手づくりオーディオで聴く JAZZ

1960年代の後半、BEATLESがまだ現役だった頃に、初めてアンプを作った。ときどき火がつく。

No.167風に 2SK1530を

2012年06月08日 12時29分32秒 | プリ・アンプ




 いつもながら、乱雑な内部だ。
これは、'77年初版の「最新オーディオDCアンプ」に載っているモデル(これはたぶん電源電圧
からしてA級50Wと推測)を範にして作ったものだ。このときは、初めて作るDCアンプだったので、
可能な限りコピーしたアンプだった。14-15年くらいメインのアンプだった。それがある熱い
夏の日、音楽を聴いている最中に突然、保護回路が働いた。試作段階を除いて、過去一度も
動作したことがなかったのに。リセットしても駄目だった。もともと凄く発熱するアンプなので、
見たり、触ったりしてもわかるはずがない。とても修理する気力も時間もなかったので、
作り変えることにした。パーツを取り外していたら、パワー段や定電圧電源の石の取り付けが
甘くなっていた。たぶんこれが原因だったのだろう。電熱器みたいなアンプだったからなあ。

この間、一応 MJ誌は購読していた。ただし、この頃は金田式アンプは
バッテリー駆動ばかりで、あまりにもマニアチックに思え 私は興味が持てなかった。
それと、スピーカが例のGaussだったので、小出力のアンプでは鳴らないと経験的に思っていた
からだ。実際、試したことがないので、わからないが。

でも、今でもJBLやTADの38cmくらすのウーファは、大出力のパワーアンプが必要だと思っている。

で、ときは'94年ころ金田氏の完全対称DCアンプが誌上を賑わしていた。似たような構成の
オールFET完全対称型ドレイン出力のAB級120Wというアンプが発表された。
ちょうど規模といい構成といい、故障したアンプが使えそうだった。早速、2SK1056などを
準備し、回路図どおり作ってみた。定電圧回路も保護回路もないので、意外に早くできた。
が、電源をオンすると ブッッチッという感じでFETが飛んだ。
 このときの私は、昔のように回路図のとおりの部品定数で作れば、動作するものとばかり
思っていた。要するに各部の石にどれ位の電流が流れているか、それに合わせた石の選別とか、
段階的な調整のノウハウがなかった。ということで、このときは挫折した。
アンプは球のアンプがあるので、なんとか凌げた。
その頃はまだインターネットの時代ではなく、パソコン通信の時代だったので、niftyの
forumには大いに助けてもらった。 いまでも当時の人たちが活躍されているのはうれしい。

ということで、昔話になってしまったが、その後もこの筐体は変遷を遂げ、No_139では人並みに
2N3055を飛ばしまくった。このアンプからは、かってないすごい音が出た。が如何せん
安定感がないのに参って諦めた。No_139を元に2SK851を終段に使ったりと紆余曲折していた。
そしてついに2SK2554が登場し。サーミスタによる温度管理も安定してきたようなので、作って
見たのがこのアンプだ。No_163あたりから作り始め、ところどころ手を加えながら最終的に
No_167の回路となっている。

 << 終段を 2SK1530 へ >>

で、とりあえず回路は、いじらずに終段を2SK1530に取り換えた。安定して動いていたとは
いえ、電源オンにはやっぱりいつも緊張する。出力のドリフトは70mVくらいなのでまあ
いいだろう。おもむろにドレイン電流を上げるべくJ77のソース側のVRを回して行く。
回し切ったところでも70mAくらいだ。ソースに入っている抵抗を少し小さくする。
これで、OKだ。スムースに電流は400mAくらいまで増える。ドリフトも2-3mVだ。
200mAに合わせて電源を一旦切る。
再度、電源投入。ポップ音も出ない。電流は100mAくらいから増え始め210mAで落ち着いた。

 << 音はどうか >>

高域側には 窪田式(2SK1530+2SJ201)を使い、このアンプは低域に使った。

やっぱり 窪田式を鳴らしたときの音に似ている。低域の音の範囲は広く、下の方まで
出ているが 音の押し出し感が違う。ゴツンというような低音ではない。あっさりしていると
言っても良いだろうか。
 長年2SK2554の音に慣れ過ぎたせいだろうか。ひょっとするとこちらの音が普通なのだろうか。

ということで、2SK1530に期待していたが、金田式の回路に載せてみても石の持つ音があると
いうのを感じる結果となった。この石で供給電圧を60Vくらいまで上げ、終段パラで
かなりの出力アップが実現できるかと思ったのだったが、、、、。

あと、試せるのは50Vをかけて出力アップしてみることくらいしか残っていない。当初予定していた
とおり古のカットコア(通称カニトランス)を引っ張り出して載せてみることにした。


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