前のページで表記はスキャンした文書を掲載し見にくくて申し訳ありませんでしたが、内容を一部補強し次の提言を3月1日連合神奈川に提出しました。
【雇用・労働】
〈継〉1.健康な高齢者の働く意欲、並びに「生活困窮者自立支援法」に基づいて、体力・能力・資格・経験が生かせる職種のマッチングを行い、働く場の確保・拡大を目指すこと。
〈継〉2.日本の人口減少は、将来の人材不足の顕著化に繋がると同時に産業全体の衰退になりかねず、若者が希望を持つことが出来る社会、安心・安全に暮らせる老後に向け、企業に対し正規雇用、及び非正規雇用から正規雇用への拡大を強く働きかけること。
【福祉・社会保障】
Ⅰ.「無届有料老人ホーム」の継続した実態把握と利用者の支援対策について
〈継〉 厚労省の再調査により平成28年1月末時点における無届施設数が明らかにされたが、低料金無届施設の需要がある限り無届施設はこれからも増え続けると想定する。経済的理由でやむなく無届施設を利用せざるを得ない弱い立場の高齢者の人権と安心・安全を守るため、次のとおり要求及び提言する。
1.無届施設の実態を常に把握して(介護報酬請求により実態把握は可能)正確な実態が地域住民に分かるようにするとともに、事業者に対し地域ボランティアとの交流を行うよう指導すること。
2.施設ガイドラインを満たしていなくても届出させるよう柔軟な対応を行い、利用者の人権と安心・安全が守られるよう継続的にチェックすること。
Ⅱ.地域包括ケアシステムの構築について
〈継〉1.2025年に向け包括ケアシステムの構築の取り組みは進められているが、必要とされる医療関係と介護関係等の異職種連携をはじめ、地域に存在する福祉資源の活用や住民参加による生活支援との連携は依然として不十分な状態にある。引き続き、在宅看護や在宅看取りが出来る状態になるよう、在宅医や訪問看護師の確保と異業種・多職種の連携、ケアマネージャーやホームヘルパーの育成、地域への情報開示と住民の参加・協力体制の確立などに努めること。
〈継〉2.厚労省の2015年度の介護保険の使用状態は、居宅サービスの利用者が全体の73%を占め、要介護度5の居宅介護サービス利用は限度額の64%と報じられている。
介護保険の使用については、居宅介護が永続できる環境づくりへの援助と支援策の充実に努め、在宅医やケアマネージャー等と連携して地域包括システムの構築を目指すこと。
〈継〉3.2025年に地域包括ケアシステムを完成させなければならない。在宅医や訪問看護師の実態、ケアマネージャーやホームヘルパーの育成状況など、毎年の進捗状況について明らかにすること。
〈継〉4.空き家を活用した高齢者の憩いの場・交流の場を設けるなど、心身ともに健康に暮らし続けられる健康増進施策の充実、日常生活や生きがい、社会参加に向けた指導・支援を行うこと。
Ⅲ.要支援1・2の訪問介護と通所介護の総合事業への移管につて
〈継〉1.要支援1・2の訪問型サービスBと通所型サービスBは、全国の市町村でボランティアを主体にした住民の参加が乏しく、未だ軌道に乗った市町村は数えるほどで、どのようなサービスが提供されているかはっきりせず、カオス状態にあると評されている。総合事業への移管に伴うサービス提供の現状と指導状況を明らかにすること。
〈継〉2.訪問・通所型サービスAの事業者指定の状況とそのサービス内容、どのような指導をしているのかを具体的に明らかにすること。
〈継〉3.現行の訪問型介護相当、通所型相当はサービスとして現存するが、このサービスを受けることが出来る要支援1・2を判定する部署(者)と基準を明らかにすること。
〈継〉4.要支援1・2の総合事業への移管に伴う事業者の報酬引き下げ幅を明らかにするとともに、総合事業への移管前とのサービス内容の違いを明らかにすること。
また、現行の通所介護相当と訪問介護相当を行う事業者は、報酬が削減されることによって、このサービスを辞退する事業者多いと報じられているが、実態について明らかにすること。
Ⅳ.要介護1・2の訪問・通所介護の総合事業への移管反対について
〈新〉1.国は介護保険の中重度重視(要介護3~5)の方針を掲げ、要支援1・2を総合事業へ移行させ、引き続き要介護1・2も総合事業へ移管する方向を明らかにしていた。しかし要支援1・2が全国的にカオス状態にあることから、要介護1・2の総合事業への移管を一時ストップさせているに過ぎない。
移管となれば家族への負担増は言うまでもなく、認知症を含めて総合事業での的確なサービス提供はとうてい不可能であることは要支援1・2で明らかである。よって要介護1・2の総合事業への移管はすべての市町村で絶対反対の意思表示を国に対して行うことを強く求める。加えて福祉用具の貸与についても従来どおりとすること。
Ⅴ.認知症・介護に関する要求
〈新〉1.認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)に基づく認知症サポーターの育成、認知症カフェの普及、認知症対応型共同生活介護の整備などを推進するとともに、認知症の人を介護する家族からの相談に応じる体制の充実、徘徊への対策を講じること。
また、認知症高齢者が起因する損害について、過剰な賠償責任が家族に及ばないように法整備に向け、国への働きかけを強めること。
〈継〉2.低所得の要介護者が入所可能な介護施設の増設を行うとともに、将来の介護関係労働者の不足を見込んだ育成と確保、並びに介護職員離職ゼロになる処遇改善を行うこと。
Ⅵ.医療に関する要求
〈新〉1.国に対し、医療費が急増する実態を無視する高額療養費制度の高齢者の負担上限額の引き上げ、後期高齢者の保険料軽減特例の段階的解消について撤回を求めるとともに、後期高齢者医療制度の窓口負担の引き上げと負担率算定にあたって資産勘案を付加することに反対すること。
〈新〉2.高齢化に伴い2025年には看護職が約205万人必要と推計されているが、2012年の就業者数は約154万人となっている。年間19万人が新たに看護職に従事・復職する一方で、16万人が離職している現状から、長時間夜勤の解消など処遇改善施策などの指導を行い、離職防止に努めること。
〈継〉3.かかりつけ薬局での処方と「おくすり手帳」提出の義務化を徹底指導し、重複処方に伴う摂取過多、過重投与、残薬などによる薬代の増加問題の解消に努めること。
Ⅶ.無料低額宿泊所の運営に対する行政の監視と指導強化について
〈新〉1.2013年5月15日に開催された九都県市首脳会議において「無料、低額宿泊所等に関する法的整備について」検討され、その合意に基づいて厚労省に要望書が同年6月25に提出されたところである。この要望書に対する厚労省の回答を明らかにするとともに、引き続き早期な法整備に向けて国への働きかけを強め、無料低額宿泊所の運営が基本的人権を無視した貧困ビジネス化している実態を解決すること。
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【参考資料】
前文略・・・・権利の擁護と自立助長の観点から利用者の適正な処遇を確保するとともに、いわゆる貧困ビジネスを排除するため、無料低額宿泊所及び法的位置付けのない施設等に対し、これら施設の定義及び位置付けを明確にしたうえで施設基準、運営及び届出制を見直しなど、早急に法的整備を行うことを強く要望する。
1.無料低額宿泊所及び法的位置付けのない施設等の定義や位置付けを明確にすること。
2.無料低額宿泊所に対して、届出制の見直し、設備・運営等の基準の明確化、指導の権限強化など法的整備を行うこと。
3.法的位置付けのない施設等で無料低額宿泊所に準じた事業を行っているものについても、社会福祉事業に係る規定を準用するなど、法的責務を明確にし、規制できるようにすること。
平成25年6月25日
厚生労働大臣 田 村 憲 久 様
九都県市首脳会議 埼玉県知事 上田清司、千葉県知事 森田健作
東京都知事 猪瀬直樹、神奈川県知事 黒岩祐治
横浜市長 林 文子、川崎市長 阿部孝夫
千葉市長 熊谷俊人、さいたま市長 清水勇人
相模原市長 加山俊夫
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〈新〉2.2015年6月の無料低額宿泊所の届出施設は、神奈川県所管52施設1,029人、横浜市所管44施設1,319人、川崎市所管20施設733人、相模原市所管14施設297人、横須賀市所管1施設 13人(人数はいずれも入居者数)計131施設3,391人となっている。人間らしい生活とは程遠い劣悪な食事や生活環境にある無料低額宿泊所も存在することから、入居者の生活相談の実施、並びに食費や光熱費の徴収額などの実態調査を行い、生活環境改善、貧困ビジネスの防止に努めること。
〈新〉3.無料低額宿泊所における介護や医療サービスの必要な入居者の把握を行い、適切な治療や介護が受けられる適切な施設への入居替えをすること。
【社会インフラ】
〈継〉1.交通政策基本計画の実効性を確保するため、交通専任者を配置し事業者と連携して路線の新設等の企画立案を行うこと。並びに、自治体・事業者・利用者を構成員とした地域公共交通会議(法定協議会)を設置し利便性を高めるとともに、バリアフリー化等、安心・安全に住み続けられるまちづくりに向け、住民のニーズを反映した交通政策を推進すること。
〈継〉2.交通過疎地域に生活する高齢者、歩行困難者な高齢者、障害者、さらには高齢者の運転免許の返納などにより、生活用品購入や通院が困難な状況あることから、交通弱者の移動手段を確保しその運営等を行うこと。
また、大規模小売店舗立地法に伴って廃業が進む地域の中小商店への経営支援対策、スーパーや商店街振興組合への宅配サービスの要請、インターネットの利用など多様な施策を用い高齢者をはじめとする買い物難民対策を行うこと。
〈新〉3.首都直下型地震、東南海地震等「震度7」クラスが想定されている中、平日の昼間帯に地震・津波等が発生した場合に中学生・高校生の機敏な行動力が貴重な戦力になることから、中学校・高等学校に地域の防災訓練等への参加を指導し学生の力を借りたより質の高い地域防災体制の確立を目指すこと。
〈継〉4.地域住民と協力し、自主防災組織づくり、独居老人への声掛けや定期巡回、学童をイジメや犯罪などから守る気付き相談・見守りなどより、安心・安全に暮らせる居住地づくりを推進すること。
〈継〉5.IP電話からも「0180」や「0570」に接続出来るようして、寄付行為を可能にすること。
【教育・人権・平和】
〈新〉1.大規模地震発生時の対応などで小・中・高生など学生の果たす役割は大きいが、地域が行う防災訓練等への参加など、日頃の地域活動の必要かつ大切さについて、体系的に学校で学べる仕組みを構築すること。
【行財政】
〈新〉1.悪質な訪問販売、電話勧誘販売などの迷惑勧誘行為に対して「事前拒否者への勧誘禁止制度」の導入など、条例制定などによる規制強化を行うこと。
〈継〉2.警察署の窓口は、休祭日に一部を除き閉鎖されている。休祭日にも運転免許証の書換えや受取りが可能となる方策を講じること。
「将来を見据え2020年度までに取り組む事項」
〈継〉1.地球温暖化対策の推進
現在の日本は世界第5位のCO2排出国であり、人口一人当たりの排出量も途上国の数倍となっている。2020年までに、温室効果ガス排出量を国・県の目標である1990年比で25%削減する施策を確実に推進すること。
〈継〉2.少子化対策の推進
人口減少をこのまま放置すればその歪みは拡大を続け、社会保障制度、財政、経済、産業社会インフラなど日本社会は崩壊する。2014年5月に公表された「日本創成会議」(政府の合同会議)の提言は「人口減少を緩和するためには、2012年で1.41だった合計特殊出生率を2025年に1.8に引き上げる事が望ましい」としている。この提言に沿った少子化施策を確実に推進すること。
【地域連合関係を介した政策・制度要求と提言】
○横浜地域連合
〈新〉1.「舞岡公園」及び隣接する「舞岡ふるさと村」は、樹木の剪定等の管理もされておらず巨木になり見通しが年々悪くなっている。
また、台風の時など強風により太い枝が飛ばされてくる状況にあり、昨年の台風時には折れた枝の処分を管理事務所に依頼した事態も発生した。公園の性格上、巨木が必要な場所もあると思うが、少なくとも住宅の近くの樹木については剪定などを行い、安全を重視した管理の徹底を要望する。
〈継〉2.1986年9月5日に(株)三興企業が提出した管理型産業廃棄物最終処分場届により、戸塚区品濃町の産業廃棄物最終処分場に産廃物が運び込まれたが、廃棄物処理法に従わない不適正な処分、処分場の許容範囲を超えた搬入により産廃物の崩落の恐れ・悪臭・汚水が流失しているにも関わらず、2000年には(株)三興企業が倒産し、処分場は崩落の危険や環境汚染など何ら対策がされないまま放置された。
15年前から横浜市資源環境局が特定支障除去等事業を行っているものの除去事業等は遅々として進んでおらず、速やかに許容範囲を超えた産廃物の搬出、汚染水の等の流失防止策を行い、地域住民の安全の確保と不安を払拭すること。
○湘南地域連合
〈継〉1.善行駅前広場、及び周辺の道路は、車道と歩道の段差がある。また、坂道は雨の日には滑りやすい状態にあることから、滑りやすい坂道の改修と駅前広場等のバリアフリー化を推進すること。
○小田原・足柄地域連合
〈継〉1.酒匂川の右岸の小田原総合体育館にはトイレが設置されているが、約5km上流の足柄大橋までの間にはトイレが未設置となっている。毎年開催するツーデーマーチへの来場者、健康維持に向けたウォーキングや散歩をする市民などのためにトイレ設置をすること。
3月1日(水)18時30分から20時迄横浜・関内ホールで開催された連合神奈川の春季総決起集会に神奈川シニア連合から24名の高齢者が参加しました。