かやのなか

あれやこれやと考える

下町風景

2020-07-25 23:07:56 | 日々のこと
前も書いたかもしれないが、東京に出てくる際に本棚を新調した。スライド式の、200冊くらい収納できそうなしっかりしたものを選んだが、神保町にちょくちょく通い始めてから、その本棚からも本があふれだし、間引かざるを得なくなってしまったので、先日二十冊ほど選び抜いて曳舟のBOOKOFFに売りにいった。約千円の現金になったので、そのままいつもの猫がいる定食屋に昼ご飯を食べにいった。
入店したとき他に客はいなかったが、すぐに年配の男性が1人入ってきて、私の後ろの席に陣取った。お茶を出しにやってきた女将さんと近況について喋っているので、すかさず聞き耳をたてたところ、どうやら男性は病院帰りらしく、不安神経症気味で眠れないので病院で薬を出してもらったと話している。女将さんは「とりあえず診てもらっただけで安心じゃないの」「それで、お薬もお酒もなしで眠れるようになったらいいね」「お酒は我慢できないけどね、たばこと違ってさ、でも病院に行ったなら安心だね」と、この常連らしき男性が、薬や酒に依存するのを心配しているようだった。ところで私の背後に男性のテーブルがある格好で、男性が何を注文したかわからなかったのだが、会計の際にちらっと見ると徳利とおちょこで一杯やっていた。病院帰りに家で一人で飲む酒よりも、女将さんに下町言葉で窘められながら飲む酒の方がおいしいはずだ。
一昨日の昼時、近所の中華料理屋に行ってみた。家庭料理を出すこじんまりした店で、そのときは先客がいて、友人同士らしき年配の男性が二名、奥のテーブルに座って食べながら、奥のカウンターの前で、料理が出来上がるのを待つ、店の奥さんにちょいちょい話しかけていた。奥さんはもちろん中国人だが、日本語はそこそこ喋れるようだった。店内のテレビではミヤネ屋が流れており、ちょうどそのとき、東京のコロナ感染者が300人超という速報が入った。客たちは色めきたって、こりゃあやばいと大盛り上がりしながら、奥さんに「出前しなきゃね」「中国にもう帰れないんじゃないの」と答えにくい質問ばかり矢継ぎ早に聞くので、奥さんは面倒くさそうにあしらっていた。
未曽有の感染症が上陸して、テレビもネットも毎日大騒ぎだが、日々の営みはどこまでも今までの延長線上にある。

クマンバチ

2020-07-25 22:30:44 | 日々のこと
怖いお兄さんにすごまれて、ヘコヘコしてしまった。私のほうが客なのに、おかしいな。
ある朝、ベランダでコーヒーを飲んでいたら蜂が飛んできたときのことを思い出した。その蜂は、熊蜂の類だったと思うが、いきなり目の前にあらわれてぶんぶん羽をうならせてこちらを威嚇してきた。私が思わず、すみません・・・となって頭をひっこめたら、「よしよし、立場をわかっとるな」という感じで上の階に移動していった。私は、人間にとる態度も熊蜂にとる態度も基本的に同じらしい。