今日は白馬遠征2日目、八方尾根に午前中アタックをかける日です。
宿で目が覚め、さて今日の空模様はどんなものかと窓の外を見やると、駅周辺一帯が霧に包まれていました。あの辺りは川に近い低地なので、地表と川面の温度差により生じる放射霧というやつでしょう。
武田信玄と上杉謙信が激突した第四次川中島の戦いのプロローグは、まさにあんな感じだったのでしょうか。
しかし今日の目的地は霧の出ている市街地とは反対方向、白馬八方尾根です。
宿を出て少し走るとすぐに視界が開け、白馬岳が正面にドーンと現れました。これからあそこに登っていくと思うと、ワクワクしてきます。
頂上まで行くわけじゃないけどさ。
まずは黒菱平を目指して、自転車で黒菱林道を登っていきます。
黒菱林道は昨年秋にも登ったのですが、そのときは長野から自走してきたので午後になってしまい、しかも雲が多く景色は今一つでした。
しかし今年は北アルプスの山々がどんどん近づいてくるのがわかります。
この道は決して楽ではない、それどころか平均勾配9%に達する激坂と言っていい登坂路なのですが、カーブを曲がるたびに様々な表情の山と紅葉が見れるので、それを楽しみにサクサク登っていく。。。
というわけにはやっぱり行きません、キツイもんはやっぱりきついです、今にも死にそうです。
標高を上げていくと体感できる程に気温が下がり、それに合わせて紅葉も徐々に色が深くなっていきます。ちょっと雲が出始めてしまったのが残念ですが、それでも去年よりだいぶいい色です。
ゴール地点の黒菱平は標高1500mにあります。車や自転車で来れるのはここまでで、ここからはリフトと徒歩でしか先に進めません。
去年は時間も無いのでここで引き返したのですが、今はまだ午前8時半。当然いくでしょ！
靴はSPDシューズだけど。大丈夫かいな。
まずは八方池山荘までリフトを乗り継いでいきます。
降りる寸前になるとこの先歩いていくルートが良く見えました。
山の尾根沿いに行くルートは険しい分距離が短く、左手前にうっすら見える迂回ルートは歩きやすいので初心者向けだそうです。
登山経験ほぼゼロだしSPDシューズだし、初心者コースに行くのが当然ですよね。
と決意していたにもかかわらず、尾根ルートに突撃してしまいました。いや、こっちの方が見晴らしが良いんじゃないかという誘惑に負けてですね・・・（ゴニョゴニョ）
案の定ゴツゴツした岩が多く、歩きにくいったらありゃしません。SPDシューズで来るところじゃないよな～・・・何とか歩けなくもないですが。
しかし尾根から見る山はさすがの迫力。これを見れるなら無理をしてこっちにきた甲斐があるというものです。
振り返れば、さっきまでいた八方池山荘があんなに小さくなっていました。その向こうにある白馬の市街地はミニチュアのよう。
こういう光景を見るのは、自転車ではちょっと難しいのでしょうね。
だいぶ来たと思うんだけど、目的地の八方池はまだ見えず・・・あの稜線の向こうがそれっぽいんですが、まだ結構ありますね。
そしてようやく到着しました八方池！山々に抱えられたようなこの池は神秘的な佇まいを見せますが、それだけではありません。
この池は山々を反射し、このような幻想的な光景が出来上がります。これが見たくて、1時間半かけてここまで歩いてきました。
これを見るためには当然条件があります。天気が悪ければ山が見えないし、風があると水面が波立って反射しない。今日は天候に恵まれてこれを見ることができました。
もちろん天気をチェックしてから来たわけですけど、山の天気なんてどう転ぶかわかりませんから、やはり運が良かったのでしょう。
八方池から先は、唐松岳に向かう本格的な登山ルートになります。もちろんこの先に行く気は全くないですけども。
しばらくここでボンヤリしていましたが、そろそろ引き返すとしましょうか。
帰り道は、初心者向けだという迂回ルート。
北アルプスの山は見えませんが、下界を見下ろすことができるのでこっちはこっちで楽しめるルートです。
道は比較的緩やかで、場所によっては木道も整備されているので確かに歩きやすい道でした。
そしてリフトで降りていくと、赤や黄色に染まった山に飛び込むような感覚になりました。今回の遠征で紅葉が一番美しかったのはここかもしれません。
終わり良ければ総て良し、と言います。最後に鮮やかな紅葉を見れて、満足度がずいぶん上がったような気がしますね。
