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このブログの読者の皆さまにはいまさらだが、小生桂米團治のファンであり、東京での会は予定が合う限り出かけている。
だいたい年に二回、1月と7月に銀座で開催されているが、今回もいつもの「銀座ブロッサム」だ。落語会の会場としてはかなり大きいが、会員先行予約で押さえるため、だいたい前の方の席が取れる。
今回も2列目というところで、しかもセンター付近といういい場所だった。
父米朝の指導により、彼の独演会は三席やってくれるのがいいところ。といいつつ、入り口の表示は15:25終演予定とあり、お腹いっぱいにはならないのもいい。
会のパターンとしては、前座に続き米團治、そしてゲストをはさんでもう一席、中入り後に三席目・・・というのが定番だったが、今回は変わっていた。
まっさきに米團治、続いて慶治朗、さらに米團治、中入りはさんでしん吉、そして米團治という。
パンフレットにあるようにすべてネタ出しで、古典的なファンとしてはそれも嬉しい。独演会とばかりに、ネタはお楽しみとして、マクラをめんだいにやられると、お腹いっぱいになり、疲れてしまう世代としては、これがいい。
ついでに言えば、都合5席で中入りも含めて2時間25分・・・中入り抜けば130分で5席。一席25分くらいという計算も嬉しい。
といいつつ、いきなり米團治の登場、相変わらず趣味のいい高座着だ。はじめたのが「子ほめ」という・・・午後一の睡魔と戦いつつも、しっかり楽しませてもらう。
前座噺でもいい噺家がやるとかくも面白い・・・というお手本のようだ。そして慶治朗が出てきて・・・「初天神」だ。
一之輔が二ツ目時代にNHKの新人大賞を取ったネタだが、上方版のコッテリした演出もならではか・・・聞くと慶治朗も11年目という。江戸なら二ツ目だ。
ただ、どこか上品な感じがするのは、師匠へのあこがれなのか、ある種上方としては珍しいタイプなのかも知れない。
そして落語ファンならおわかりの通り、「子ほめ」から「初天神」と子どもネタでネタがついているのだが、あえてこの会は「子供の成長テーマ」で前半、後半は「旅」でまとめたと・・・
そして米團治の二席目は「崇徳院」、江戸のそれとストーリーは同じだが、空気感が異なるのは米團治ならではか・・・
中入りはさんで、しん吉の登場。本人いわゆる「鉄」の人とのことで、志の輔の「みどりの窓口」をリアル時刻表でアレンジして聞かせてくれた。
マクラが冗長だったが、本編に関しては笑った笑った・・・
で、トリは米團治の「小倉船」だ。江戸にはない噺で、この噺を聞くのは横浜のにぎわい座で2009年、そしてブロッサムで2014年に聞いたときから9年ぶり3回目になる。そういえば米團治も襲名してから15年になるという。
そんなになるんだなあと・・・と芝居仕立ての部分やら音曲やら、いかにも上方らしい噺を堪能した小生であった。
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