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すっかり春めき、というか既に夏になりかけてる気もしますが、いよいよあちこちの山道が開通しヒルクライムの季節がやって参りました。特に関東の自転車乗りにとって本命というべき渋峠は4月21日に開通しましたが、その週末はレースがあるため遠征できませんでした。
今年は雪の壁も高く、見ごたえがあったという話があちこちから漏れ聞こえてきます。昨年遠征したもののショボい壁しか見れなかった俺としては、溶けてしまう前に何としてでも見に行きたい。行くなら翌週末、ゴールデンウィーク序盤しかないでしょう。しかしそのためにはやるべきことをやらねばなりません。そんな次第でこの1週間、溜まっていた仕事を精力的にごまかし、先送りし、あるいは上司に押し付けて何とか休める目処をつけました。
当初は輪行でいくつもりでしたが、周りに声をかけてみたところKNZさんが車を出してくれるとのこと。ありがたく便乗させてもらうことにし、道の駅六合を起点に昇ることになりました。ここは温泉もあるので、帰りにひとっ風呂浴びて帰ろうぜ、という算段です。
遠征をする際に車と輪行のどちらが良いか?これは一長一短ですが、車のネガティブ要素の一つに渋滞リスクがあります。特に今はゴールデンウィークで、しかも川崎から首都高経由で関越道に入るので渋滞の名所をいくつも通ることになり、ハマってしまうとえらいことになります。そのため朝4時という超早朝に出発することになりました。その一方、車ですからウェアはいろいろ取り揃えて多めに持っていくことが出来ます。何せ渋峠は標高2000mオーバーの世界、しかもこの時期まで雪が大量に残っているところです。天候は当然変わりやすく、遠く離れた神奈川県の気候で判断するのは困難ですので、この点は車が優れている点の一つといえるでしょう。
関越道を渋沢伊香保ICで降りて西に向かう最中、志賀草津道路凍結のため通行止という不吉な表示がありました。
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てんきとくらすによれば、草津白根山の最高気温は9度くらいにはなるはず。陽が昇れば溶けるだろう、ということにして気にしないことにしました。最悪、行けるところまで行くしかないでしょう。
道の駅に着いたのは朝7時ごろ。車から降りるとかなり寒さを感じ、これはやはり厚着気味で行ったほうが良いと判断し、持ってきたウェアの中で最も重装備を選択して出発しました。さあ雪の壁を今年こそ拝む!だから通行止め解除しててくれ~
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道の駅六合を出発してすぐの九十九折にある鯉のぼり。谷をまたぐとは実に豪儀です。ちなみにこの辺りが草津の手前で最も斜度がキツい所。
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そう、渋峠というのは標高2000以上の大型峠、決して楽ではありません。しかし草津温泉より先はずーっと景色が良く、それで気が紛れるので数字ほどにはきつさを感じない一方、草津温泉手前は平凡な山道なので後者のほうがはるかにきつく思えるのです。
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草津温泉に着くころには思っていた以上に気温が高くなっており、ちょっと厚着しすぎていたので調節することにしました。ここからさらに1000m以上登りますしダウンヒルのことも考えなければなりませんが、こんなこともあろうかとデカいサドルバッグを持ってきていたのです。
草津温泉を抜けてしばらく走るとゲートがあるのですが、そこでは規制がかけられておらず無事通過。この先にもゲートはありますが、対向車線を降りてくる車がほとんどいません。ということは規制でUターンしてる車がいないと考えられます。峠までいけそうだ、この時点で確信しました。
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そして殺生河原から絶景ゾーンの始まり。天気は快晴、白い雪と青い空、そして緑の草木が実にクリアな光景を作っています。
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こんな景色が続きますので、写真を撮っては進み、またすぐに撮っては進み。脚つきなんて誰も気にしません。当然かなり遅いペースになりますが、今日はこれでいいのです。ここでシャカリキになってタイムトライアルをするなんてもったいない話です。
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白根山を望んで。この辺りはかなり標高も高く、残雪も多くなります。その量は去年に比べ明らかに多く、雪の壁にも期待が持てそうです。
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山田峠を過ぎた辺りに雪の段々がありました。これが自然に出来るとは思えないのですが、どうしてこんなものが?段の上に乗ってみたかったのですが、すぐ崩れてしまいそうで断念。
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さらにもう少し先にあるこれが雪の壁!去年も見ましたが、今回のほうがはるかに高く見ごたえがあります。
さて、それではここで去年の雪の壁と比べてみましょう。
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(去年の写真)
こwwwwwれwwwwwはwwwww
壁の高さ、空の色、そして雪の汚れ具合。何をとっても今年のほうが圧勝でしょう。去年は去年でそれなりに満足していましたが、その差は歴然です。いや、今日来て本当に良かった。
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パシャッ
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できるだけ余裕の表情を作ったつもりですけど、交通量が多くなかなか撮影できなかったので腕がプルプルしてました。
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雪の壁を過ぎると峠まであと少し。ようやく終わりだと思う一方、もう終わってしまうとも感じます。獲得標高といい斜度といい、数字で見るならば立派な難関峠。されどそう感じさせない魅力が確かにここにはあるのです。
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かの有名な渋峠ホテルにやって参りました。既に自転車のりで混雑しています。未だ11時だったのですが、3人そろって腹が減っていたのでここで昼食にします。そして少し足を伸ばして横手山ドライブインまで行こうとしたのですが・・・
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ここ渋峠から横手山ドライブインの間の道は断崖絶壁に出来ており、それだけに臨場感のある景色が楽しめます。是非それを見たいと思ったのですが、凍結リスクがあるのはいただけません。少し悩みましたが、今日は断念してUターンすることにしました。何、またいつでもここにはこれるのです。
ここからは一気にダウンヒル。なんだかんだで気温がそれなりに上がっており、重装備で来た事もあって寒さはほとんど感じません。俺が渋峠に来るのは3度目ですが、いずれも天気には恵まれています。もちろん天気予報を見て安全そうな日を選んではいますが、山の天気は予想できないもの。運もきっといいのでしょう。
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今日のたびの締めは道の駅にある温泉。普通の銭湯ではありますが、400円と安いし草津温泉から距離があるので混雑もしません。なかなか穴場だと思います。タオルとかの備え付けが無いみたいなので、準備は要りますけど。