新装!中島賢介研究室

勤務大学における授業内容や雑談に関する説明などを中心に綴ります。よかったらお立ち寄りください。

久しぶりの投稿です

2018-10-16 10:49:37 | 授業
2018年度も、無事「児童文学」「郷土の文学を楽しむ」を担当することができました。
「できました」というのも少しおかしな表現ですが、
受講生が少なくなると開講できない恐れがあるから仕方ありません。
こうした困難にもめげず、今年も文学していきたいと思います。

授業内でいつも「この授業を聞いて、自ら筆を執って何かを綴ってほしい」
といったメッセージが届いたのか、
本学の卒業生や在学生が現在作家活動を行っているという情報を耳にしました。
とても嬉しい限りです。

本学に関係した文学史的な話として、これまで次のような内容を講義してきました。
金沢の三文豪 泉鏡花の最終学歴が北陸学院(正確には北陸英和学校)だったこと。
在学中思慕した女性がミス・ポートルであったこと。
詩人中原中也が在籍していた幼稚園の一つが現在の北陸学院第一幼稚園だったこと。
詩人永瀬清子も同時期に幼稚園に在籍していて、交流があったこと。

今回からは、その次に卒業生や在学生の作品紹介が入ります!
学生には、本学から作家を輩出することが夢であると公言してきただけあって
これらの作品について話題にできるのはこの上ない喜びです。
続け後輩たち!

今年もよろしくお願いいたします

2017-01-09 10:21:34 | 授業
今年もよろしくお願いいたします。

今年度の卒業論文・専門ゼミレポート(仮題)が提出されました。

松谷みよ子の戦争児童文学 -与える愛で生き方を変える-

共生への歩み -新美南吉「ごんぎつね」を媒介に-

「差別図書」と言われた児童文学作品を保育者としてどう伝えるか -「ちびくろサンボ」と「ピノキオ」から考える-

青年期アイデンティティと「ぼくを探しに」作品の関連性 -青年期に読むことの重要性とは-

道徳の教科化における昔話の導入 -仕返し譚を中心に-

文字のない絵本の読み聞かせにおける保育者と子どもとの関わり -文字のない絵本が果たす役割-

今回も力作ぞろいです。

締切までもう少し、頑張ってください。



「この力」始まる!

2016-05-12 18:25:32 | 授業
今年度から導入した小学校独自のカリキュラム「この力」の授業が始まりました。
すでに前回オリエンテーションを済ませてグループ分けもしています。
よって、今回からグループに分かれての本格的な活動開始となります。

私が入っている(入れていただいた)プロジェクトは、「絵本作りプロジェクト」。
今回は、「このプロジェクトで何がしたい?」から始めました。
もちろん、教員側で用意しているものはあるのですが、「この力」は児童一人ひとりが持つ力を伸ばす時間です。
子どもたちからは、「ずかんをつくりたい」、「し(詩集)をつくりたい」、「えほんをつくりたい」などといった
要望が出されます。

「よし、ではこれからいろんなものをつくるために、まず三小牛にあるものをみてみよう」
先生の言葉で子どもたちは一斉に緑の中に走っていきます。
「興味のあるものがあったらカメラで撮ってみよう」
子どもたちは、道端に咲く花、飛行機雲や動物のフンまで、いろんなものを見て回ります。
「先生、カメラに撮っていい」
「いいよ」
「これ押し花にしていい?」
「いいよ」

丘の上に上った子どもたち。大学の校舎に向かって大声で「ヤッホー!」と叫びます。
すると、大学校舎の向こうから山びこらしい声が。
子どもたちは大喜び。何度も何度も繰り返しては声の大きさ、言葉などを変えながら
どのように聞こえてくるかを注意深く聞いています。
動物のフンも何のフンだろう?何でここにあるんだろう?疑問が湧いてきます。
小さな野花を押し花にしながら、「これって何ていう花かな?」などと首をかしげます。
こうした経験が一人ひとりのオリジナルな絵本作りにつながっていきます。

保育の場において、晴れた日の外遊びでは日常的に見られる光景です。
なぜ、そのような「遊び」を小学校で敢えてするのでしょうか。
それは、単純に就学前教育がそれだけ重要だからです。
小学校においても、学びにつながる「遊び」ができるということを
児童一人ひとりに知ってもらいたいと考えています。
そして、それぞれが持つ力を伸ばしてほしいと願っています。

小学校の音読発表会から大学生の発言を考える

2016-05-11 12:27:59 | 授業
小学校のあるクラスでは、国語の授業で音読発表会を行っています。
グループに分かれて、音読する範囲や読み方などを話し合い、いざ本番へ。
発表会ということもあり、いつになく緊張する児童も。
しかし、グループごとに工夫された点がよく分かる音読に先生も納得されていました。
 
国語の授業では、自分の意見は単語だけという断片的にではなく、
最後までまとまりのある文章でしっかり伝えるということを指導しています。
講評を求められたので、「伝え合う」ことについて短く話をしました。

大学の講義について学生にその反応を聞くと、
時折断片的な表現で済ませようとしたり、
「分かりません」と簡単にやり過ごそうとしたりする場面に遭遇します。
学生がスピーチをする場面でも、ただ原稿を読んでいるだけ、
語りかけも工夫も感じられない話を聞くことがあります。

せっかく小学校でしっかりと発言する習慣を身に付けているのだから、
臆せず自分の考えたことを相手に伝わるように話してほしいものです。
こちらとしては、ただ聞きたくて聞いているわけですから。

学生諸君、自分の主張を世の中に響かせてみよう!
君の話に、真剣に耳を傾けている人間がここにいる。



児童文学を楽しむ

2015-06-14 21:32:53 | 授業
先週の児童文学では、『小公女』のブックトークを行いました。
バーネットによる同作品と『小公子』との比較や、
明治中期の翻訳者若松賤子について、
更には当時のアメリカとイギリスの文化的相違、
イギリス植民地としてのインドなど背景を探ることで見えてきたことなどを話しました。
子どもの頃には決して見えなかった事柄がわかるとあって、
学生たちもとても興味を持って聞いてくれます。
世界の歴史や文化を学ぶとき、こうした授業があったらもっと楽しく取り組めたのに、
そういう声が聞こえてきます。

そして、「我が国がいかに文学を生かした授業をして来なかったか」ということがわかります。