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建設のデジタル化

2020-09-02 23:53:00 | 分析・観察
リモートワークが進む中でも、建設工事は続けられている。デジタル化は建設工事の業務を効率化しているが、そこにはどれほどのビジネスチャンスがあるだろうか。

建設業界のデジタル化は、コーポレート部門への間接的なものを除くと、
・設計の情報流通効率化
・調達の効率化
・建設工事の効率化
・建設後のメンテナンスの効率化
をすることで成し遂げられる。
建設業界はGDPの5%台半ばで推移している。実質GDPはだいたい550兆円なので、およそ30兆円が建設業による創出価値(売上-総費用=粗利益)であるとわかる。
(内閣府のデータ

建設大手の粗利益率は清水建設を例にすると13%で、逆算すると売上は約230兆円。

さらに清水建設を例にすると一般管理費に6%ほどをあてており、この割合でいくと12〜13兆円が建設業の一般管理費に流れている。

おおよそ半分は人件費とすると、他の経費は6兆円程度だ。これが建設業の拠出するIT予算の潜在的な最大値だ。
建設業界は、住宅から大型プラントまで、デジタライゼーションによるコスト削減に取り組んでいるため、この最大値に近いところで、何らかのシステム投資をしているのではないかと思われる。
例えばアメリカの巨大エンジニアリング企業(工場や発電所などを作る)であるFluor社(売上も従業員数も、日本の同業トップ三社を合計してさらに2倍にしたレベル。日本の同業トップ三社は、日揮・千代田化工建設・東洋エンジニアリング)は建設データ100件以上をIBMのAIに読み込ませ、最適な工事運営の実施に取り組んでいるという。

大きな資本・人手のかかる工事をAIで効率化することには経済効果も大きいはずだ。職人意識の強い企業ほど、まだまだ効率化余地があるのではないかと思う。
株式の人気は業績の揺れが懸念されてか微妙であるものの、コスト削減を進めることで、建設業界は今後さらなる発展が期待される業界であると思う。

大型建設を手がけるエンジニアリング業界の分析。Fluor社も日本の大手各社と比較している。



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