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今年の富士ヒルはレース前から困難続きでした。
仕事の都合とはいえ練習環境が整わず、直前のヤビツTTの結果は芳しくなく、出張が延びたおかげで自宅に置き去りにしていたヒルクライム決戦ホイール(C24-TU)が使えません。挙句の果てにレース直前の練習でシフトワイヤーが切れ、トップギアで泣きながら帰る羽目になりました。
去年までの富士ヒルのタイムは82分台から85分台でしたが、直前のヤビツTTの結果から予想される今年のタイムは90分前後。まさにブロンズの当落線上です。過去ワーストタイムになることはほぼ確実ですが、何とか90分を切ってブロンズを獲得するのが今年の目標です。
前日の受付を済ませた後、近くのオートキャンプ場にやってきました。俺の宿は普通のホテルですが、TKM君がここでキャンプ泊をしておりバーベキューにお呼ばれしたのです。
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TKM君は今年のHINODEステージでも22分台という好タイムを叩き出しており、シルバーはほぼ確実、ひょっとしてゴールドにも手が届くのでは?というレベルです。俺より15分後のスタートですが、多分道中で追いつかれるでしょう。
迎えた当日の朝、空は完全に雨模様。会場についてからも雨は止まず、気温も低いままでコンディションはお世辞にもよくありません。微妙にやる気をなくして屋根のあるところでしばらく様子を見ていましたが、主催者選抜に出ているトシ君を見送ってから腹をくくって待機場所に移動しました。
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路面はこの通りの完全なウェット。この時点では小雨だったのですが、じきに止むという雰囲気でもありません。今年はDNSがずいぶん多かったようですが、今後のことを考えるとそれは正解だったのではないかと思います。
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スタートでは極力前の方に陣取りました。このグループの中で俺はかなり遅いほうですので道中どんどん抜かれていくと思います。その都度コバンザメして少しでも風よけ効果を享受したい、そういうセコい思惑がありました。フィジカルが整っていない分を作戦で少しでも補う必要があるのです。
スタートしてしばらくは抑え気味。急斜面では頑張りすぎずに足を温存し、緩斜面では多少無理をしてでも人の後ろについて少しでもドラフティング効果を得るいつもの戦法をとります。一合目の通過は21分30秒ほどで、例年より遅いけどそこまでひどくもない、そんなタイムです。
そしてほぼ中間地点である三合目の通過が45分。このコースは後半の方が傾斜が緩くタイムが速いので、ブロンズは確保できるペースです。何とかなりそうだ。そう思ったのも束の間、この辺りから雨が強くなり疲れた体を打ちのめしてきます。大沢駐車場を過ぎてから目に見えてペースが落ち、奥庭あたりでTKM君にパスされました。もう少し先の平坦区間で追いつかれて牽いてもらうつもりでしたが、このペースではそれもかないません。
よろよろと奥庭を登り切り平坦区間に入る直前、幸運なことに5人くらいのグループが追い付いてきました。これに食いつかないと死ぬ!というくらいの勢いでブン回し望外のハイペースで平坦区間を通過、ゴール直前の坂ではガクッとペースが落ちましたがゴールのタイムは87分41秒。予想通りの自己ワーストタイムでしたが、目標のブロンズ確保は何とか達成できました。
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五合目は気温が低く、雨も降り続いており六月とは思えない寒さ。手が悴んで防寒具の着用にずいぶんとてこずりました。富士ヒルに出るのは五回目ですが、こんなに寒いのは初めてです。
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着替えても相変わらず手足が震えるほどの寒さ、このままダウンヒルしたらマジで死ぬのではと思いレストハウスに逃げ込むと、ストーブの前に人だかりができていました。あったけー。
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人心地が付いたところでお決まりの富士山メロンパン。ここでようやく、今年の富士ヒルも終わったという感慨に浸ることができました。
・・・しかし実は全く終わっていませんでした。
今年の富士ヒルで最も過酷だったのはダウンヒルです。降りしきる雨と低温、そして霧。寒いのでゆっくり下ろうにも雨でブレーキが利きませんし、視界も悪いので神経も使うし、北麓公園に戻ったときは全身クタクタ。ダウンヒルで足が攣ったのは初めての経験でした。レースより過酷だったような気がしてなりません。やっぱり雨の中で自転車なんか乗るものではないですね。
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