合衆国の片隅で新館 2006~

5人と4頭プラスαと2羽と1匹とその他大勢だったアメリカ暮らしは2人と1頭と1匹になりました。

プロムですよ!

2009-05-17 | コドモたちの学校
怒濤のように毎日が過ぎていく中、ブーが「プロムのために、髪をアップにしてもらいに行く」と言うので、「一週間も前から髪型を準備するの?」などと間抜けな答えをした私に娘は心底あきれ果てていました。そう。プロムは一週間先だと、何故か思いこんでいたのですが、なんと今日だったのです。近頃、自分の予定を把握するだけでアップアップしている私なので、どうしても子どもたちそれぞれの予定が頭に入ってきません。

とはいえ、コトはプロムです。高校生活最後の大イベント、大人への仲間入り。卒業前のダンスパーティです。Promとは…詳しくはコチラ(Wikiさんに聞いてみよう)…と言っても所詮外国人の我々には今ひとつピンと来ないんですが、少なくとも、着飾って出かけるホームカミングやら、他のマイナーなダンスパーティとは違う、シニア(4年生)の社交界デビュー。この日限り(かもしれない)のデートの相手に誘われて、ディナーや写真撮影の予定を立て、ダンスパーティを楽しみ、その後、学校で開催されるアフター・プロムというパーティで一晩中遊ぶんです。

ブーは、この日のために1月頃から、自作のドレスを準備していました。「この日のため」とは言え、決まった彼氏がいるわけでもなく、ダンスに燃えているわけでもなく、実はクラフトショップの主催する自作のプロム・ドレス・コンテストに応募して賞金の1000ドルをgetするためだった、というのが本当のところだったりするのですが。

ともあれ、セールを狙って布を買い、飾りのための細かいビーズやらスパンコールやらをそろえて、デザインを考え、図面(とは言わないか。なんだっけ?)を引いて、ゼロから作り上げたドレスです。











この数ヶ月間、ブーの部屋のドアには「立ち入り禁止!針を踏んでも責任取れません!」という張り紙が張られ、実際、部屋の中だけではなく、ブーの服やら何やらについてきたらしい針やピンやらが家中に散乱、カーペットは糸くずだらけになり、危ないやらキタナイやらで大変だったのですよ。

しかしがんばったよねー。


こんなのができあがりました!!


ぞーきん一枚、いや、トウシューズのヒモ一本付けられないお母さんからよく、こんな娘が生まれたものです。でもブーは3歳の時にはちょうちょ結びが出来たし、幼稚園の頃には、針と糸を使って遊んでいました。きっと本当にこういうことが好きなんでしょう。好きこそものの上手なれ、とはよく言ったものです。
















プロム・デートの相手と、何故かみんな色が揃っていますが、これはもちろん偶然などではなく、男の子は、女の子のドレスの色に合わせて自分のタキシードのコーディネートをしなくてはならないのです。

そして、男の子は、女の子が手首に付ける花もドレスの色を考えて彼女に映えるよう、自分で花屋さんに注文しなくてはいけません。なんて難関なんだ!こうして、男の子たちは、年若い頃から徹底して 女尊男卑 レディーファーストをたたき込まれるわけです。本格的なエスコートの作法もダンスもこうして身につけていくわけですね。アメリカで男の子をやっていくのは大変です。。。



男の子たちが選んでくれたお花です。逆に男の子が胸に着ける花は女の子が選びます。


ブーの場合はこれも自分で手作りしました。



プロム当日、女の子たちは、朝からヘアスタイリストのところへ。その後、誰かのうちへ集まって簡単に飲食しながら写真撮影会。あいにくのお天気だったのですが、近くのゴルフ場のパティオをお借りしてなかなか良い雰囲気の写真が撮れました。

面白かったのは、シニア達本人よりも、親の方が完全に興奮気味だったこと。自分たちの当時を思い出すのか大はしゃぎで、写真の並び順に注文を付けたり、子どもたち(と呼ぶには大きいなぁ)の服を直したり、エスコートの仕方を指導したり……男の子達がそれぞれ女の子に花を渡す場面では、さながら芸能人の婚約記者会見か!?と思うほどフラッシュの嵐。いや~、楽しいわ。

こういう文化にまったく馴染みのない我々は、ただただぽかーんと見守るだけでした。そしたら、一緒に行ったアメリカ人の友人が私に「泣く?」って尋ねるんですよ。なんで!?聞けば、こちらでは、こういった場面でお母さんが「娘がこんなに大きくなって、ヨヨヨヨヨ…」と涙ぐむのがスタンダードだとか。(ほんと?)「これは、将来の結婚式の予行練習みたいなものだよ」なるほど!でも、それだったら日本は逆ですよ。泣くのはお父さんの方よ!って教えてあげたら驚いてました。映画なんかでは、けっこう、アメリカのお父さんも泣いてますよね。


写真撮影会の後は、いよいよ、子どもたちはプロムの会場へ。


こ~んな本格的なホールのボールルームでのダンスパーティです


ここで夜中まで楽しんだ後、今度は普段着に着替えてハイスクールへ移動し、朝まで「アフター・プロム」の時間。これは高校3年生(ジュニア)と4年生(卒業生のシニア)だけに参加が許されるお楽しみパーティで、学校をあげて、それはそれはものすごい飾り付けとアトラクションで盛り上がるのです。なんでも、かつて、プロムの後は、高校生が羽目を外しすぎて良からぬコトになりがちだった、とか。それで学校側は、どうせなら、その翌朝まで徹底的に学校が面倒を見て健全に遊ばせようではないか、と対策を講じたのがこの、アフター・プロムの始まり。

ボランティアの親たちが総力を挙げて作り上げる、アフタープロムのレポートはまた次回に。

こんなに楽しい高校生活、いいなあ、なんてうっかり口走ろうものなら子どもたちから大反撃に遭います。授業中、はもちろん、各3分間しかない休み時間、3つのグループに区切られた昼休み、新しい友達を作るどころか誰かと話をする暇もなく、放課後は有無を言わせずスクールバスに乗せられ、家に帰ればテスト勉強と宿題の山…高校生になってから勉強以外何もしていない!という彼らの高校生活の最後の最後のご褒美がこれなんですって。少しくらい羽目を外したくもなろうってものです。


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23 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちろこ)
2009-05-17 14:54:52
ブーちゃん、なんてすばらしいドレスのできなんでしょう!それにスパンコールやビーズを全部縫い付けたんですね~。
何といっても色が素敵です。日本人の雰囲気と黒髪とのバランスは品があってgoodです。

私、ほんっとにアメリカにいたときレディファーストは快適だと思いましたよ。あまりにも日本は逆過ぎて(特に田舎は・・・)
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Unknown (elm)
2009-05-17 16:47:44
細かいビーズにスパンコールにギャザーのひとつひとつ・・・ただただスゴイ!のタメ息です。
作ってる間、楽しかったのかなと想像すると、それもまたスゴイな、と^^;
「図面」は・・・・・「型紙」?

お嬢さん方の後ろにいる引き立て役、、じゃなくてお若い紳士方も大変ですね~。
なんだかんだで花嫁が主役の結婚式の、まさに予行演習でしょうか、彼らも(笑)

3年後?4年後?・・・・のために、ウーくんも学習してがんばって~(笑)
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Unknown (シナモン)
2009-05-17 18:00:15
プロムは、なんといってもプロムだからということで全てに優先するようなことらしいですね。
私にもあまり理解できませんけど(^_^;

それにしても、素晴らしいドレスが出来ましたね!
もしかしたら、プロジェクト・ランウェイへの応募を考えていませんか?
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Unknown (kira)
2009-05-17 20:47:42
素敵なドレスですね~♪
そうですか、図面・・・ではなくて、パターンから引いたんですか。
日本では、いろんなドレスのフイットパターンが出てます。@手芸店
私は娘のウエディングドレスもそれを利用しようかと考えてます~
スパンコールを1つ1つ縫いつけていくのは根気がいったでしょうね。
負けじと頑張ります~ 良い物を見せていただきました♪
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Unknown (わん!)
2009-05-18 07:14:27
素敵なドレスです~♪背中が、セクシー^^。
頑張って頑張って、頑張り抜いた、高校生活でしたね。。
胸を張って臨んだことでしょう。。
日本で、こんな素敵な想い出に残る高校生活、送ってる子って、いるんだろうか・・・
ダンス、上手にできたかな^^?
ウチの男衆は、アメリカでは、生きられないな・・・
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Unknown (TAMA)
2009-05-18 09:55:02
☆えくぼママさん、
私は親の欲目ですごいなぁ、って思ってしまうのですが、やはり世の中上には上がいるのですよ~。ということをこの大学受験で思い知りました。
今回、このドレスを見た人はみんな「すごいね、お母さんが(縫い物を)教えたんでしょう?」なんてとんでもないことを聞いてくるんです。そのたびに否定しても謙遜してると思われちゃってしどろもどろです。
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Unknown (TAMA)
2009-05-18 09:59:24
☆ちろこさん、
スパンコールやビーズ付けだけでも、少しは手伝おうかと思ったのですが、「何をどうするか、自分の頭の中にしか図案がないから人に頼めない」ということで、毎晩遅くまでがんばっていました。
そうそう、こちらのつもりで日本に行くと、目の前でドアが閉まったりして驚くことがありますねー(笑)
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Unknown (TAMA)
2009-05-18 10:05:07
☆elmさん、
それそれ、型紙、それそれそれです。あれ?でも型紙って作ったのかな?
ブーはこの作業自体は楽しくできたみたいですよ。ただ、これだけやっていればいいわけじゃなく、テストや課題は容赦なく襲ってくるので両立が大変だったみたい。
紳士方は大変ですよ~。今日になって知ったのですが、女の子達は、レストランの食事代もプロムの入場費も何も払っていないんですって。すべて男の子の負担だっていうんです。ひぃ~厳しいっ!
ウーも、今からバイト始めないと…
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Unknown (TAMA)
2009-05-18 10:33:57
☆シナモンさん、
そうそう、プロムは何を置いてもプロムなんですよね。でもブーの学年ってノリが悪いので有名で、出席率がかなり悪かったようです。もっともその分は次の学年がカバーしてるみたいですが。
プロジェクト・ランウェイって初めてききました。そっか~。そんなのがあるんですね。
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Unknown (TAMA)
2009-05-18 10:36:53
☆kiraさん、
そうそうそれです。パターンね。
こちらにもお店には、ズラーッとそのパターンが並んでいますよー。今回は賞金狙いなので、オリジナルじゃないといけないみたいです。
kiraさんはお嬢さんのウェディングドレスを縫われるのですか~~~~~!?!?!?!?!?
すごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいです。私は…犬のネクタイくらいかなあ<限界
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