アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

冬の正蔵

2009-02-25 06:27:37 | 落語
先日、正蔵の独演会に出掛ける機会があった。場所は小さめで、生声が聞こえるようなところだったが、その名も「冬の正蔵」という独演会で、どうやらこれまでもシリーズでやっているようだ。

 シリーズということで、常連さんがめちゃくちゃ多い感じだった。最近の正蔵は寄席の代演も積極的に受けていて、年間五百席以上高座に立っているという。
 ネタおろしにも意欲的ということで、独演会といいつつ、勉強会の要素も強いようだ。さて、開口一番はたけ平の「幇間腹」、なかなかテンポがよく面白かった。

 そして正蔵の一席目は「近日息子」むむむ・・・あまりあちこちで聞く噺ではないが、評価が難しい。与太郎の作りこみにはもうひとつ期待したいところだ。
 ついで正楽の紙切りが入る。安定した語りが抜群に面白いし、芸としては毎回感心するできばえである。やはり寄席では、こういう色物がないとダメだなあと。

 そういえば、中入りが入らないなあと思っていたら、このまんま正蔵の二席目に入った。ネタは「品川心中」だった。
 今ではほとんど途中までしかやらないネタ、もしやこの時間にやり始めるということは、長講一席、本当のサゲまでやるのか・・・と期待した。

 だが、やはり生理的に納得できないのが、正蔵の花魁だ。一生懸命やっているのはよくわかるんだが、決定的に声がつらい。
 いや、もちろん声が悪くても女性を演じることができないわけではない。むしろしっかりできている演者もいる。あくまで個人的な趣味だが、正蔵の女はダメだ。

 そして一般的なところのサゲにさしかかる・・・って、終わっちゃったよ(汗)
 あれれ、この時間は微妙だぞ。と思ったら、正蔵、高座に残り話し始めた。何でもサゲの工夫がまだできなくて完成し切れなかったようだ。確かに、本来のサゲはわかりにくいし、この噺を最後までやる意義は?である。

 とはいえ、今年中には再度作り直しておろしますと言っていたので、それには期待したい。それから「薮入り」とかも今年はやりたいと言っていた。
 うーん、どちらかというと「薮入り」の方に期待したいと思うのは小生だけだろうか。子供の出る噺にこそ正蔵の真骨頂があると思う。

 品川心中を聞いてなおさらそう思った小生であった。
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