多摩川サイクリングロードの車窓から

ぼくのなつやすみ 2日目:乗鞍エコーラインと剣ヶ峰



 長野遠征二日目、今日は松本から乗鞍に向かいます。

 しかし松本市街地から乗鞍の畳平まで自走するのはなかなか大変です。距離的な問題もありますが、それ以上に国道158号の道路事情が悪いのです。

 この道は山岳道路のご多分に漏れず、

 ①道幅が狭く
 ②曲がりくねっており
 ③トンネルも多く
 ④路面もよくない

 と、4拍子揃っています。

 そして最大の問題は、そんな道路のくせに交通量が多いことです。これは松本と高山を結ぶ幹線道路になっている上、乗鞍や上高地と言った観光地を抱えているからで、トラックやバスが多いのです。最悪ですね。

 俺も以前1度だけ通ったことがあるのですが、怖いし走りにくいしで大変な思いをしたので、二度とここは走らないと固く誓った次第です。

 というわけで、松本から乗鞍観光センターまで鉄道とバスを乗り継いで輪行することにしました。バス輪行は初めてなのですが、アルピコ交通のサイトで自転車はトランクに収納可と記載があるので大丈夫でしょう。



 朝起きて準備をしつつツイッターを眺めていると、乗鞍観光センターの駐車場は朝5時半に満車になった、とのこと。お盆休みだしそりゃ人も多いですよね。
 そうなると鉄道やバスも混雑しそうなので、早めに駅に行っておきましょうか。


 そう考えて張り切って松本駅に来てみたら、どういうわけか全く混雑していません。
 自転車は一等地に置けたし、電車の席は8割くらいしか埋まっていませんでした。ちょっと拍子抜けです。



 新島々駅でこのバスに乗り換えになります。道路が混雑気味で到着が10分くらい遅れましたが、これくらいは全然許容範囲でしょう。



 乗鞍観光センターでバスを降りると、これから登る山が良く見えました。見ての通りの青空、今日の勝利は約束されたようなものです。
 右から2つ目の山の上の方に横線が見えますが、あそこまで登っていくことになります。あんな所まで行くのか、とちょっと気が遠くなってきました。

 観光センター内のコインロッカーに余分な荷物を預けて、さあ出発!



 乗鞍は絶景コースとして知られますが、本当に景色が良くなるのは終盤です。
 序盤でもたまにこうして視界が開けるところもあるのですが、基本的には普通の山道なので森の中を走ることになります。



 今日はガチな自転車が多いなーと思っていたのですが、大多数は2週間後にある乗鞍ヒルクライムの試走に来ていたようです。ほとんどの人はカメラも持たない軽装で、皆さん速いのでバンバン抜かれていきます。
 こっちは完全に物見遊山モードなので、低見の見物を決め込むことにしましょう。



 途中にある位ヶ原山荘、ここを過ぎるとだんだん樹木が疎らになって視界が開け始めます。






 さあやって参りました絶景ゾーン!いやもう息をのむばかりです。

 乗鞍に来るのは3回目ですが、いままでは岐阜側のスカイラインを登ってきており、松本側のエコーラインを登るのは初めてです。
 スカイラインは緑が少なく荒涼としたイメージなのですが、こちらはそれより優しい雰囲気があります。同じ山なのに東と西でこんなに違うというのはどうしてなのでしょうか。



 もう8月も半ばなのに、大雪渓にはまだ雪が残っていました。



 よく見るとスキーしてる人が・・・あんな狭い所でよくもまあ。





 ようやくここまでやってきました。先に見える左へのカーブを曲がれば、そこはゴール地点の畳平。やっと終わるという安堵と、もう終わりかと惜別の情が同時に襲ってきました。



 さあやって参りました、日本一高い舗装道路・畳平。
 ここに来るのは4年ぶり・3回目になりますが、それでも感慨深いものがあります。

 しかし畳平に来たと言ってもここまで走った距離は乗鞍観光センターからの僅か20km。これだけだと少し物足りないのですが、今年はこれからさらにやりたいことがあります。



 それは23の峰から成る乗鞍岳の最高峰・剣ヶ峰への登山です。
 いままで手近な魔王岳や富士見岳には登っていたのですが、片道90分かかるという剣ヶ峰にビンディングシューズでは無理だろうと諦めていました。



 サドルバッグに詰め込んできたジョギングシューズに履き替え、ウィンドブレーカーや水を携帯ザックに詰め込んでいざ出発!
 登山ガチ勢に「山をナメてんのか」と怒られそうな装備ですが、今日は天気もいいし大丈夫でしょう。多分。



 畳平出発後、しばらくは整備された道が続きます。ずっとこんな道だったら楽なんですが、そんなわけないですよね。





 肩の小屋を過ぎると道は一変、石だらけで勾配もきつい登山道になります。登山経験ほぼゼロ、装備も貧弱な俺にとっては早速の試練です。



 といっても幼稚園児みたいな子も登ってるし、俺より軽装な人も少なくありません。泣き言をいうわけにもいかず登っていきますが、ヒルクライムでの疲労がのしかかってきます。



 進むにつれ石もデカくなり、どんどん進みにくくなってきました。しかし向こうに頂上らしきものが見えてきました。よっしゃあそこがゴールだな!



 よし登り切った!と思ったら・・・さらに奥に何かありますね?
 みんな先に進んでるし、ゴールはあっちですかそうですか。
 心が折れそうですが、ここまできて行かないわけにもいきません。一休みしてから重い足を引きずって進んでいきます。



 鳥居らしきものが見えますし、今度こそ頂上で間違いないでしょう。
 しかしすぐそこに見えるのに、傾斜と岩に阻まれて思うように進めません。やはり山を作る際にはエスカレーターの設置を義務づけるべき
 ・・・いかん、疲労と酸素不足で何を言ってるのか分からなくなってきました。



 ようやく頂上に到達!ついに乗鞍をシメることが出来ました。



 頂上の社にはお賽銭箱だけでなく、お守りなどの売店がありました。この宮司さん、毎朝ここにきて夕方までお守り売ってるんでしょうか?



 畳平からさらに300m登っただけあって、その眺めは格別です。周りの山々を見下ろすような景色はまさに天上のもの。



 自転車で登ってきた道もあんなに下に見えます。
 ちょうどバスが登ってきており、この山域の巨大さがうかがい知れます。
 (この写真だとバスは見えにくいので、クリックして拡大画像をどうぞ)

 しばらく風と景色を堪能し、来た道を戻っていきました。下りなので楽かと思いきや、石で歩きにくいのは変わらないし、つま先が圧迫されて痛いしで思ってたよりもキツかったですね。



 なお畳平を出発してから戻ってくるまで2時間55分でした。片道90分というのは妥当だったみたいです。



 それでは松本に戻るとしましょうか。乗鞍よ、また来るぞ!



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