冠野製作所

ギター、エフェクターについてつぶやいていきます。

AF-20用ピックガードの作成

2025-01-19 23:46:48 | その他
ピックガードを作成しました。といっても、ジャズベ用ピックガードから切り出しただけですが。

大阪日本橋の千石電商で、下の写真のようなジャスベ用の鼈甲柄ピックガードが500円で投げ売りされていましたので、それを利用しました。



アクリルカッターで大まかに切り出し


そこからヤスリで形を整え、
最後は電動ドリルにサンドペーパ#100を巻き付けて。3plyなので、ふちを斜めに仕上げれば、いい感じに輪郭がついてくれます。


エッジを整えて、結構時間はかかりましたがいい感じにできて自己満足です。



以下は、もともとついていたピックガード。ボディと同系色だけど、なんか似合っていなかったので、濃い色のものに変えたかったのが、自作した理由。
この形、穴の位置で会うものは、きっと市販されてないでしょうね。



Sadowskiのフルアコみたいな、黒いピックガードもいいな。たぶんあれば木製(エボニー?)だとおもうけど、
今回使用したピックガード、もう一枚買って裏側をつかうのもいいかも。

Bカーブの可変抵抗でCカーブを作る

2024-12-21 00:24:42 | その他
Keeleyの4nob Comp を自作しようとしていたら、150KΩのCカーブの可変抵抗が使われていて、
入手できないので、以下のページを参考にBカーブの可変抵抗をつかってCカーブを実現することを検討します。

Bカーブから擬似Aカーブと擬似Cカーブをつくる | なんでも独り言

Aカーブを使いたいのにBカーブしか持ってないという状況があるかもしれません。 そんな時でもBカーブにちょっと細工(?)することで擬似的にAカーブやCカーブにすることが...

なんでも独り言 | 電子工作とか「つくる」のが好きな人の日々

 


ここで気になったのが、Aカーブの場合は、摺動子が真ん中のとき、抵抗値が15%になるものを15Aと呼ぶ、というように
定義があるのですが、Cカーブに関しては85Cのようないいかたをネットで見つけることができませんでした。
Cカーブの可変抵抗器のデータシートを見たのですが、グラフが掲載されておらず、分かりませんでした。
(自分で適当なCカーブの可変抵抗器を買ってみて測ればいいんですけどね。)

とりあえず、摺動子が真ん中のとき、抵抗値が85%になるようにするには、どうすればいいか考えてみました。


定格がR ΩのBカーブ可変抵抗器に、何Ωの抵抗を並列につなげればいいか考えます。
並列に接続する抵抗をxRΩとします。
上の図で、揺動子を左から右へ回したとき、αが0から1まで変化すると表現しています。
つまり、揺動子が左いっぱいのとき、端子1と端子2が短絡して0Ω。
揺動子が右いっぱいの時、α=1で、抵抗値が最大に。

α=1のときの端子1~端子2間の抵抗値は、xR*R/(xR+R) = xR/(x+1)
α=0.5のとき(摺動子を真ん中にしたとき)の合成抵抗値は、xR*0.5R/(xR+0.5R) = xR/(2x+1)
摺動子を真ん中にしたとき、85%にしたいので、 0.85xR/(x+1) = xR/(2x+1)
これを解くと、 x=3/14 = 0.21428...
このとき、可変抵抗器をMAXにしたときの合成抵抗値は、3/17*R

つまり、RΩの可変抵抗器(Bカーブ)に、3/14*R Ωの抵抗を並列につなぐと、3/17*R Ωの85Cカーブ可変抵抗器になる、ということです。

なので、150kΩの85Cカーブを作りたければ、
150k*17/3=850KΩのBカーブ可変抵抗器に 850k*3/14=182.14..kΩの固定抵抗を並列につなげればよい、と。
182kΩの抵抗器は何とかなるとして、850kΩのBカーブ可変抵抗器なんて存在しません。

厳密に85%にならなくていいので、何とかならないか考えます。まず、入手可能なBカーブの可変抵抗器として、1MΩを選択します。
これに、並列に抵抗を入れて合成抵抗を150kΩにするには、

1M*x/(1M+x)=150k
1M*x=150k*1M+150k*x
x=150k*1M/850k=176.470..k
E24系列から選ぶとすると、180kΩとなります。

そうすると、合成抵抗は 1M*180k/(1M+180k)=152.5423....kΩ  誤差約1.7%なので、上出来。(そもそも炭素被膜抵抗の誤差が5%あるので)
摺動子を真ん中にしたときの合成抵抗値は 500k*180k/(500k+180k)=132.3529...kΩ
132.3529/152.5423=86.76% ちょっと85%より大きい

というわけで、150kΩ(85Cカーブ)は、1MΩ(Bカーブ)と180kΩの並列接続で実現できることがわかりました。



これを応用すれば、任意の抵抗値のCカーブが作れそうですね。

ただし、端子2と端子3は短絡しているので、電圧の抵抗値分圧などの用途には使えません。

補足:同様に、90Cカーブにしたいときは、x=1/8 となり
可変抵抗器をMAXにしたときの合成抵抗値は、8*R/9 Ω

つまり、RΩの可変抵抗器(Bカーブ)に、1/8*R Ωの抵抗を並列につなぐと、8/9*R Ωの90Cカーブ可変抵抗器になります。

....と、ここで驚愕の事実が判明

JIS C 5260 “電子機器用可変抵抗器” にA,B,Cカーブが定義されていました。 なんとCカーブは右肩下がり!

JISC5260-1:2014 電子機器用可変抵抗器-第1部:品目別通則

この規格は,品目別通則であり,ねじ駆動形,半固定形,多回転形などを含む全ての可変抵抗器(以下,可変抵抗器という。)について規定する。

kikakurui.com

 




なので、"85C" ではなく"15C" でした。

ポテンショメータの構造からして、左に回し切った時に抵抗値が最大になるようには、できないような気が。
とおもったら、Cカーブの場合、端子番号が逆配列になっているようです。

https://www.mouser.jp/datasheet/2/54/PDB181-GTR-1013660.pdf


ここで、KEELEY 4knobs Comp の回路図を見直します。

https://aionfx.com/app/files/docs/aurora_legacy_documentation.pdf

この回路図だと、時計方向に回すと抵抗値が増加していくことになっていますが、端子番号を、AカーブやBカーブのものと
同じだとかんちがいしているとおもわれます。



E系列の値のズレ?

2024-12-17 00:37:54 | その他
抵抗やコンデンサの値って、10,20、30 じゃなくて、22、33、47...とか、変な値ばっかりですよね。
これって、E系列と呼ばれる数値で決まっています。 詳しくはこちら。

【E系列のまとめ】『E12系列』や『E24系列』などの一覧表などを解説!

抵抗やコンデンサのE系列は『E3系列・E6系列・E12系列・E24系列・E48系列・E96系列・E192系列』あります。この記事ではE系列の『一覧表』・『計算方法』・『誤差』などを説...

Electrical Information

 


で、ここにも書かれていますが、E24系列の場合 10^(n/24+1) (n=1,2,..24) で決まる値となっています。
がしかし、実際に計算してみると、そうはなっていないものがあります。



たとえばn=11のときなど、明らかに「29」とすべきなのに「30」としています。なぜなんでしょうね?

E24なんて、誤差5%で使うのに、この時点ですでに4.42%ずれてるし。
「29」にすれば、誤差1%未満になるのに。

ちなみに、数値はJISで決められています。
JIS C 5063:1997 抵抗器及びコンデンサの標準数列


また、私と同じ疑問を持たれた方が、おられましたが、解は見つかっていないようです。

抵抗の値はなぜ中途半端なの?(E系列の話)(1)

抵抗値が4.7Ω、9.1Ωなどと中途半端な値になっている理由を説明します。E3系列、E6系列、E12系列、E24系列、E48系列、E96系列、E192系列の数表も載せています。

しなぷすのハード製作記

 

NU:X MG-30のFirmware更新(Ver.5.0.2)

2024-10-21 00:17:31 | その他
いまメインで使用している、マルチエフェクター NU:X MG-30のFirmwareの更新をしました。
現在はVer.4.0.3でしたが、最新版はVer.5.0.2です。

実際の手順は、公式サイトのここを参照してください。
NUX MG-30 ファームウェアアップデート | ARIA 荒井貿易株式会社 Arai & Co., Inc.

また、Youtubeで検索しても、いろいろと出てくるので参考にしてください。

私か今回はじめてFirmware 更新してみて、いくつか気づいたことを。

1. Updateするとパッチデータが全部飛びます。
 Update後には必ずFactory Resetしろとも書いてありますが、しなくても元のデータはなくなります。

2. パッチデータのバックアップは、編集ソフトQuick Toneを使えばできます。が、Quick Toneにも、Ver.4用とVer.5用があり、本体Verが、4.xx.xxの場合は、Ver.5用のQuick Toneだと繋がりません。
  つまり、更新前に、Ver.4.用Quick Toneでパッチデータをバックアップし。更新後にVer.5用Quick Toneで、パッチデータを書き戻してやります。

3. Ver.4用のQuick Toneは、NUX_Quick Tone_V2.3.1.14_Windows_V3.zip、Ver.5用は、NUX_Quick Tone_Windows_V2.4.7.18.zip と、名前だけでは、どちらがVer4用かわからない。
(ファイル名の付け方もバラバラだし、、、)

4. Quick Toneは、管理者権限で実行しないと繋がりません。(今まで使ってなかったのでしらなかった)

5. Firmware Update後にFactory Resetしようとしたら、Global Settingの初期画面から無くなっていて、System Restoreの下に移動している。

というわけで、無事成功しました。
CTRLスイッチによるScene切り替えで、エフェクターのオフオンだけではなく、エフェクターの種類やパラメータも独立して設定できるようになっているのが、とても嬉しい!

Firmware更新前は、Ver.4.0.3。



Firmware更新開始



Firmware更新終了。25分くらいかかります。



01A のパッチが、工場出荷時設定に戻ってます。もとのデータは勝手に消されている。



Factory Resetのボタンがなくなっている。System Restoreの下に移動していることは、手順書には書かれていない。


工場出荷状態に初期化


初期化完了



Info画面で、Firmware更新後のバージョン番号を確認