童話を題材に、時々つちびとを作る
特別、童話や絵本が好きだと言うわけではない
幼い頃・・・はじめて それらの童話に出会った時の
共感や違和感や真実が・・・今頃になって 形になる
ワイアートの個展に出した『もう一つのブレーメン』は
『ブレーメンの音楽隊』がベースになっている
派遣切り、殺処分、・・・今起こっている多くの問題が示唆される
いらなくなったら、処分する
役に立たなくなったら、捨てる
それはないだろうと ずっと思ってた
ずいぶん昔の童話なのに・・・現在にも通じる深いテーマ
人間の勝手で捨てられた、また殺されそうになったイヌ、猫、ロバ、にわとり・・・
彼等は、音楽隊に入ろうと 新たな夢を信じて ブレーメンを目指す
でも、本当の童話では 泥棒たちが住んでいた家を 力をあわせて手にいれ
そこで幸せに暮らしましたとさ・・・という結末
それはないだろうと 思った
たとえ泥棒のものでも奪ったもので幸せになるなんて・・・
それに・・・彼等がめざしたものは ただの住処や生活の安定じゃないよね
ずっと、違和感があって・・・だから・・・1999年につくった
可南の『もう一つのブレーメン』
そして・・・つちびとを見せ、娘に 私の想いを語った
もう何年も昔のこと・・・
その時・・・娘が書いた詩のようなものが ある
長くなるけど・・・ブログ更新すらままならない娘への想いもあって
ここに 載せる・・・
たぶん、娘はそんなものを書いた事すら忘れているかもしれない
無断で載せて・・・叱られるかもしれないなあ
荷物を運べなくなったロバは
明日 家を追い出される
卵の産めなくなったニワトリは
明日 スープの中にいる
狩りのできなくなった イヌ
鼠をとれなくなった ネコ
明日 主人に撃ち殺される
トイレを忘れた おじいちゃん
明日は・・・どこへ
「ブレーメンへ行こう｣
最初に 言ったのは誰だっただろう
昔とったキネヅカを
最後のたよりに 夢を見る
ブレーメンへ 行こう、ブレーメンへ行こう、ブレーメンへ・・・
・・・いったい何処に？
ブレーメンへ行こう
・・・どうやって？
ブレーメンへ行こう
・・・もしかすると、それは・・・
ブレーメンへ行こう
・・・あっちの世界・・・
ブレーメンへ行こう
老いの最後に見る夢が
それでは あまりに寂しすぎるから
ブレーメンへ行こう
ブレーメンへ行こう
ブレーメン・・・
もうすぐ 夜が明ける
逝き先は
｢ブレーメン｣
ずいぶん昔に読んだ童話を 私がいい加減に伝えた内容を元にして
娘が書いた詩・・・ベースになっている部分すら 間違って伝えているかもしれません
想像の産物だと許していただけたら嬉しいです
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