多摩川サイクリングロードの車窓から

ぼくのなつやすみ 3日目:霧ヶ峰と蓼科スカイライン

 長野遠征三日目、最終日。
 今日は松本から北上して白馬方面に行くつもりだったのですが、今日の白馬地方はかなり暑くなり、しかも午後から雨になるという予報でした。
 そんな天気のところに突撃しても仕方ないので、霧ヶ峰から蓼科を抜けて佐久平に下りるルートに予定を変更。このルートであれば標高の高い所を走り続けるので涼しいはずです。
 
 そんなわけで松本から上諏訪まで短距離輪行して最終日スタート!


 霧ヶ峰に向けて登り始めて程なく、立石公園に差し掛かります。
 ここは諏訪湖を一望できるスポットで、アニメ映画「君の名は」の聖地としても知られます。

 また冬になるとこの広大な湖は全面結氷して一面の氷原となります。そこに昼夜の寒暖差で氷堤ができる現象が見られます。昔の人はこれを諏訪大社の男神が女神の所に通った跡だと考え「御神渡り(おみわたり)」と呼びました。
 御神渡りの記録は1443年から残されており、2022年までの580年のうち御神渡りが無かった年は77回。その大部分は20世紀以降に集中しています。お察しの通り温暖化の影響であると考えられ、特に最近は2018年を最後に生じていません。
 


 更に坂を登り続け標高1800m程まで登り切れば、そこは一面の展望が広がるビーナスライン。ここには何度も来ていますが、この開放的は景色はたまりません。車やバイクが多いのも・・・まあ仕方ないですよね。

 しかしこの樹木のない一面の草原は自然に作り出されたものではありません。
 江戸時代辺りから樹木が伐採され、さらに牛や馬の餌としての採草地として利用されてきたことによる人為的な風景なのです。



 この写真を見れば一目瞭然。場所によって森林が残っています。このあたりはいわゆる森林限界を過ぎておらず、普通に樹木が生育できる環境なのです。
 近年は採草地としての利用がほとんどなく、徐々に森林が増えてきているそうです。いずれはこの絶景道路も平凡な森林に埋もれてしまうのでしょうか。

 白樺湖によって一息入れてから、北東の蓼科スカイラインに入ります。このルートの道中は平凡な林道が続くのですが、



 ピークの大河原峠からは佐久平を眼下に見下ろすことができます。さっきまで諏訪湖方面の景色を眺めていたのに、全く違う平野の眺望を見るのは不思議な気分。



 大河原峠から佐久方面に下りていくと、半ば廃墟と化した別荘群が姿を現します。
 この辺りは蓼科仙境都市と呼ばれる別荘地なのですが、一部を除き管理されておらず荒れ放題になっており、廃墟マニアには有名なところらしいです。

 こう聞くと例によってバブルの遺産かと思いますが、ここの開発が始まったのは1969年。バブルどころではありません、高度経済成長期の遺産と言うべきでしょう。



 しかし一部の建物は荒れておらず手入れがされているようでした。
 といっても人の気配は全く感じられず、余計に不気味だったのですが。



 標高2000m近いここは避暑にはもってこいだったでしょうが、山の中で不便だったでしょうし、何より冬は雪で孤立してしまいます。土台無理のある開発だったのでしょうね。



 さらに下っていき、だんだん暑くなる空気にげんなりし始めたころ、突然巨大なパラボラアンテナが現れました。
 これはJAXA美笹深宇宙探査用地上局で、2021年に完成したばかりだそうです。

 どうせだったら、凸凹だらけのこの道もJAXAのお金で整備してくれないかな。そんなことを想いながら佐久平まで下っていきました。
 


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