くまがい桂子 の  エッセイ  「木もれ日あびて」

「民報ゆうばり」に隔週で掲載している
エッセイ「木もれ日あびて」です。

本館 くまがい桂子のHPもよろしく!

…改憲が必要ですか?

2005年06月06日 | Weblog
「非戦つうしん」弁護士 毛利正道   より 一部抜粋


改憲をめざす勢力は、海外での実戦行動という狙いをあからさまにしたのでは日本の市民多数が改憲に反対する可能性が強いため、真の狙いを曖昧にし、「日陰者の自衛隊に日の目を見させるための9条2項改正」と強調します。

しかし、これを理由に9条2項を変えて(あるいは2項は変えずに3項を新設して)、「自衛のための戦力(自衛軍=自衛隊)を持てる」との条文にすれば、海外での米軍との実戦行動も「自衛のための戦力としての武力行使」との理由で行われることは、あまりにも明らかです。

「北朝鮮の攻撃から自衛隊が日本を守るには改憲が必要」?…自民党政府は、「北朝鮮が攻めてきたときに日本を守ることは現在の自衛隊と憲法の下でもできる」と言ってきました。それでも改憲しようとするのは、海外の実戦行動が出来るようにするためなのです。

9条の改憲は、自衛隊員に「アメリカの権益のために海外に行って殺し、死ね」と命ずることが、改憲によって実現されることを許すのか否かということです。

これは要するに、自分・子・孫が海外で殺されることを認めるのか、否かの選択を国民に突きつけていることを意味します。子どもを産み育てる女性が、とりわけ「子ども・孫を守りぬく」と必死になって立ち上がりつつあるのも当然です。

さらに、アジア諸国の反応も、自衛隊を認知させるための改憲なら反対の声も起きにくいでしょうが、他国に出かけ他国の人を殺すための改憲ということなら、戦争責任を無視する日本政府の姿勢と重なり、絶対に改憲を許さないとの声が広がるはずです。

事実、小泉首相の靖国参拝、アジア諸国を侵略した戦争への反省をせず、美化するような新しい歴史教科書の問題などによる、アジア諸国からの批判が噴出しています。

このことは、他国との経済交流を通してしか生きられない日本の政府としては、大きな痛手になります。
今の憲法の下でも『専守防衛』はできると強調して来た自民党が、どうしても憲法を変えると言っているのは、イラクでのイギリス軍のように、世界の誰もが反対するアメリカの戦争で、「自衛隊に最前線で戦闘行為をさせて欲しい」と強く言われているためです。

皆さんは自分の子や孫が、人を殺したり、殺されたりすることを許せますか?