金田式対称型パワーアンプのパワーアップ化を目論み、終段の石を 2SK1530に替えてみた。
そして供給電圧を50Vまで上げた。一応これで120Wくらいの出力になるはずだ。残念ながら実測できる
ダミー抵抗を持ってないので計測はしていない。が、出てきた音は期待外れだった。
ということで、実験用のユニバーサルな電源を使って 別シャーシに基板を移し、電圧も35Vにして
定番の2SK2554を繋いだ。ただちょっと、前段のマイナス側に供給する電源部分に問題があるのか、
電源をONにしても 設計値の-65V(オリジナルだと-100V)に達するのに数秒かかる。
これは定格のわからないジャンクのアンプから取り外したトランスを使ったので電流容量が不足している
のかも知れない。
そのためか、これまでの経験だと電源をONにすると瞬時に終段に流れるドレイン電流が設定値の200-300mAに
達するのだが、これがちょっと違った挙動をした。電源をONにすると、遅延回路でも入ったかのように
ほんの僅かな時間、電流が流れない。すぐに増加していくのだが、0.5-1秒くらいで設定値(200mA)より大きい
300mAくらい流れる。そして徐々に200mAに落ち着く。
というのが 気になったが、音を出してみた。
うーーん、久しぶりに聴く 2SK2554の音だが、何か ちょっと以前聴いていた音と違うように感じた。
こういう場合、私のように、比較するために 元のアンプを残して、新たにアンプを作る余裕がない者は
困る。 記憶にある音と比較するので、全然、再現性がない。
単なる思い込みによる 音の比較になってしまう。
ということで、比較用として 2N3055とか2SA606とかが余っているので、電源部分だけが残っているケースを利用して
FETではないアンプを作って、その音を聴いてみたい気になってきた。電源はそのまま50Vを供給すれば
100W超える出力が得られるはずだ。昔、No.139で散々手こずり結局ものにすることができなかった記憶が
蘇るが、幸い石を飛ばすことなく残っているので、往年の石が「期待する音」を出してくれると うれしいかな。