図書館講座の常識を疑って

図書館の読み聞かせボランティア講座は、今年も市内どこかで開かれると思います。コロナで活動もずいぶん限られていますが、それでもやってみたいと思う方が多いのでしょうね。

私は20年以上も前に受けました。その後、内容はどのように変化しているか、興味を持ってきました。「図書館講座そのものが間違っているのではないか」と思った時も多かったです。だからあまり新潟市の絵本講座を信用していないのです。
 新潟市の絵本講座(ボランティア講座も含めて)は、講師がブックトークをするばかりで、問題解決に向かおうという様子がないことに気づいていました。絵本の紹介(それもだいたい福音館書店の本)をして、それから「こういう表現で子どもはどう反応したか」「こういう表現で子どもの心は成長するのだ」といったようなことのおはなしばかりでした。 県主催の講座も「絵本は友だち」と言いながら、自分の趣味にあった絵本(友だち)を取り上げて、その中で話が展開していきます。
 人間に例えればわかると思うのですが、「私はこういう人(絵本)とだけ友だちになりたいの」「私はよい人(絵本)と悪い人(絵本)が見分けられるのよ」と演説しているようなものです。それって恥ずかしくないんだろうかと思えます。それよりも、どんな人(絵本)も特徴を見分けて、それぞれに対応できるような能力に磨きをかけるほうがいいですよね。

 それに表現のあれこれを比べて良しあしをいうのは、差別だとも思えます。作家にはそれぞれ個性があり、受け手の好みも違うからです。絵でも遠目が利くとか逆に細部にこだわって描いてあるとか、違いであって優劣ではないと思うのです。つまり、公共施設が差別助長の講座をしているようなもの。
 絵本の話や画面の構成についても、今は「絵本の表現構造」としてちゃんと発表されて、それは「構造の違い」とされているのに、自分の趣味に合わないと「変な絵本」と言ってしまう人の多いこと。

 講師を呼んで勉強しているとおっしゃる団体もあるけれど、「勉強」という時代は過ぎ「学び」と言うことが多くなりました。どちらにしろ講師の言うことを鵜呑みにする時代は過ぎました。どれだけ批判的に聞くことができるか、それぞれの姿勢が問われることになるでしょうね。

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