺われた。二本の道の岐れ道であり、合流点でもある、二つの世界が交錯する場の持つ磁力を、飽くことなく描き続けている様子。同じ題材で、これに対抗できる写真作品はあり得るだろうか。。
 小中学生の課外授業としての本展鑑賞に、教育委員会か何かから待ったがかかったとかいうのを新聞で見て、下世話な興味もあったところ。確かにエログロな見た目の作品もあったが、子供に有害だとまでは思わなかった。夫婦岩みたいなもんだろう。
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