植物を育てています

盆栽の手入れをしながら感じたことをお話ししようと思います

五葉松の古葉取り 下葉取り

2020-09-29 19:21:06 | Weblog






五葉松の古葉取り、下葉取り。



早い人では、7月に入ると始める方もいらっしゃいますが、
9月末位までは、鋏で丁寧に切る。または、ピンセットを使わないと、
葉の根元の皮まで取れてしまったり、、
不用意に新芽にさわると 数日後 新芽が折れて赤くなったりします。


10月の中旬から下旬になれば 一般的には 手でつまんでも取れやすく、
また新芽もほぼかたまってきていて、少しさわる程度なら葉が途中で折れたり、
先が赤くなるなどの弊害が出にくくなります。

しかしながら、肥料旺盛、鉢が大きく元気に伸びている枝などは 簡単には取れないときもあります。
手で取っても、皮までむける、非常に取りにくい場合などは 鋏を使って丁寧に切ってください。


五葉松に限らず黒松などでも、手を枝にいれるときには下から上に動かすように。


古葉は 樹冠には多く、下枝になるに従って徐々に量がすくなくなります。
樹冠は多め、下枝は少なめに 古葉を取ります。

弱っている枝等は 減らさずにおくか、少しだけにする。







下葉取りは 各々の枝棚 下にはみ出している部分を 取る。
この作業をするだけで 見た目がかなり変わります。


「ちょこっと 玄関に飾ろう。」と 考えた時など、雑草を取り、鉢を掃除して 下葉取りを
済ませると、飾り映えします。

なつかしい 思い出

2020-09-26 12:22:54 | Weblog
まだ、私が弟子だったころ 園で発行する小冊子のようなもの がありました。
園にお越しのお客様だけにお渡ししていました。
もう、40年以上前のお話に なってしまいました。

昔の盆栽村は 平日でもたくさんのお客様でにぎわっていましたが、
週末ともなれば 門を開けるのと同時にお客様がはいってくるほど。

絵葉書なども売っていました。
そんな時代に作られた 親方の文章です。



「カマキリ」
 ~~~秋の日に~~~

鈴虫が しきりに鳴いているのに 耳を傾けていたが、
いつのまにか 鳴き声もとだえ、うめもどきの赤い光った可愛い実が、
まるで宝石をちりばめた様な姿を呈している。
アケビの薄紫色の細長い のんびりした実、松類は夏の高温のために、緑がふかふかと充実して魅力を加え、
「秋深し」を庭中に漂わせ、本年の丹精を素直に表している。

ふと、庭の隅に目をやると、白い花を咲かせた つる草の上に、カマキリが静かに立っている。 
もう少しで卵を産むのだろうか。
夏のうち、盆栽の害虫を食べてくれて、大切な盆栽の管理に協力してくれたのだろうと思うと、本当にご苦労様と 声をかけたくなる。

子供の頃に、夏の にわか雨の水溜りで、カマキリの体内から出た線虫みたいなものが動いているのを不思議に思い 
いつまでも眺めていた事を思い出す。
来年もよろしくね とつぶやく。

1981年10月  加藤秀男(萌3号より)




植え替えについて

2020-09-15 09:18:00 | 盆栽教室
植え替えについて


※植え替えは なぜ行うか?

盆栽は限られた鉢の中でしか根が成長できないないため
種類によっては一年で、遅い場合でも10年程度で 土を入れ替えないと
真夏の水やりが困難になり、枯死する可能性が高まる。

剪定や針金かけ等により 正面や角度が変わってしまう。
またその時の育て方の変更により スピードを求めるとき。または逆に老化を求める時。

盆栽の持ち主が変わったり、置き場所の変更があり 水やりの環境変化により維持管理が困難なとき。



植え替えの注意点

健康な状態であるかどうか。 その種類にとって適した時期であるかどうか。

植え替えは 人間にたとえるならば、胃腸の外科手術と同じ、古くなった根を切り取り、
新しい根が育ちやすい環境にすることにより、木が若返り、ゆえに100年を超す盆栽がある。

可能な限り 短時間で。そのために 準備は完全に整える。(次の鉢 土 固定等アルミ線 底網 道具 水平の作業台)



作業手順

1 上根をかき出す。(根張りを出す)

場合により金属の道具も使うが、先をとがらせた竹箸などで ていねいに掻き出す。
根張りより高くなってしまう部分は可能な限り切り取る。



2 下の部分をほぐす。

 角度が変わる場合は 上にはみ出る部分、下にはみ出る部分を先にほぐす。
太い根が出てきた場合 切らずに残しておく。



3 周りをほぐす。 

1,2、で残しておいた太い根野所在を確認して細い根と立て替えられるところで 太い根を短くする。
または元から切り取る。

下に落ちた土や根の量が半分以上になったら 残る根のことを考えて さらに慎重に。

金属の道具はなるべく避けて箸などで すすめ、はさみも 根の切り口がきれいだと成長も早いので
切れる鋏を使用する。

大まかに根を切り一度 次に植える鉢に乗せ 前後左右底 の隙間の確認をする。
問題なければ 全体の根をしっかり切る。



4 選んだ鉢にもよるが ゴロを敷き 次に 植え土をほぼ中央を盛るように敷く。
次の正面を見据えながら 気持ち抑え込むように植えこむ。

前から、左右の位置と傾き、横から ほぼ中央に位置しているか、前後に傾いていないか、 を確認する。
問題がなければ、針金で抑える。


植え土を入れる。
 少し低めの位置まで土を入れたら、箸2本で 土が入っていないところがないか 確かめながら
土を入れる。
最後にもう一度前、横から 正面、角度、位置が間違っていないか確認。



5 水やり。
 最初の水やりは、水をやり始めると、下から濁った水が出てくるが、
それが澄むまで 溢れさせないよう、植え土が動かぬよう丁寧に何度か水やりを続ける。
下から出てくる水が澄んだら 終了。



春の植え替えでも秋だとしても 可能なら 朝日が当たり夕方はかげる場所が望ましいが、
元場所しかない場合は、規則正しく与えられるなら葉水も有効。

最初の1か月くらいは根元の元からある土の部分の渇きを見て水やりの判断にするとよいでしょう。