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KAWORUの山日記~今日も雲の上!

百名山や日本アルプスの旅の記録

人間の罪の重さをはかったてんびん(天秤座)

1996-06-01 00:00:00 | 星空の案内

◆乙女座と蠍座の間に、3つの3等星が「く」の字の裏返しにならんでいるのが天秤座です。夏の夕方の南の空に見えますが、明るい星が少ないので見つけにくい星座です。α星は地球から60光年の距離にある2.8等星で、肉眼で見える2重星です。δ星はアルゴル型の食変光星で、約2.3日の周期で明るさが変わります。減光してからもとの明るさにもどるのにわずか13時間ですので双眼鏡で確かめてみて下さい。

◆てんびんは、さおの先に2つの皿を下げ、それぞれの皿の上に品物と重りを乗せて重さをはかる道具です。ギリシア神話ではこのてんびんは、正義の女神アストレアが人間の罪の重さをはかるてんびんの姿とされています。死者の魂をこのてんびんではかり、心の良くない人間は地獄に送られたといいます。人類が黄金時代だった頃、地上は一年中暖かく食べ物にあふれた平和な楽園でした。そこで人間と神々は一緒に生活していました。次の銀の時代には四季ができ、人々は農作業で食べ物を手に入れるようになりました。やがて豊かな者が貧しい者を、強い者が弱い者をいじめるようになります。神々はそんな人間にあいそをつかし天上にひきあげましたが、アストレアだけは地上にとどまり何とか人間を救おうとしました。次の銅の時代は暴力と戦争の時代となりました。さすがのアストレアも人間の堕落に耐えられなくなり、てんびんとともに天上に帰っていきました。

◆紀元前2000年頃、ここに昼夜を2等分する秋分点があったので天秤座と呼ばれるようになったともいわれています。つまりこのてんびんで昼と夜の長さをはかったということでしょう。現在の秋分点は、歳差運動という地球の首振り運動のため、隣の乙女座に移っています。(秋分点=秋分の時の太陽の位置)


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