カシオドロスは野蛮なゴート属の王テオドリックの秘書官をしていた。
強いゲルマン色の王の命令書をローマン色に書き改めて指令した。
(インターネットの世界で質問をしてみても、人工知能の無味乾燥な返答に辟易している人もいると思います。
問題はインプットする人間の方にあると思います。
そこで、あまりにも美しい手紙を送りたいと思います。)
少し長くなりますが、懐古の美しい世界
を読んで下さい。
私の愛読書、最高に尊敬する方、とても大好きな人です。
🔵塩野七生著
[ローマ帝国の終焉]より
ローマ人の物語より
2006年12月発行
経営者の読む本として最高峰❗
カシオドロス筆の手紙
塩野七生翻訳
白雪姫まるめてコピー
スタート
すでに豊作で承知だと思うが、イストリア産のブドウ酒とオリーブ油を、ラヴェンナに向け船での輸送を取りはかってほしい。
数多くの船を所有しているおまえたち
は、イストリアの農民の引き渡す農作物を無事に輸送する対策を持っている。
利益は彼らとの折半でいい。
なぜなら両方の協力があってこそ、この仕事はうまくいくのだから。
ベニス(ヴェネツィア)の下にラヴェンナがあります。
🔵アドリア海の奥に位置するイストリア半島の農作物をテオドリック(王)王宮のあるラヴェンナに送れという王の命令書をヴェネチア(ベニス)にカシオドロスの筆で通達した。
では直ぐにも、この短い船旅に出てもらいたい。
もっと長旅に出ているおまえたちにしてみれば、自分の国の中を行くようなものであり、家々の間の水路を航行するようなものだろう。
どの海路を行けという指図はしない。
海が荒れても川がある。
おまえたちの判断でより安全と思ったやり方をやっていい。
おまえたちの住み家がどのように出来ているかを思い出すことが、私にとってもどれほどの楽しみか?‼
🔵ヴェネチア年代記(伝説)
ローマ帝国末期 紀元452年
北イタリア半島の住民は、野蛮ないろいろな蛮属やフン属の度重なる侵入に恐怖で怯えきっていた。
イタリア半島北東部ヴェネト地方の住民は司祭に指示を仰いだ。
司祭とて何とも言いようがなかった。
司祭はどうしようもない絶望を訴えるかのように、天に向かって両手を広げた。
その時、突然天からの声が聞こえた。
[教会の塔に登れ。そしてそこから海を見よ。おまえたちの目に映るところが、これからのおまえたちの住み家になる。]
人々は教会の鐘楼に登った。
見渡すとちょうど干潮時でところどころに地表が現れている沼沢地域が見えた。
葦が繁っているだけの干潟には、木の影さえも全くない。
だが神の啓示があったのだ。
司祭を先頭に富める者も貧しい者もその地に移っていった。
ただ何よりも最初に住居を作る木材を持っていかねばならない。
新天地には魚以外の物は何一つ無かった。
しかし、命は助かった❗
人間が住むにはあまりにも不利な条件の下でしか、彼らは自分の身を守ることしかできなかった。
ヴェネチア年代記(伝説)
塩野七生著者
ローマ人の物語
つづく