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『さくら』の季節 

2024年04月09日 | 心のお散歩

桜が咲きました~♪

やーっと満開になったのに、

この荒れ気味の天候では、

あっという間に散っちゃいそうです。

 

短くも華やかに、そして潔く舞い散る。

それもまた、桜の魅力なのかもしれません。

 

満開の桜の季節になると、

読みたくなる詩があります。

よかったら、読んでください。

茨木のり子さんの『さくら』です

 

🌸 🌸 🌸 🌸 🌸

 

 

『さくら』     茨木のり子

 

ことしも生きて

さくらを見ています

ひとは生涯に

何回ぐらいさくらをみるのかしら

ものごころつくのが十歳ぐらいなら

どんなに多くても七十回ぐらい

三十回 四十回のひともざら

なんという少なさだろう

もっともっと多く見るような気がするのは

祖先の視覚も

まぎれこみ重なりあい霞(かすみ)立つせいでしょう

あでやかとも妖しとも不気味とも

捉えかねる花のいろ

さくらふぶきの下を ふらふらと歩けば

一瞬

名僧のごとくにわかるのです

死こそ常態

生はいとしき蜃気楼と

🌸 🌸 🌸 🌸 🌸

穏やかな佳い春となりますように。

 



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