令和4年6月3日(金曜日) さいたま市 プラザノースにて かんたん盆栽講座 「こけ玉をつくろう」 を 行いました。
今回の主木としたのは デショウジョ
出猩々(デショウジョ) ムクロジ科<カエデ科?> カエデ属
イロハモミジの仲間で、新芽が真っ赤に出てくるところが 特徴です。時間が経つと緑の葉になり、秋の紅葉には また 真っ赤となり美しくなる。
添えは コウチョウボク
コウチョウギ 又は コウチョウボク(香丁木) コウチョウゲ(紅丁花)とも。
アカネ科 ハクチョウゲ属
春と秋の年2回、薄紫色の花を咲かせる常緑樹。
今回 1時半からの講座スタートでしたが、皆さん お集まりになるのが早かったので、
始める前から、来始めた方たちと 苔玉の土となる「ケト土」のこねる作業を いきなり始めてしまいました。
ほとんどの方が、今回が「初めての盆栽」で初めての「盆栽講座」なのに、 来て いきなり 汚れそうな、肉体労働をさせられて さぞや 驚かれたのではないかと?
例年の盆栽講座の中でも 「苔玉」は 汚れやすいし、結構ハードな作業 なのです。
そのかいあって、今回は「底が抜ける」ことがほとんどなく 状態の良い「ケト土」が完成しました。
ほかの材料を使っても、この「ケト土のこねる作業」をしっかりやっておけば 失敗することなく 作れるかと思います。
準備するのは
苔玉の主役となる 素材
今回は デショウジョウ (縦に伸びながらも 横にものびてゆく植物)
添えとする 素材
今回は コウチョウボク (横に広がってゆく植物)
他にも 皆さんの好みで
トクサ (縦に伸びるが線として)
タツナミソウ (横へと広がる 高さは競わない)
アサギリソウ (横、縦共に伸びるが 高さは競わない)
を用意しました。
主木、添えの取り合わせは
1 日照時間(陽当たり好みか?日陰が好きか?)
2 水を多く必要な植物か? (乾きに弱い?乾きに強い?)
3 育って行く方向が異なっているかどうか?(縦に伸びる?横に伸びる? 住み分けが可能か?)
この3つを考慮して組み合わせを決めてください。
次に 苔 やはり苔も日向で採取したものは日向がこのましく 日陰で取ってきたものは日陰でないと育ちません。
受け皿 (作って間もないころは 簡単に底が抜けてしまうので ひと月くらいは 持ち上げずにすむものを用意しましょう。
ケト土 素材の大きさにもよりますが、ソフトボール程度の量が必要になります。
水苔(こぶし程度)
混ぜる赤玉土(出来れば粉にして ケトに対して10対1未満)
底用赤玉土(一握り程度)
黒っぽい糸 (けと玉、苔玉の崩壊を防ぐ。)
ビニール手袋 用意できれば丈夫な土の袋。
バケツ
汚れても問題のない服装
エプロン
霧吹き
回転台があると便利です。
手順
いつでも手が洗えるように 水を汲んだバケツをそばに用意しておくと便利です。
市販されているケト土の状態では 苔玉にするのは非常に難しく まず最初に
丈夫なビニール袋(土や砂などの袋を使います) を用意して
ケト土+赤玉土(ごく少量)+水苔(少量)+水(少量ずつ、※入れ過ぎると使えなくなるので、霧吹きで足すぐらいの方が失敗が少ない) これらを 袋に入れ 下が平らで 小石などがないところで スニーカーなどで踏みます。
広げてはこね、広げてはコネを繰り返し 用土の硬さが 耳たぶ 程度まで繰り返します。
固くて混ぜにくく、ポロポロなら 水(スプレーがあればスプレーで) または濡らせた水苔を、
逆にトロトロなら 乾いたミズゴケか粉の赤玉土を
少し足します。
程よい伸びが得られれば ソフトボールの玉のようにします。
こねるのに使ったビニール袋の左右を切って1枚のビニールにします。
中央で半分に折ります。
その真ん中にけと玉を入れて けと玉をだんだんにつぶし
🅼サイズの厚い生地ピザの大きさ程度に します。
この時に 端っこを起こしても形が維持できることを確認しておく。
乾燥が早いので そのままビニールはかぶせておきます。
次に
主木 添え その他の植物の根をほぐします。
この時期(6月上旬)だと正直なところ植え替え適期とは言い難いので やんわりほぐす程度に。
主木の正面(一番かっこよく言えるところ)を決めて 添えの 位置関係もしっかり決めます。
正面と主従の位置関係が決まったら「主木の根」と「添えの根」の間に少しだけケト土、
または濡れた水苔を挟んで もう一度位置、正面を確認。
問題がなければ 糸を使い しっかりくっつくまで10周くらい巻きます。
※根をほぐしすぎて 土がほとんどない場合には 少し濡らした水苔を この本体に巻きます。
(いっぺんにくっつけるのは難しいので 糸を使いながら水苔を巻き込む感じ。)
円盤状に広げたケトの中央に 軽く一握りの赤玉土を乗せます。
その上に主従一つになった本体を持ち ビニールの下から 周りのけと土を包み込みます。
本体を包み込むように周りを立ち上げたら しっかりよく本体に密着すように丸め込む。
正面と角度を確かめながら 2回程度 少し持ち上げて ドン と 落とす感じで
底の部分が平らになるようにする。
静かにビニールを広げる。 この時に 余分なケト土は 取り除く。
丸よりも円錐形の方が 苔が張りやすいので 円錐形になるよう形を整える。
(回転させる都合もあるので ビニールもこの時にほぼ 少し大きめの円形に切っておくと後が楽です。)
持ち上げる前に 糸で、(特に下の方) 周りの土手が崩れぬようしっかり巻く。
三番目以降の根の場所を必要なもの は ここで けと玉に足します。
例えば トクサ
※ ピンセットや割りばしで穴をあける程度で済む場合は 一番最後
そっと斜めにして 底と根元近くの部分を 糸で巻く。 いっぺんに持ち上げると底が抜けるので、90度くらいづつ ずらしながら 伊とを巻いてゆく。
ある程度底が抜けなくなったら 持ち上げて 底が
抜けないように さらに糸を巻く。
次に 苔をはります。 やはりはがれやすいので うまくいかないときには 糸を少し使いましょう。
一通り苔がしっかりはれたら また 糸を巻きます。
円錐形では?と形が気に入らない場合は ここで 形を 整えます。(苔が終わってから糸をしっかり巻いてあれば 垂直に近くても苔ははがれない)
主木 添えの根元付近のケトはなるべく取り除きます。(唯一の水の給水口) 代わりに苔をのせる。
ここで 最後のパーツを植えこみます。
今回は アサギリソウ タツナミソウ
お皿にのせる。(一か月くらいは持ち上げないように)
水やり。 10秒かけて 20秒くらい休み、また10秒 。 それを3~4回。
今回はデショウジョウ、コウチョウボク なので 半日程度の日照が無難です。
欲を言えば西日が当たりにくい場所が 望ましい。
最後に 付け足しした
アサギリソウ (朝霧草) 銀色の葉が特徴。 日照が多くても少なくても育つ。
トクサ 日照時間長いほうがよく育つ。水に濡れたままでも可。
タツナミソウ これから紫色の花が咲きます。 やや日照好み、日陰でも育つが伸びてしまうかも。
増えすぎた場合には はさみで切って へらしてください。
普通の鉢物と違い 水が簡単にはしみわたりません。 これからは毎日一回 水やりになると思われます。
その一回が 面倒でも 1回かけては 休み かけては 休み。 もう一度かけて。
3回くらいはかけ直ししてください。
とりあえず 肥料は1月ほど無し。
皆様 苔玉 お大事に。
今回は忙しくて、途中の撮影は出来ませんでした。
撮影時 後ろが白なので せっかくきれいな苔が 黒くなっちゃって すみません。
お家で苔玉を飾った画像を 私に送っていただければ 後日 公開したいと思います。