こらっワールドカップ

Coração da copa do mundo - ワールドカップ期間限定感想文

ブラジル、ドイツ、アルゼンチン、オランダ奇跡の4強.これには理由がある.明日から準決勝

2014-07-08 21:30:27 | 2014ブラジル
フレッジは活躍を誓う


ブラジル、ドイツ、アルゼンチン、オランダ
4強がそろって準決勝を戦うことになった。スペインのことをなかったことにすれば、文句ない4強だろう。4強がそのまま4強というのは滅多にないことである。

サッカーは偶然性に左右されやすい競技、いいかえると番狂わせが起きやすいだと私は考えている。トーナメントであればなおさらだ。しかし今回はそうならなかった。それはブラジルの環境が《過酷》だったからではないだろうか。

ワールドカップは伝統的に南米と欧州で交互に行われ、開催大陸が優勝してきたと教わった(笑い)ような気がするが、実際のところ南米開催は78年アルゼンチン大会以来である。それ以降、南米の番にメキシコが入り、アメリカが入り(ここまではアメリカ大陸だったが)、日韓が入り、南アフリカが入ったので、もうなんだかわからなくなったが、日韓大会までは南米開催は南米優勝のジンクスが生きている。しかし南米開催は78年だから実に9大会ぶりということになる。もう前回のケンペスのことを覚えている人は明らかに50歳以上だ。南米開催がどれだけ過酷か実体験がない。

ブラジルはどの程度過酷なのか、報道ではよくわからない。しかしスタジアムや空港の建設が終わっていなかったり、デング熱の蚊がおそってきたり、いろいろ難しいのだろう。しかもこの気候である。熱帯地域での開催も多く、やはりコンディション作りに失敗するとそれを取り戻すことは並大抵のことではなかろう。その結果として《地力に最も優れた》4チームが勝ち残ったのではないかと考えている。地力とは、体力も含めた個人能力と、状況が悪い時でもなんとかやり抜けるチーム力のことである。

前回南アフリカ大会は、アフリカなゆえいろいろ大変だろうと予想されていたが、結果はサッカーの内容が一番優れたスペインが優勝した。ああいう高度集団芸術団はいろいろな要素がそろわないと成果を出すのが難しいと思う。冬のワールドカップであった南ア大会はコンディションはよかったのだ。ひるがえってブラジル。どうなのだろう。なんか予期せぬことがたくさん起こって、気候もめちゃくちゃで、(日本なんかしかも降るはずのない土砂降りが2戦連続しておきて)、美女もいっぱいいて、気がつくとどうでもよくなっているのかもしれない。

4強は、名実共に4強だが、中身は違う。一番内容がいいサッカーをしているのがドイツだ。バランスよくパスで攻め込んでいく(しかも日本とか壊れたスペインのようにひ弱さを示すことなく)。エジルがいい。しかしエジルがガス欠を起こしてきたような気もする。今期のアーセナルでの戦いがそうであったように。

オランダはリアクションサッカーが話題になっているが、相手に合わせて隙をつくサッカーに《切り替えて》成功を収めている。リアクションに切り替えるというと、南アの日本代表を思い出すが、あの時の岡ちゃんは打ち手を失って、それしかないに追い込まれたリアクション・守備サッカーだった。オランダはそれとはレベルが違い、考え抜いた末に選んだリアクションだ。どうしてこうしたのかは大会後のファンハール監督のコメントを聞きたいが、初戦にスペインと当たることが彼の決断を押したのだろうか。オランダは前線の三銃士が目立つので一見楽しいが、リアクションで私は好きではない。オシムもスポニチのコメントで文句を言っていた。

アルゼンチンは、オランダよりもつまらない。メッシのチームというと聞こえがいいが、なんとか耐えているうちに、メッシが仕事をしてしまっているという風に私は見ている。ただメッシに驚いたのは玉離れの判断の良さ。バルサのコレクティブな印象が強いが、良いタイミングでスルーパスを出すなど、さすがのところをみせている。他の人たちは守備がよい。これも伝統。

さてブラジル。よく勝ち上がってきた。ネイマールのおかげなのか、後ろがよいからだろうか。ネイマールの背骨の骨折は気の毒だった。ちゃんとプレーも含め完治して欲しい。ネイマールは完全に試合から消されていたが、コロンビアの徹底マークがコロンビア自身の攻撃性を葬り、そしてネイマールも大会から退場させられた。ブラジルのよさは、今までのブラジルとは違うもので速いサッカーだ。そして優雅ではない、荒いといってもいい。これが意図されているのか、ブラジル国民に押されたがためなのか。とにかく何かのために非常にひたむきにサッカーをしている。それがかなうといいのだが、総力戦だ。総力戦というとそれを最も得意とするドイツが相手なだけに。

明日朝は準決勝。事実上の決勝戦だ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。