桜が咲きました~♪
やーっと満開になったのに、
この荒れ気味の天候では、
あっという間に散っちゃいそうです。
短くも華やかに、そして潔く舞い散る。
それもまた、桜の魅力なのかもしれません。
満開の桜の季節になると、
読みたくなる詩があります。
よかったら、読んでください。
茨木のり子さんの『さくら』です
🌸 🌸 🌸 🌸 🌸
『さくら』 茨木のり子
ことしも生きて
さくらを見ています
ひとは生涯に
何回ぐらいさくらをみるのかしら
ものごころつくのが十歳ぐらいなら
どんなに多くても七十回ぐらい
三十回 四十回のひともざら
なんという少なさだろう
もっともっと多く見るような気がするのは
祖先の視覚も
まぎれこみ重なりあい霞(かすみ)立つせいでしょう
あでやかとも妖しとも不気味とも
捉えかねる花のいろ
さくらふぶきの下を ふらふらと歩けば
一瞬
名僧のごとくにわかるのです
死こそ常態
生はいとしき蜃気楼と
🌸 🌸 🌸 🌸 🌸
穏やかな佳い春となりますように。