三田和実-陶房KAZUMITACO.

やきものと雑談

バッハミサ曲ロ短調演奏会

2015年08月23日 | 音楽

         

ご無沙汰してます。

NHKで鈴木雅明指揮バッハコレギウムジャパンの演奏でバッハ、ミサ曲ロ単調の演奏会をやっていた。

合唱、合奏、共に各パート、曲によりフィーチャーされながら約2時間、実際のコンサートを聴く様な緊張感を持って聴いた。バッハ晩年の数珠の名曲揃いの傑作。特に終曲は涙もの。素晴らしい。

7月にサントリーホールで行われたのかー。行きたかったなー。最近はすっかり古代史にはまりきっていてコンサートの事忘れていた。Facebook他SNSもすっかりで、もうちょっと頑張ってみよーかな。


Bイーノとマイケルナイマン

2009年09月29日 | 音楽
70年代中期のイーノの実験音楽のためのオブスキュアレコードでは、なんとマイケルナイマンのデビュー作”Decay Music”やペンギンカフェオーケストラなども含まれていた事も今回初めて知った。

マイケルナイマンは今でこそ映画音楽家、現代音楽家、演奏家、執筆者などなど広範囲に渡って大変有名で巨匠の域に入っているが、その彼のデビュー作がイーノのオブスキュアからのレコーディングだったとはこれには驚いた。
特に映画”ピアノレッスン”の音楽の世界的大ヒットは一般的にも彼を有名にしたもので、私も彼を知ったのはこのサウンドトラックからだ。あまり現代曲的だとは思わないが、情緒的でノリが良くスケールも大きい、映画とのからみも素晴らしくとてもいいアルバムだ。
しかし多くの顔をもつ彼は作曲においてもいくつかの顔がある様で、80年代の映画監督ピーターグリーナウエイの一連の作品でのサウンドトラックやソングブックに代表される歌曲などはグリーナウエイの映画の雰囲気と同質に感じられる一種のクセの強さがどうにも自分には肌に合わず今迄私は避けて来た。

今回30数年ぶりにオブスキュアレコードを思い出すと共に、Gブライヤーズのタイタニックと一緒に興味を持ってこの”ディケイミュージック”を注文してみた。
この曲はやはりグリーナウエイの”1-100”という映画のため作曲されたが使われる事無くこのオブスキュアレコードで初録音された様だ。
この曲は80年代以降の一連の彼の曲とは随分と異なるもので、印象としては1、3曲目はイーノの環境音楽であるアンビエント2やAペルトの”アリーナ”エリックサティーなどと共通する静かなピアノの反復曲、2曲目は雰囲気が異なりガムランを少々陰湿にした感じの現代曲。どちらもミニマル的で揺れ幅の少ない静かな現代音楽といった感じだ。
ミニマルミュージック(反復音楽)という音楽的概念はどうやら”68年頃このMナイマンが初めて持ち込んだようだが、ルーツはアンディウオーホルの一連のシルクスクリーンによる作品あたりからだろうと思うが、同時期にすでにかなり荒あらしい表現ながらやはりウオーホルのプロデュースによって録音されたヴェルヴェットアンダーグラウンドのデヴュー作にもこの反復は利用されている。また現代曲ではスティーブライヒやおそらくFグラスなどもこのころから反復を実験し始めていた。

一方、ブライアンイーノは70年代初期グラムミュージックの波に乗りブライアンフェリーなどと共にロキシーミュージックを結成、2枚の出色のポップロックを録音したが、Bフェリーとの軋轢でロキシーを脱退、”73年頃「Here Come The Warm Jets」、「Taking Tiger Mountain 」の2枚のソロアルバムを発表したが、私にはこの2枚のアルバムはイーノに取っての暗中模索的作品の様に感じられる。どうやらこのころウオーホルやヴェルヴェット、ミニマル、に接近していた様だ。同時期に”FRIPP & ENO/NO PUSSYFOOTING”を録音しているがこちらはかなり実験的な音楽でアンビエント(環境音楽)の芽吹きとも言える作品だがエレトリックなフェーズサウンドが少々キツい。
75年になると”ANOTHER GREEN WORLD”、”EVENING STAR”の2枚の良質なアルバムを発表。
アナザーグリーンワールドはイーノらしいポップ感を伴った前期イーノの代表作とも言えるアルバムで私も大好きな作品だ。またイヴニングスターはノープッシーフッティングを発展し、完成させた作品で、情景を伴った後のアンビエント元となった作品。
同時に自身の”ディスクリートミュージック”を初めとする10枚のオブスキュアーレコードでミニマル、現代音楽など実験音楽やEサティーなどを吸収し、後の環境音楽の金字塔アンビエント1ー”ミュージックフォーエアポート”を発表することになる。

ミュージックフォーエアポートは空港の環境のために描かれたた作品だが、特に確たるイメージ持たず、自然環境などどのような環境においても見事に調和し得る環境音楽として最初にして最高傑作といえる作品だ。
この曲はもはや”ロック”という分野ではくくれれるものではなく、私は現代音楽であると思っている。
また、ウーホルがベルヴェットアンダーグラウンドのプロデュース時に”連続した反復は人をある種の催眠効果におとし得る”言っていたが、その効果を最大限に表現しミニマル的な潜在意識下に響かせる完成された作品だと思う。
音楽業界的においても環境音楽と言う新分野を確立した最初の作品でもある。(しかし最近の環境音楽~ヒーリングミュージックとやらは一体なんなのか?あっても無くてもいい様などうでもいい様な音楽ばかりで、そんな曲に限って作曲者は私は~の啓示を受けて作曲しました。なんてのばっかりだ。)
ちなみにイーノ本人はアンビエント4”オンランド”が最もお気に入りの様だ。ドローンサウンドというのか、”ボワワ~ン”といった音がずっとつずく感じの曲でイーノはアンビエント1~3迄をさらに発展させ曲というよりは、空間の中での音像と言ったものを表現したかったのだろうと思う。


以前はロック少年であった私の音楽感の変貌も、アンビエント1からの影響が大きかった様に思う。
中世ヨーロッパの声楽、Aペルトをはじめとする現代音楽、大きなくくりではクラッシクもこのアンビエント1”ミュージックフォーエアポート”がルーツだったのではないか?
この曲は私にとってそれだけ特別な存在だ。

今回ネットの同時注文でこのミュージックフォオーエアポートのDVDも注文した。もう10年も前に録音されたものの様だが何とライヴ! Bang On A Canというバンド?が意外な程忠実に演奏している。
画面の方は環境ビデオとしてまーこんな感じでしょうね、といったもの。おまけにイーノやライヒなどのインタヴューがあったけど字幕が無いので訳分かりませ~ン。でしたが20%offで¥2661はお買い得。

もうひとつおまけにMナイマンのピアノレッスンのサントラは、ブックオフなどでよく250円位で売ってます。
おすすめです。

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Dvd



GブライヤーズのタイタニックとBイーノのオブスキュアレコード

2009年09月01日 | 音楽
イギリス出身の現代音楽家”ギャビンブライヤーズ”の代表作に”タイタニック号の沈没=The Shinking of theTitanic"という作品がある。

この曲は、沈み行くタイタニック号の船尾で楽団が最後の最後まで"Autumn(主よ、みもとに=人々を安らかな死へと送り出す賛美歌-阿木 譲 氏訳)を演奏しつづけていたという逸話に、同じ音楽家として深い感銘を受け作曲されたもので、1970年頃からタイタニックの新しい発見、また新しいインスピレーションを得た時に随時書き加えられ、すでに3度以上の録音がなされているようである。

私が最初に聴いたのはもう10年以上も前になると思うが、(たぶん)3度目の録音になる1995年版。
この曲は約1時間に渡り延々とその”Autumn”が静かに繰り返される。
多くの命を乗せて沈み行くタイタニックの悲劇を、静かに深い祈りと悲しみをこめてゆっくりとゆっくりと沈んで行くといった光景をミニマル的に反復表現された現代曲であり、当時私は宮沢賢治の銀河鉄道にも描かれた描写なども思い描きながら、想像力を思い巡らしたものだった。

しかし、数年後あの映画”タイタニック”が公開され、私が思い描いていたそのイメージは見事に打ち消される事になってしまった。映画で表現されている様に実際の沈んで行くタイタニックの船上は惨状とパニックの連続であり、楽団もどこまで演奏出来たのかは分からない。映画と言うある意味リアルな表現を見てしまうと。今迄私がこの曲を通して思い描いていたイメージは一種のロマンチシズムにしか過ぎなっかったのだろうかと思ったものだ。

それから数年すっかりこの曲の事を忘れていたが、今回ネットでブライアンイーノについて調べていたら、1975年頃イーノが当時、実験的な音楽のために作ったレーベル”オブスキュア レコード”の最初のレコーディングがブライヤーズの(たぶん)最初の録音であった”The Shinking of the Titanic"という事を知る。
私は当時からイーノのファンで(現在では私にとってのロックは一種懐メロの様なものになってしまったが、イーノのみずっと引き続いている。)このオブスキュアレコードの存在は知っていたのだが、例えイーノのプロデュースであろうと知らない作曲家の何が出て来るか分からない輸入盤など到底手が出せるわけなかった。

今回、早速そのCDを注文し、久しぶりにブライヤーズのタイタニックに接する事になる。
録音時間は”95年版の半分以下の約25分。95年版の原曲にあたる。
多くの人が同じ経験をもつと思うが、一度気に入った曲を他の演奏で聴くとやはり何か物足りない、と感じてしまいがちだが、今回あらためて両アルバムを聴いてみると、私は映画タイタニックの呪縛から離れ、”音楽芸術としての一種のロマンティシズム”これもいい!
と、思える様になった。それはある一面でのリアリズムであり、現代音楽家ブライヤーズにとってタイタニック号への追悼と深い祈りのこもった潜在意識下に響く様な名作である。

ちなみにこのオブキュアレコードから出しているイーノのディスクリートミュージックも今回一緒に聴き直してみた。3曲のパッヘルベルのカノンが延々とゆっくりと繰り返される。これは基本的にブライヤーズのタイタニックと同質のものだ。そしてオブスキュアからブライヤーズはイーノとのコラボを含め3枚の録音をしていた。
あらためて当時のイーノは現代音楽やジャズ、様々な分野からインスパイアーされながら新しい音楽像を作り上げようとしていたかという事も分かった。

イーノのオブスキュアレコードについては評論家、阿木 譲氏の解説が詳しい。

http://www.nu-things.com/blog/2008/03/

(おまけ)95年版タイタニックのCDには他の作曲家によるものだが”Raising theTitanic"という曲のボーナスCDがついていて、 何とタイタニックが浮かび上がって来る。これもいい!

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マルティンシュタットフェルトのバッハー平均律クラヴィーア曲集

2009年06月20日 | 音楽
先週所沢まで、3時間かけてこの所話題となりつつある、ドイツの若手ピアニスト、マルティンシュタットフェルトのコンサートに行って来ました。


バッハの平均律は私がほとんど初めて深くバッハの音楽に触れた最初の曲で、自分が死んだらこの曲とやはりバッハのミサ曲を流し続けて欲しいと思うくらい好きな曲なのですが、もうバッハを聴く様になって20年近くなるのに私の知る限り、1度もこの曲集のコンサートが行われる事がありませんでした。


思うに普通演奏時間2時間に及ぶ、この鍵盤曲の旧約聖書と言われる曲は、1回のコンサートで演奏するには大変な集中力がいるのではないでしょうか?
やはり、全く1人で演奏される無伴奏ヴァイオリンやチェロと言った曲は普通2晩かけて演奏されるもので、演奏時間もそう変わりありません。例えピアノと弦楽器の肉体的運動量の差があったにしても。


私はまったく楽器が出来ないので本当の所良くわかりませんが、この24曲(1曲がプレリュードとフーガに別れているため実質48曲)及ぶ曲を1晩で聴衆の目に囲まれながら、当然間違えない様細心の注意を払い、あの膨大な音符を1音1音研ぎすまされた音楽にして行くというのは、実際これは大変な事なのではないか、だから、今迄私の知る範囲内ではありますが大変有名な演奏家でも録音はしても、コンサートが行われないのではないかと思うのです。(しかし何でこの曲は練習曲集なのだろうか?恐ろしく内容の深い練習曲で、演奏家にとっても恐るべき難曲集に思えるですが....。)


その様な意味でも、このコンサートは私にとって願ってもないものでした。おまけに何という安さ|すごくきれいなホールでだいぶ後から買っても20列目のほぼど真ん中、それが2500円なのですから。日本のちょっとしたミュージシャンでも今は8000~1万円位普通にするんでしょ。たぶん...。


今回演奏したMシュタットフェルトというドイツのピアニストは、本国では数年前から話題だったようですが、日本では昨年の初コンーサトで、Gグールドを知らない世代の若手ピアニストとして新聞で取り上げられました。
実際私も今回初めて耳にして、その若々しい繊細なタッチ、音のまろやかさ、感情の込めかた、若干飛ばし過ぎで音が混じり合ってしまう部分も感じましたが、約2時間私はバッハ~シュタットフェルトの世界に完全に引き込まれた素晴らしいコンサートでした。


ちなみにその前週にはやはりバッハのゴールドベルク変奏曲にも行って来ました、彼はこのゴールドベルクで本国でも日本でもデヴューしましたが、これはグールドを意識したレコード会社の戦略と思いますが、彼独自の演奏で聞き慣れないとおや?と思う部分もありますが、大変弾きこなれた演奏でした、(しかし残念なことに私は睡眠不足だったのか、睡魔との戦いだったのですが......。)


彼はこれからより大きな器として育って行くでしょう。しかし今のその繊細な感覚を失う事なく成功して行く事を願い、これからも楽しみに追っかけて行きたいと思っています。
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻
価格:¥ 3,780(税込)
発売日:2009-02-18



映画 ”ふたりのベロニカ”よりサウンドトラック

2009年06月10日 | 音楽
「05_van_den_budenmayer_concerto.m4a」をダウンロード

Podcast フィードから音楽を入れることが出来る事を知って試しに入れてみました。
もう15年位前のキシェロフスキー監督の”二人のベロニカ”からの1曲です。
映画の中では200年以上前のオランダの作曲家ヴァン・デン・ブッデンマイヤーが作ったというので、私は本気でこのブッデンマイヤーという作曲はどういう人なのか調べてしまいましたが、これはあくまで映画の中の架空の人物で本当の作曲家はズビグニェフ・プレイスネルです。
私の大のお気に入りの映画、音楽です。

ただし、曲を聴く間は、画面が真っ黒になってしまう様で、もう1ページ開いておいてお聴きにになると良いと思います。(しかしこれっていいのでしょうか?)

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