新装!中島賢介研究室

勤務大学における授業内容や雑談に関する説明などを中心に綴ります。よかったらお立ち寄りください。

季節の音に特化した絵本読み聞かせ会

2024-03-02 11:10:07 | 授業
専門ゼミでは、金沢市立玉川こども図書館と連携して、2022年度、2023年度と絵本読み聞かせ会を企画しました。
絵本は、通常、絵とお話という、読み手の視覚と聴覚を育てる教材として用いられます。
しかし、絵本にはどのような肌触りか(触覚)どのような音か(聴覚)、どのような匂いか(嗅覚)など、
「想像する愉しみ」もあります。
読み聞かせ会では、季節の音に特化した絵本を検討し、絵本を読んだ後、絵本の世界観の中で遊ぶということを計画しました。

2022年度 絵本読み聞かせ会「なつのおとみっけ」
『なつのおとみつけた』作・絵 みやじまみほこ 文 たにいくお みらいパブリッシング
『なつのいちにち』作 はたこうしろう 偕成社

2023年度 絵本読み聞かせ会 「ふゆのおとみっけ」
『ゆきみちさんぽ』作えがしらみちこ
『だんだんやまのそりすべり』作 あまんきみこ 絵 西村繁男

学生は、会場に集まった子どもたちを前に、緊張しつつも用意した絵本を一緒に楽しんでいました。
また、読み聞かせをする際、何を目的に絵本を選ぶのかということについても考えることができました。




 

児童文学とSDGs

2022-07-08 17:39:00 | 授業
今年度は、通常担当している科目に加え、総合教養という科目を3回分担当しました。
1回目 子どもの文学 哲学に向き合う
2回目 子どもの文学 平和に向き合う
3回目 子どもの文学 災害に向き合う
それぞれのテーマに沿って、児童文学作品を紹介し、
子どもからの質問にどう答えるかということを
ワークシートに記入する形で授業を進めました。
テーマはいずれも難しいと考えていた受講生でしたが、
児童文学作品を紹介していくうちに、
「子どもの本ってとても奥が深い」「答えは子どもと一緒に考えたい」「子どもと関わる際には参考にしたい」
といった感想が多く寄せられました。
子どもは、大人が困るような質問をすることがあります。
子どもは、大人と一緒に戦争に関するニュースを見ることもあります。
子どもは、地震に関するニュースを聞くこともあります。
今回は3回だけでしたが、一つ一つのターゲットを
児童文学作品を通して紹介していくと学生のように理解が深まるのではないかと思います。

教員免許更新講習

2021-08-20 18:06:51 | 授業
昨日、教員免許更新講習の1コマを担当し、幼稚園、認定こども園における危機管理上の課題について講義しました。保育におけるリスクとハザードについて解説し、近年に起きた5つの事例について、リスクとハザードについて検討しました。講義の後、新型コロナウイルス感染対策のため、小グループで短時間とはなりましたが、グループディスカッションする時間を設けました。時間の都合上、ディスカッション内容を受講生全員に共有することまではできませんでしたが、全員が当事者性をもって真剣に取り組んでくださり、無事終えることができました。それぞれの保育の場に戻って、今回の講習内容を活かしてほしいと願っています。


聖書と動物

2021-04-08 16:02:41 | 授業
2021年度が始まりました。
昨年度から、休業に始まり、次々と想定外のことが続いて今日に至っています。
その間、なかなかブログが更新できませんでしたが、今年度は少しずつではありますが書き込んでいきたいと思います。
今年度も昨年度に引き続き、リモートによる代替授業と対面授業を交互に行います。
毎日の礼拝も同じく、入場制限をかけながら、座席も間隔を空けながら実施しきます。

昨年度の礼拝では、前期は聖書を「読む、聞く、話す」、後期は聖書が由来している(と思われる)諺についてお話しました。
今年度前期は、聖書に登場する動物を取り上げていきたいと考えています。

長年、文学作品を読む授業を実践していますが、
読み出したら止まらなくなる面白い作品でも、
それを手にして読み出すまでに時間がかかる学生がいます。
そのような学生が実際に読んで「読み応えがあった!」「他の作品も読んでみたい」と思うようになるためには、
その作品をさまざまな角度から紹介したり実際に一部を皆で読んでみるといったことが必要になります。

まだまだ試行錯誤の段階から抜け出していませんが、
文学作品を(これから)読んでみたくなる講義から
文学作品を(すでに)読んでしまっていた講義を目指して
今年度も授業を実践していきたいと思います。

作家と作品について

2020-11-13 14:43:45 | 授業
2年ぶりの投稿になります。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
今年度も「児童文学」「郷土の文学を楽しむ」「教育学文献講読」といった科目を担当しています。
今年度はコロナ禍の状況にあるため、他大学同様感染防止対策をとった授業形態となっています。
前期の「児童文学」や「教育学文献講読」についてはほとんどが代替授業となってしまったため、
講義資料を例年の倍以上に増やして代替課題にあてるなど、学生も大変でしたが教員はさらに大変でした。

今年度は、授業の他に某文化センターからの依頼を受けて文学に関するフィールドワークを担当しています。
その案内記事をご覧になった方から、お手紙と冊子をいただきました。
そこには、ある作家についてのコメントが添えられていました。
ご本人の了解がないのでお手紙の内容について詳しくは申し上げられませんが、
明らかに作家論と作品論を混同している内容でした。

私は作家の生き方がこうだから作品はこう解釈されるべきだ、
こういう作品を書いたのだから、作家はこういう人物に違いないという「方程式」は存在しないと考えます。

作者が自分自身の生き方に反する内容の作品を書くことだって十分に考えられるからです。
具体例を挙げれば、戦時における文学作品がその一つでしょう。
作家本人は戦争を決してよいものだとは考えていない。
しかし、当局から肯定的に書くよう指示があった場合、反体制派とされ投獄されないために戦争肯定の作品を
書かざるを得なかったという場合も考えられるのではないでしょうか。

よって、いただいたご意見については賛成しかねます。
少なくとも私は「戦時の文学」を研究することはあっても「戦争責任糾弾のための」研究はしません。
これがお手紙をくださった方へのお返事です。

せっかく書いてくださったお手紙にも関わらず、このようなお返事になってしまったことを
大変心苦しく思います。ご容赦のほどお願いいたします。