そんな三浦の海鮮食堂の中で、自転車乗りの支持を集めてきたしぶき亭が今月いっぱいで閉店すると聞いたので、ちょっくら行ってきました。
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三浦に着いたのはちょうど12時ごろ。やはりコロナの影響か昼時にしては人が少ないようですが、ここしぶき亭は盛況でした。自転車乗りがずいぶん多く、俺と同様に閉店と聞いて食い納めに来た人たちなのでしょう。
しぶき亭が自転車乗りの人気を集めたのは何故か。
自転車乗りと言うのは自らの恰好がやや特殊(婉曲表現)である自覚があるので、お店に歓迎されていないのではないか、と不安を抱く生き物です。
「自転車乗りお断り」と正面切って言ってくる店は滅多にないでしょうが、それでも内心嫌がられているんじゃないかという懸念は消えません。ラーメン屋やそば屋は平気なのにファミレスに入るのを躊躇う理由はまさにこれ。
逆に言えば、自転車乗りOKという意思を見せてくれればその懸念は消えるわけで、手っ取り早い手段はサイクルラックの設置です。しぶき亭は三浦でサイクルラックのある数少ないお店であるために自転車乗りに支持されました。
もう一つの理由、それは微妙に古い建物です。同じ理由で変にオシャレな店には入りにくいですが、しぶき亭の建物はそれとは程遠いため入りやすかった。
しかししぶき亭が閉店する理由は店主の高齢と建物の老朽化だそうで、まさにその建物が仇となっていました。実際の所はそれに加えてコロナによる売り上げ減少とかいろいろあるのでしょうけれど。
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昭和の食堂感が漂う店内は相変わらずで、オッサン世代には居心地のいいお店です。城ヶ島の一番奥というロケーションは決して恵まれたものではなかったと思うのですが、有名店として存在感を示してきました。
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人気のもう一つの理由はお値段だと思われます。このいかまぐろ丼はお値段1000円。
三浦と言う場所は京急がプチ観光地として売り出したこともあってか、観光地価格でややお高いことが否めません。その中にあってお買い得感のあるお店でした。
最近はコロナの煽りで突然なくなってしまう店も多い中、閉店前に食い納めができました。惜別の情は当然ありますが、閉店の理由が理由でどうしようもないことでもあります。
・・・しかし今後はどこで昼飯を食いましょうかね。三浦に美味しい店はいくつもあります。しかしいつも行列ができていたり、自転車が置きにくかったり、出てくるのが遅かったり、帯に短し襷に長しな店が多い印象です。「困ったときのしぶき亭」という絶妙なポジションにあった、良いお店でした。