三遊亭兼好は、小生お気に入りの噺家の一人だが、かなり個性派といえよう。声も良くないし、高座に上がったときなどは「大丈夫か、この人」みたいな不安感を漂わせてくれたりする。
だが独特の感性あふれる演出は、落語通をも爆笑させるパワーを秘め、抜群に面白い。そんな兼好の独演会が中野駅近くのなかの芸能小劇場で行われたので出かけてきた。
この会は、オフィス10という事務所が主催で、この日はトリプルヘッダーである。兼好の会は午前10時からだ。噺家にとっては厳しい時間だろう・・・
まずは開口一番、兼好の二番弟子のじゃんけんが登場。始めたネタは・・・おっ、「金明竹」だ。関西弁の早口でまくし立てるネタだが・・・
むむ・・・口調がいいし、声も形もいい。なかなかいい前座だぞ・・・ちょっと期待したい感じだ。といいつつ、途中で噛んだのが玉にきずだったが・・・
まあそこはご愛敬というところで、続いて出てきたのがけん玉。この回ではおなじみだが、福耳が目につく。
2013年の入門で、その意味でいえばじゃんけんとは芸歴が違う。法政大学の落語研究会の出身だという。二ツ目も近いだろう。
安定した高座で、始めたのは「釜泥」だ。一か所だけ間違えたが、多くのお客さんにはわからなかったのでは・・・と。
いずれにしろ、兼好の弟子たちはなかなかいいじゃないかって・・・
さていよいよお待ちかね兼好の登場だ。例によって視点がユニークなマクラが抜群に面白い。で、始めたのが「手紙無筆」だ。
前座噺であるが、やはり兼好クラスがやると抜群に面白い。しかも、サゲも変えてあり、予想外の展開に大満足だ。
そして中入り・・・外では都議選の演説がけたたましい。この間に再度パンフを見たら、落語家になるきっかけが書いてある・・・
って、よく見たら「きっっけ」って・・・(苦笑)
さて再開だ。ふたたび兼好の登場。始めるのは・・・おっ、これは「質屋蔵」だ。あまりどこでも聞く噺ではないが、途中の脱線の展開もだれることなく、むしろ爆笑ネタとして聞いてしまう。
さすがは兼好だし、大満足したのだが・・・まだ午前中だよって(爆)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます