まずは三端子Regで簡単な回路にすることしした。初期の頃の「管球王国」(10号以前くらい)に
それらしき記事があったのを思い出した。倉庫を捜してみると第7号だった。単純にAdj端子と
アースとの間に比較的高い抵抗を入れてやる、いわゆるゲタを履かすという方法だ。
三端子Regは、LM317を使うことにした。入出力間が35Vを超えるとオシャカになるということで
結構リスキーだ。記事中には70Vでも大丈夫だったと書いてあるので、少しは余裕が出た。
が、適当な基板に組んで、電源を入れると入力電圧250Vに対して244Vくらい出る。
必要なのは、230Vなので、抵抗値を低くしてみるが、あまり変化がない。計算値とだいぶ
ずれている。入力電圧を抵抗で落としてみると、それに追従するように下がる。
なんというかツェナーダイオードみたいな動作をしている。
しばらく悩んだが、何のことはない、入出力間がほぼショート状態だった。
たぶん最初の電源ONのときに飛んだのだろう。
ヒーター電源の安定化用に何個か予備はあるが、やっぱり本来の使い方ではないようなので
諦めた。
ということで、やっぱりここは本命の金田式で行こうと決めた。
バックナンバーを引っ張り出し、200V程度の安定化電源回路を 半日ほど眺める。
最近、金田氏は、かの高価な石を使われるので、あまり参考にならない。
まだ、この石が登場しないころを眺めていたら 200Vの回路があったので
それを参考にして、真空管式DCプリのときに作った、誤差増幅にWE403を使った
回路に手を入れることにした。球は、C3mに合わせてヒーターが20VのWE408にする。
ここで問題なのは、制御用の石が、オリジナルの100V用回路では 2SA653であると
いうことだ。これは耐圧が -150V しかない。
私は、石のアンプといえば金田式ばかりだったので、あまり耐圧の高い石を持っていない。
ジャンク箱をあさり なんとかPNPタイプで 耐圧-230V コレクタ損失が20Wという
2SA1837というのが出てきた。ちょっとギリギリの規格だが、これしかないので
冷や冷やものだが、2SA653を外し取り付ける。周辺の抵抗はいじないで オリジナルの
回路で使われている基準電圧用のツェーナー(6Vタイプ)を倍の12Vタイプに取り換え
基準電圧を2倍にして、200V対応にしてみた。
<<左手に見える基板が安定化電源回路、 C3mに挟まれたMT管はWE407で、C3mの出力を受けて出力する
カソード・フォロアー回路 >>
整流直後の電圧が無負荷だと 270V出るので、ちょっとリスキーなので、抵抗でドロップ
させて、電源投入時に250Vにした。それをINPUTして、220Vの出力が得られる計算で
抵抗を決めた。一応基板上には、調整用のは固定VRも付けてある。
この結果、アンプへの電流が両CHで20mAで、入力電圧が 222V 出力が 216Vという
設定となった。
石は完全モールド型なので、指で触ってみたが、全然熱くなっていない。
さて、音出しの方だが、すでに夜の10時を過ぎたので 大きな音は出せない。
可能な範囲で 音を出してみたが、低域が引き締まってくれたのかどうか
よくわからない。明日まで待つしかない。