カヤ日記

活動する研究者、かやちゅ。@カヤニストの行動記録
カヤネズミの研究&保護活動や野生生物の保全に関する話題をつれづれに

木津川カヤネズミ生息地保全2013

2013-12-08 | フィールドノート

9月下旬、サブフィールドの様子を見に行った。
台風の影響で、木津川河川敷もだいぶ水をかぶっていたが、堤防法面は、幸いにも台風の影響はそれほどでもなかったようで、巣も幾つか見つかった。
当面、ここで調査が出来そうだと考えて、管轄の木津川出張所に連絡をとったところ、堤防の改修工事が行われることを知った。
このタイミングで連絡を取らなかったら、危なかった。まさに危機一髪(汗)

10月初めに、木津川出張所で担当者から説明を受けた。
工事対象エリアは、私のフィールドのおよそ半分(0.5ha)。工事内容はざっくりいうと、
・堤防法面の表土をがばっと剥ぐ。
・堤防の強度が弱っている箇所に、補強材料(石など)を入れる。
・上から土をかぶせる。
というものだ。

剥ぎ取った表土はどうするんですか、と尋ねたところ、「事前調査では外来種(*注)だらけだったので、すべて処分します」との返事。
「いや、確かに堤防には外来種が多いですが、オギ群落が島状に残っているので、その部分の土は再利用して貰えませんか」とお願いしたところ、すんなり了解して貰った。
また、工事そのものが、カヤネズミに与える影響を出来るだけ少なくするために、草刈りの時期や刈り取り方法、カヤネズミが堤防下のU字坑に落下しないための保全措置などについても提案→了解を得た。

10月末、工事会社と木津川出張所の担当者の人たちと一緒に現地を歩いて、オギがまとまって生えている位置をマーキング。その際にも少し相談して、草刈り前にオギの穂を採取して、再生後の盛り土の上にまいて貰うことになった。

写真の立て看は、工事会社の人の提案で作成されたもの(写真提供:河野久美子さん)。
どんな看板になるのかなぁと思っていたら、予想外に立派な看板でびっくり。

来週には全て草が刈られ、年明けから、いよいよ表土の剥ぎ取りが始まる。
ともかく、無事にカヤネズミたちが冬を超してくれるように願っている。

(*注)ここで言われている外来種は、セイバンモロコシのこと。西日本を中心に分布し、河川堤防で大群落を作る。セイバンモロコシの出穂はオギより早い(6月~)ので、全てセイバンモロコシだと誤解されたようだ。



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