青春の味「二郎」

このところ、青春時代の思い出にひたることの多い桂であるが、その思い出のほとんどがグルメ、しかもＢ級グルメなのが、小生らしいといえば、そうだが。

　さて、今日のラーメンは、「二郎」である。元々は、三田の慶應義塾大学の前に古くからある有名店である。といってもカウンターのみの小さな店だが・・・
　当時のオヤジは、ひたすらもくもくとラーメンを作り続けていた。店は完全に一人でやっており、常に行列が絶えなかった。

　この店の評価は難しい。一度食べた段階で、完全にファンになるか、二度といかないかのいずれかだからだ。
　麺はオリジナルの超太麺、そしてスープは背脂チャッチャ系でなく、ひたすらギトギトのとんこつ醤油、そこにチャーシューとゆでキャベツが入るのが基本だ。

　さて、この店の注文は大変だ。基本に対し、オプションがいくつかあり、オーダーを唱える必要がある。三田の原点で行くと、注文時は大盛りか普通のみ注文する。
　茹で上がった後、チャーシューが２倍（ブタ）か４倍（ブタダブル）かを指定する。これは有料だ。ここからは、無料のオプションだ。

　次に、野菜を多くするなら、「ヤサイ」という。また、醤油を濃くしたいなら、「カラメ」さらに濃くするなら、「カラカラ」だ。
　最後に、ニンニクを入れるなら、「ニンニク」、たくさんなら「ニンニン」と申告する。これで、お気に入りの味が完成だ。

　学生の頃は、「大ブタカラメヤサイニンニク」が定番だったし、噺家仲間は、いつも「大ブタダブル」だった。
　二郎ファンによると、二郎はラーメンではなく、二郎という料理だという。そんなファンを通り越した何人かが、東京のあちこちに支店を出すようになった。

　池袋店を発見し、懐かしさから入ってしまった。やはり、行列ができている。見ると、当時は見かけなかった女性客もいる。そのせいか、麺少な目というのも受けている。
　小生も、麺少な目で注文した。味は当時より上品だったが、食べ切れなかった（笑）青春の味はボリュームそのものだと再確認した。