新装!中島賢介研究室

勤務大学における授業内容や雑談に関する説明などを中心に綴ります。よかったらお立ち寄りください。

児童文学を楽しむ

2015-06-06 11:49:01 | 授業
 2015年度の児童文学は、従来のシラバス学修内容に加え、学生と教員のコラボ企画によるブックトークを行っています。
 (シラバスには「ブックトークをする」という内容は予めきちんと記載されていますことを申し添えます。)

 中間報告として、これまでのブックトークをごく簡単に紹介します。

第1回 『ピーター・パン』 担当 中島
テキスト内容に加え、イギリスにおける児童移民に関する話題を提供しました。

第2回 『星の王子さま』  担当 A君
作品冒頭における「献辞」の内容を取り上げ、作者の友人関係へと話題を広げました。

第3回 『はてしない物語』 担当 B君
テキストから本の装丁や『モモ』につながる時間概念や聖書の考え方へとつなげました。

第4回 『ハーメルンの笛吹き男 担当C君
ゲーテの詩やエンデの『ハーメルンの死の舞踏』などを関連づけました。

第5回 『十五少年漂流記』 担当 Dさん 
ロビンソンクルーソー変形譚や教育現場への導入などについて考えました。

第6回 『不思議の国のアリス』担当Eさん 
地下世界への憧憬と特定の子どもたちに対して語ることについて話題提供をしました。

 これらの作品は、すべて学生たち自らが設定し発表してもらうことになっています。大変なのは担当教員です。
 学生の希望を聞いてからの授業準備ですから、当然講義までの内容には至りません。
 しかし、このスタイルにしてからというもの、例年にはない学生の主体性が感じられるようになりました。
 何しろ学生たちは、自分の子どもの頃読んだ思い入れたっぷりの作品を紹介するわけですから、
 その態度たるや堂々としています。
 全員の前で照れながらも真剣に発表してくれるようになりました。
 発表を聞いている学生たちからのコメントペーパーの内容も随分変わりました。
 これからも実り多い授業を目指していきます。受講生の皆さん、今後も乞うご期待。