KAWORUの山日記~今日も雲の上!

百名山や日本アルプスの旅の記録

天の川と銀河系

1995-07-01 00:00:00 | 星空の案内

1光年とは?

 ◆夏の夜空を流れる天の川。その両岸にはあの七夕伝説を伝える織姫星ベガと彦星アルタイルが輝いています。この2つの一等星は、白鳥座のデネブと結んで夏の大三角を形作っていることで有名です。

 ◆織姫と彦星は天帝の怒りを受けて天の川の両岸に離されていまい、七夕の夜にだけ会うことを許されました。しかし、実はこのベガとアルタイルの距離は16光年もあります。1光年とは1秒間に30万kmも走る光が1年間かかって届く距離、つまり約9兆5千億kmにもなります。今、かりに織姫が彦星に電話をかけても声が届くのは16年後、返事が返ってくるのはまた16年後です。宇宙ロケットに乗って会いに行ったとしても30万年もかかってしまいます。とても1年に1度も会うことはできませんね。そして、地球とベガとは26.5光年、アルタイルとは17光年離れています。

天の川と銀河系

◆街中ではもう見えなくなってしまいましたが、夏に海や高原などに出かけて夜空を見上げると、雲のような淡い光の帯となった天の川が見えます。この天の川は「天のナイル」「天のガンジス」「ミルキーウェイ」などといわれて、世界各地で川の流れにたとえられています。この天の川は空をぐるっと一周しているので、1年中見えています。そして夏の天の川が一番美しく見えるのは、夏の星座の射手座の付近が一番明るいからです。このあたりに天の川の中心があるといわれています。反対に、冬の天の川は広がってはっきりしません。

◆私たちの地球のまわりの星々は、ちょうど凸レンズのように集まって銀河系を作っています。直径10万光年のこの銀河系の中には2千億個の星がひしめいています。その1個1個が私たちの太陽と同じく自分で光を放っている恒星です。でも大多数の星は地球からあまりにも遠く離れているため、その光は弱く1つの星として見えません。しかし、1つ1つの星はかすかな光でも2千億個も重なれば光の帯になります。この光の帯が地球からは「天の川」に見えていたのです。地球はこの凸レンズの内側の端っこにあるのでそのレンズの一番ぶ厚い方向には星がたくさん見えるわけです。これが夏の天の川、そして反対側が冬の天の川です。私たちの太陽系はこの銀河系のまわりを毎秒250kmのスピードで2億年もかけて1周しています。現在では宇宙空間には、この私たちの銀河系と同じような星々の大集団(他の銀河)がさらに千億個以上もあることが知られています。あの有名なアンドロメダ銀河は私たちの銀河系より少し大きく、同じような形をしています。

◆当館のプラネタリウムでは、このうち肉眼で見える約6千個の星々を再現することができます。しかしこれはあくまで機械が作りだす人工的な星空、疑似宇宙です。実際に本当の空で星を見ないとプラネタリウムも意味がありません。誰でも子供の頃、夏のキャンプなどで星空をながめ、その美しさに感動した経験はあると思います。大人になると次第にそういう機会がなくなりますが、たまには家族で山や高原に出かけてロマンチックな気分に浸りたいものです。 


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