◆夜空をながめていると、肉眼では1つの星なのに双眼鏡を使うと2つの星にわかれて見えることがあります。このようにごく接近して2つの星が並んで見えるものを二重星と呼んでいます。
◆視力検査の星ミザール:北斗七星の柄の先から2番目の星ミザールは、視力のいい人ならすぐそばに小さな星がくっついているのがわかります。この小さい星アルコルは、たまたま近くに見えているだけで、「見かけの二重星」といいます。ミザールとアルコルは実際は2.5兆㎞も離れています。昔のアラビアでは兵士の視力検査に使われた星としても有名です。望遠鏡をミザールに向けると、すぐそばにもうひとつ別の星がぴったりくっついているのがわかります。この星とミザールは、お互いの引力で相手の回りをぐるぐるまわっている星で、二重星の中でも特に「連星」と呼びます。宇宙全体では、太陽のように単独で輝く星より、いくつかの星が連星となっている方が多いそうです。
◆ダブル・ダブルスターε(イプシロン):織姫星ベガのすぐ隣のε星は二重星で双眼鏡では2つの星に見えます。ところが、望遠鏡を使うとそのそれぞれがまた二重星(連星)であることが分かります。二重星の二重星、つまり四重星というわけです。
◆天上の宝石アルビレオ:白鳥座のくちばしにあるアルビレオは美しい二重星(連星)として有名です。高倍率の双眼鏡でもわかりますが、望遠鏡ではオレンジとブルーの星に見えます。