師走の初め、鰐陵(石巻高校)柔道部後輩の鈴木君から宅急便が届いた。中にはカレンダーが5部入っていた。
「2016 石巻圏カレンダー 変化する力 心に残そう! わがふるさと・浅井元義スケッチ石巻Ⅲ」というものである。
パラパラとめくって懐かしいな、と思った。
それは津波で失われるよりも以前に既に失われていた、昔日の石巻の姿を収めていたからだ。
とりわけ心ひかれたのは「6月 河畔の旅館 石巻中央三丁目 (1984)」である。
かつてレストラン「たわらや」と住吉公園の間には、宮城交通のバス駅や船着き場とこの旅館があった。茶色っぽい外観が今でも脳裏によみがえる。
千葉甚旅館といって、表記によると明治26年6月開業、皇族や著名人が多数宿泊した老舗旅館。描かれているのは1984年。
そういえば、この旅館の娘さんではなかろうか。2歳下の女の子と小学校時代このあたりで遊んだ覚えがある。可愛らしい子だった。
描いた浅井元義さんは石巻市出身。これまで石巻スケッチシリーズⅠ~Ⅶ(日貿出版)があり、宮城県芸術選奨やいしのまき大賞を受賞している。
かつての石巻の姿に思いをはせながら、年越しをする次第である。(鈴木君、ありがとう。)
皆さま良いお年をお迎えください。
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付記1
2部余っていますのでご希望の方は住所をお教えくだされば無料でお送りします。
付記2
カレンダーの各月は以下の通り。( )内は描画した年。
12月 文化センター遠望 石巻市南浜町一丁目 (1990)
1月 西内海橋 石巻市中瀬 (1990)
2月 砕氷塔のある魚市場 石巻市川口町一丁目 (1990)
3月 春を待つ浜 雄勝町水浜字水浜 (1990)
4月 陶器店 石巻市中央三丁目 (1984)
5月 鳴瀬川 鳴瀬町小野 (1987)
6月 瓦工場のある踏切 石巻線・小川町踏切 (1996)
7月 河畔の旅館 石巻市中央三丁目 (1984)
8月 昼下がりの漁港Ⅰ 北上町十三浜小室 (1997)
9月 運河沿いの駅月 仙石線・野蒜駅 (1995)
10月 支倉常長出帆の地 石巻市月浦字月浦 (1998)
11月 川の見える路 石巻市門脇一丁目 (1990)
12月 北上河口の街 石巻霊園から (1990)
因みに鈴木君のお気に入りは「6月 瓦工場のある踏切 石巻線・小川町踏切 (1996)」で、自宅のすぐ裏で、子供の頃線路に五寸釘を並べて怒られたそうです。
付記3
石巻かほくにも記事が載っていました。→古里をスケッチ 石巻出身の浅井さん、2016年カレンダー作成
(魚拓)
付記4
今年見た映画ベスト5
①イングリッシュ・ペイシェント(1996 米)
②桐島、部活やめるってよ(2012 日)
③ショーシャンクの空に(1994 米)
④あの頃ペニー・レインと(2000 米)
⑤バベットの晩餐会(1987 丁抹)(←追記20160112)
付記5
今年つぶやいた曲。
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