◆地球のまわりには様々な役目を持った人工衛星が回っています。通信衛星、放送衛星、気象衛星、地球観測衛星、科学衛星、軍事衛星、さらにスペースシャトルや宇宙ステーションも人工衛星の仲間です。人工衛星は今まで5千個以上打ち上げられています。ロシア(旧ソ連を含む)が断トツで約3千個、アメリカが約1500個、日本はそれに次いで80個以上を打ち上げました。私たちが夜空で目撃するのはほとんどが数百mの低空を飛ぶ地球観測衛星ですが、なかには数十㎝の大きさを判別できる軍事衛星もあるようです。
◆民間の衛星も次々と打ち上げられていますので、そのうち個人所有の衛星も登場するでしょう。日本が開発中のHIIAロケットは70億円とかなり高価ですが、中国の長征ロケットはもともと軍用ミサイルなのでかなり格安です。欧州宇宙機構のアリアンロケットは世界の商業用衛星の半分を打ち上げている実績があります。少ない予算で自分専用の衛星がほしいなら、大型の衛星を打ち上げるついでにロケットの余った空間に便乗させてもらうという方法もあります。
◆夜空を見上げているとたまに星々の間をスーッと光の点が動いていることがあります。このように肉眼で見つけることができる衛星は全世界で数百もあるので、何気なく見ているだけでも1時間に数個は出現します。カーナビのGPS衛星、携帯電話のイリジウム衛星、HSTハッブル宇宙望遠鏡、ミール宇宙ステーション、ISS国際宇宙ステーションなどは簡単に肉眼で見つかります。人工衛星は夜空の星のように自分で光っているわけではなく太陽の光を反射して光っているのですから、日没後や夜明け前の数時間しか見えません。飛行機と間違うことがありますが、飛行機の明かりは色がついていたり、点滅しているので簡単に区別できます。スターウォッチングのついでに人工衛星ウオッチングにもチャレンジしてはいかがでしょうか。人工衛星や国際宇宙ステーションの飛行予報はホームページで紹介されてます。
※静止衛星は地上から3万6千㎞も離れているので、小型の望遠鏡では見つかりません。