10.聖霊 (永遠の命)
聖霊が降る
(使徒2:1-21)
「五旬祭の日が来て,
一同が一つになって集まっていると,
突然,激しい風が吹いて来るような
音が天から聞こえ,
彼らが座っていた家中に響いた。
そして,
炎のような舌が分かれ分かれに現れ,
一人一人の上にとどまった。
すると,一同は聖霊に満たされ,
“霊”が語らせるままに,
ほかの国々の言葉で話しだした。」
Ⅰ
わたしたちは今日,
聖霊降臨主日の礼拝を守っています。
聖霊降臨主日は,
教会の誕生を記念する日です。
○
(使徒言行録2:1-21 聖霊が降る)
使徒言行録では,
教会が誕生した日を次のように書いています。
「五旬祭の日が来て,
一同が一つになって集まっていると,
突然,
激しい風が吹いて来るような音が
天から聞こえ,
彼らが座っていた家中に響いた。
そして,
炎のような舌が分かれ分かれに現れ,
一人一人の上にとどまった。
すると,一同は聖霊に満たされ,
“霊”が語らせるままに,
ほかの国々の言葉で話しだした。」
(使徒2:1-4)
ユダヤの人々にとって,
五旬祭(ごじゅんさい)は過越祭,
仮庵祭と共に3つの大きな祭の一つです。
この五旬祭の日に,
イエスさまを信じている人たちが
集まっていると神様の御霊が降り,
御霊を受けた人々が
様々な国のことばで
神様の偉大なお働きを語り始めます。
これを聞いた人たちは
「いったい,これはどういうことなのか」
(使徒2:12)と驚き,
とまどい,あるいは
「あの人たちは,
新しいぶどう酒に酔っているのだ」
(使徒2:13)
とあざけりました。
Ⅱ
(使徒2:17-21)
(ヨエル3:1-5)
(神の霊の降臨)
そこで,
ペトロがこの出来事の意味を
聖書に基づいて次のように宣べました。
(使徒2:17-21)
「神は言われる。
終わりの時に,
わたしの霊をすべての人に注ぐ。
すると,あなたたちの息子と娘は預言し,
若者は幻を見,
老人は夢を見る。
わたしの僕やはしためにも,
そのときには,わたしの霊を注ぐ。
すると,彼らは預言する。
上では,天に不思議な業を,
下では,地に徴を示そう。
血と火と立ちこめる煙が,それだ。
主の偉大な輝かしい日が来る前に,
太陽は暗くなり,
月は血のように赤くなる。
主の名を呼び求める者は皆,
救われる。」
これは,ペテロがヨエル書の次の箇所を
予言の成就として引用したものです。
(ヨエル3:1-5)
「その後,
わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。
あなたたちの息子や娘は預言し,
老人は夢を見,若者は幻を見る。
その日,わたしは,
奴隷となっている男女にもわが霊を注ぐ。
天と地に,しるしを示す。
それは,血と火と煙の柱である。
主の日,大いなる恐るべき日が来る前に,
太陽は闇に,月は血に変わる。
しかし,
主の御名を呼ぶ者は皆,
救われる。
主が言われたようにシオンの山,
エルサレムには逃れ場があり,
主が呼ばれる残りの者はそこにいる。」
このペトロの説明を聞き,
この言葉を受け入れた人々は
洗礼を受けました。
その日,3千人ほどの人が仲間に加わり,
教会が始まりました。
このように,
神様の御霊が教会を生み出しました。
聖書は次のように記しています。
(使徒2:41,42)
「ペトロの言葉を受け入れた人々は洗礼を受け,
その日に三千人ほどが仲間に加わった。
彼らは,使徒の教え,相互の交わり,
パンを裂くこと,
祈ることに熱心であった。」
Ⅲ
(ヨハネ7:37-39)
(生きた水の流れ )
イエスさまが十字架にかかる前の
仮庵祭のとき,
イエスさまは
この聖霊の降臨を予告されていました。
仮庵祭は,
ユダヤの3つの大きな祭の一つです。
これは秋分の日の後の
最初の満月の日から一週間,
後には8日間,守られた祭です。
「取り入れの祭」とも呼ばれています。
この祭の期間は毎日,
シロアムの池から水を汲(く)んできて,
神殿の祭壇に注ぐ儀式が行われました。
この祭の最も盛大に祝われる最後の日に,
イエスさまは立ち上がり,
大声で次のようにおっしゃいました。
(ヨハネ7:37,38)
「渇いている人はだれでも,
わたしのところに来て飲みなさい。
わたしを信じる者は,
聖書に書いてあるとおり,
その人の内から生きた水が川となって
流れでるようになる。」
詩編には,次の言葉があります。
(詩篇78:16)
「岩から流れを引き出されたので,
水は大河のように流れ下った。」
また,ゼカリヤ書には,次の言葉があります。
(ゼカリヤ14:8)
「その日,
エルサレムから命の水が湧き出で,
半分は東の海へ,
半分は西の海へ向かい,
夏も冬も流れ続ける。」
しかし,
「その人の内から生きた水が
川となって流れでる」
(ヨハネ7:38)
という言葉そのものは,
(旧約)聖書の中で
見つけることができません。
ですから,この言葉はイエスさまが
旧約聖書を解釈されたものです。
「その人の内から」(ヨハネ7:38)とは,
ギリシャ語聖書から
「身体からあるいは腹から」と訳せます。
ここでの「水」とは,
「霊」であり「聖霊」のことです。
「イエスは,御自分を信じる人々が
受けようとしている
“霊”について言われたのである。
イエスは
まだ栄光を受けておられなかったので,
“霊”が
まだ降っていなかったからである。」
(ヨハネ7:39)
イエスさまを信じる者は,
その身体から
聖霊が川のように流れ出るようになるのです。
Ⅳ
(ヨハネ4:7-15)
(イエスとサマリアの女)
かつて,イエスさまは,
水を汲みに来たサマリアの女に,
次のようにおっしゃったことがあります。
「この水を飲む者はだれでもまた渇く。
しかし,
わたしが与える水を飲む者は
決して渇かない。
わたしが与える水は
その人の内で泉となり,
永遠の命に至る水がわき出る。」
(ヨハネ4:13,14)
イエスさまがお与えになる
「水を飲む者」とは,
イエスさまのもとに来て,
イエスさまを信じる人のことです。
サマリアの女からも,
イエスさまがおっしゃったように,
イエスさまがお与えになる水,
すなわち聖霊が,
サマリヤの女の内で泉となり,
永遠の命に至る聖霊が
流れでるようになるのです。
また,聖霊はイエスさまの身体である
教会を生み出しました。
教会をとして東へ西へと世界中に聖霊は,
流れ出るのです。
そして,各地に教会を作り出したのです。
青嵐御霊降りて力受く
(松隈牧師)
(2008年5月11日)
(聖霊降臨祭)