そんなわけで皆様大変お待たせいたしました。こちらの記事の続きであります。
まだの方は上記2つもどうぞご覧ください。
そんなわけで。
翌朝。
2024年5月29日23時45分出港予定だった東京九州フェリー新門司港行きは、荷役の遅れが原因で20分遅れ、日付が変わった5月30日0時05分頃に出港した「それいゆ」に乗船。
消灯時間の深夜1時半を過ぎた夜中2時ころに部屋をのそのそ這い出して、ああ背徳のカップラーメン、しかもビッグサイズを、船の揺れと、これは別名太平洋の暴走族の異名をとる東京九州フェリー独特の、時速28ノットあたりを速力が醸し出すスピードに対する重力を背中で感じながら、夜中におやすみなさいをしたところ。
今は今朝7時半頃。
船は三重県沖を航行中なようでございます。
それではいろいろ船内探索をしてみようかなと思います。
実は今日5月30日は、フィリピン近海で2024年最初に発生した台風1号と離合する予定で、悪天候と相当な揺れを覚悟していたのですが、どうもこの船に乗っている間だけは天気は持ちそうな気配で、今の天候は曇り時々晴れ間がでる様子。
風もそれほど強くなさそうなので、さっそく6階デッキに出て、太平洋の水平線を楽しもうと思います。
こちらは右舷側なので、遥か先にうっすらと見えるのは三重県の尾鷲あたりでしょうか。
そして左舷側は遥かに望む水平線\(^o^)/
フェリー旅の醍醐味、特に外海もそうだし日本海側を走るフェリーにも言えると思うのですが。「水平線だよガンバ♪ 水平線だよガンバ♪」という歌の歌詞をはっきり書いちゃうと某ジャスラッ〇クさんが飛んでくるので言いませんが、水平線を独り占めできるんですよ。
風はほぼほぼ感じないんですが、乗っているとかなりのスピード感を感じます。
試しにスマホの速度計アプリで計測してみましょう。
えっ!!
時速32ノット!?
エリック・ノットじゃございませんよ。昔千葉ロッテにいた。
こりゃ高速艇も水中翼船もびっくり。
時速32ノット、先にも触れましたがこの船の速力がおおよそ27.2ノット、1ノットは1カイリでおおよそ1.852キロメートル。
この27.2ノットでも相当な速力なんですが、GPSではなんとまあ驚異の32ノットを計測しております。
これがどれくらいのスピードかというと、時速キロ換算にするとなんとなくお分かりいただけるかと。
時速32ノットをキロ換算するとこうなります。
せーのドン。
太平洋上を時速50キロ相当。
そりゃたしかに20分くらいなら遅れようが新門司港への定時入港には大した影響はないわけです。
さて船室内に戻ると、デッキと海を眺めながらの小さなスポーツジムもございます。
ここはあとで運動しにこようかな。いつも仕事中は運動のし過ぎなんで。
スポーツジムに限らず、船内がすべて目覚めるのは8時になってからで、レストランや売店、スポーツジム、あとは5階船首部分に船長や航海士気分が味わえる、「フォワードサロン」という、読書や前展望をするにはうってつけのスペースも、自販機以外のスペースが目覚めるのは朝8時からになっております。
改めて、6階フロアから4階フロアまでの吹き抜けを、吹き抜け同様にはめ込まれているエレベーターと共にご覧いただきます。
船内には東京九州フェリーのグッズやアパレルなどがイチ押しなのか、そこかしこに展示されております。
そういえばこの船に乗る前に、何度か太平洋フェリーや阪九フェリーにも乗ったことがあるんですが、アパレルには手を出したことがなかったな。
さて、朝8時を回ったのでベッドで寝ている嫁さんを叩き起こしてレストランに行きましょう。
朝ごはんに行ってみたいと思います。
東京九州フェリーのレストランはすべて定食やアラカルト方式になっていて、お好きな分量でお召し上がりくださいね…という形。
というわけで僕の朝ご飯は、和食にしようと思ったんですが、やっぱり洋食に行ってしまいましたw
最近はどうにも糖質が足りないような気がしたので、糖質はしっかり加えておかねばなりません。
朝食をたらふくいただいた後も船内をぐるっと一回りします。
まずは出港後深夜1時半まで営業していた売店が8時に営業を再開したので、こんなものを買ってみました。
これはフェリーに乗らないと買えない代物。
御朱印ならぬ、東京九州フェリーの「御船印帳」であります。
神社ならば御朱印様。
船に乗ったら御船印。乗船記念にありがたく購入いたしました。
御船印は、日本全国100社以上がこのプロジェクトに関わっているという、実は日本は船大国であるというお墨付きのようなもので、関東近郊では東京湾フェリーですとか、あとは隅田川を走る水上バスなどもこのプロジェクトに参加しており、御朱印じゃないや、御船印を集めることが出来ます。
詳しくはこちらのサイトをどうぞ。
さて、朝8時を過ぎたので、先に触れた5階船首部分にあるフォワードサロンが開放されております。
8時から入港前まで開放はされておりますが、日没が近くなると船内の光が一つ上の操舵室の部分にかかり、光が船の航行に影響するためにカーテンが閉められます。
欲を言えばフォワードサロンでお酒を飲みながら、船長や航海士気分になってどっちからなんか船が来たとか楽しめたらよいのですが、フォワードサロンでは飲食禁止なので静寂が保たれます。
ささやかながら、家族やカップル向けのために記念撮影用の操舵もございますので記念にどうぞ。
たまたま鍵もドアも解放されていたので、おそらくお客が乗っていないエリアであろう、一番お安い「ツーリストA」の船室をそっと一枚。
僕一人であるならば、ここで雑魚寝で寝たいだけ寝て行ってもいいんだけど…ねえ。
今の船旅はパーソナルスペース重視で、ある程度のプライバシーが保たれます。
ただしツーリストAのベッド内にはテレビモニターはございませんので、宿り木はどうしても船内の公共スペースに頼らざるを得ません。
しかし見える先は水平線。
良俗であれば何をしてもかまいません。
盗難が心配な向きにはコインロッカーも完備してございます。
さて。
時計はいつしか10時前。
三重県を過ぎて和歌山県沖にさしかかろうとしております。
時間がおおよそ10時15分ごろだったでしょうか。
船長からのアナウンスで、「まもなく右舷側で、昨夜新門司港を出発した僚船『はまゆう』とすれ違います」とのアナウンス。
とにかく手持無沙汰なのを幸い、もう一度デッキに出てまいりました。
以下は拙い動画でご紹介。
ううむ。
速いっっ!!
前回太平洋フェリーの仙台名古屋便に乗った際に、福島県沖ですれ違った時は、船体自体が近かったこともあったけれど、あれよりも相当速い。
それでは比較映像といたしまして、これは直接載せてしまった方が早いので、比較してみてください。
さて、和歌山県沖を離れるとしばらく陸地から離れるため、スマホの電波が本格的につながらなくなります。
その前にお隣の展望大浴場へ行ってきましょう。
入った。
出た。
いや~。
凄いねこのフェリー。
お客が少なめだということはわかっていたからもちろん浴室貸切状態だったのはもちろんのこと、浴室が貸切ということは、露天風呂もサウナも貸切状態\(^o^)/
いや~。
サウナなんてコロナ禍になって行ったことがなかったんでもう何年振りかにお世話になりました。
露天風呂も貸切。
浮力でざっぱんざっぱんお湯が流れて湯船の中で流される身体。理科や化学の勉強ですw
さて、部屋に戻ってきてくつろいでいるとですな…。
一息つくと同時に、これは離合する台風1号崩れの熱帯低気圧の影響もあるのか、多少船が揺れだしたので、なんだか腹がグルグルとかき回されているかのような感覚に陥っただけれど…。
いやあ。
これは船酔いしちゃったかな(・・;)
揺れといっても物が飛び交うほどの揺れではないのだけれど、なんだか変な酔い方を始めたので、しばし部屋のベッドでグロッキー。
……。
さて、そんなこんなで昼食もなんとなくパスし、ようやく気分が整ったところが16時あたり。
船は徳島県、高知県沖を通過して、いよいよ豊後水道方面に向かおうと舵を切るところ。
気分転換にデッキへ出てみると、高知県でも西側なんて行ったことも見たこともないけれど、四国からはみ出た突端がいろいろと見えてまいりました。
この東京九州フェリーの「それいゆ」は、系列が新日本海フェリーの関係なのかどうか、太平洋をブンブン走るのに、船籍は小樽にあるんですな。
国内でフェリーを走らせるなら、船籍はとりあえずどこでもいいけど日本国内であればいい…というどうでもいい話をどこかで見聞きしたような気がしますが、記憶違いだったらごめんなさい。
もう一度フォワードサロンに出てきて、今度はこれこそ船長気分。
競馬の予定もないのに無駄に双眼鏡を持ってきて、双眼鏡で豊後水道を行きかう船を見てやろうじゃないか…という魂胆。」
世の中は便利になったもので、周囲を行きかう船の情報を英語で流してくれるアプリなんてーのも存在するので、それも駆使すればいろいろ情報は得られるんですが、僕がフォワードサロンで双眼鏡を眺めた限り、行きかう船は3隻くらいしかなかった(´・ω・`)
曇りだから夕日が見えないのが残念だけれど、思えばあっという間にもう夕方です。
さっき夕方を迎えたころには、スーツケースを引きながら新京成で松戸まで出てました。
もう24時間が経過しようとしております。
そろそろ最後の晩餐、お夕食タイム。
昼間に船酔いを起こしてダウンしてしまった影響で、あまり食欲はないといえばない、しかし船酔いは起こしても酒は飲み続けているということで(・・;)
まあ少々、ぼちぼちというところにしておきましょう。
今回はアラカルトで軽く。
丸ちくわうどん。
嫁さんはがっつりとチキン南蛮。
体調が良ければ、北九州名物門司港焼きカレーなんてーのもあったので食べたかったんですが、これは後悔というか戒めというか、食べたいものは後先考えずに食べたいときに食べておけということですな。
いやね、深夜にカップラーメン食べてやると思ってセーブしちゃったんだよなあ…。失敗した。
部屋に戻ると夕闇。
豊後水道を経て、地域的にはこれは周防灘になるのかな。
時計は20時30分近く。
徒歩の客は三々五々4階ロビー前に集まりだしている様子。
そろそろ荷物整理をしてロビーに行きますか。
ロビーではNHKBSの野球中継が流れている。
野球のオンシーズンはBSで野球を見て退屈なのをしのぐのもまた一興。
何度となく乗ったエレベーターにもご挨拶。
新門司港21時到着後の予定ですが。僕たちは小倉駅前に宿を取っており、ちょうど新門司港到着後すぐに、門司駅経由小倉駅新幹線口行きの送迎バスがあるというので利用しましょう。
「タクシーですと、手配と配車が非常に困難な時間帯となっておりますので、徒歩の方はなるべく送迎バスをご利用ください」と、何度も何度も念を押すかのようにアナウンスされていたのが印象的。
それもそのはず。
昨今のドライバークライシス2024問題とも関連してくるのだけれど、コロナ禍でタクシーの台数自体が極端に減っており、ましてや新門司港は小倉や門司とはかなり人里離れた場所に存在するので、深夜帯で配車がままならないというのもむべなるかな。こちらの地図で一発でわかります。
いやあ。
名残惜しい21時間、いや21時間を切って20時間55分。
船で新門司まであっという間でした。
ヒマだから本でも読もうかと2冊くらいスーツケースに入れたけど、結局読まなかった(・・;)
一晩お世話になった「それいゆ」に別れを告げるのもそそくさと。
ターミナルでは西鉄バス北九州の恒美営業所からやってきたこの車体のバス、まだ現役で走ってたんだな。
おそらくその昔は福岡までの都市間高速バスで活躍していたクルマで、この車体のバスは僕も一度小倉からひきの号で福岡に行ったことがあります。
車齢でいえばおそらく20年近くは経過しているんじゃないかしら。
バスは20名弱ほどのお客様。
門司駅前で6~7人降りて、定刻より10分近く早い21時50分ごろに無事小倉駅新幹線口に到着しました。
西鉄バスのバス停といえば、やっぱりこれだね。
お隣には北九州市営バスのバス停もあったので記念に1枚いただきますw
小倉駅は表口がJR九州の在来線駅で、新幹線口、場所的には北口になるのかな。
新門司港からフェリーをご利用の際は、無料シャトルバスはいずれも小倉駅は新幹線口にバス停があるのでご注意を。
僕たちの宿は小倉駅前、ちょうど駅前バスターミナルの近所にあるダイワロイネットホテルに投宿。
実はこの行程で行けば、新幹線の時刻表を見れば、博多はもちろんいくらでも間に合うし、九州新幹線で10分少々の待ち合わせで22時03分発「みずほ615号」に間に合ってしまいます。
…ということは。
フェリーと新幹線を乗り継いで横須賀から鹿児島中央までその日のうちに到着できますw
鹿児島中央着が23時36分なんで、宿が西駅の近所ならその日のうちに投宿もできますw
ただし旅程はあくまで予定で、あわただしく鹿児島中央までの予定を立ててしまうのも余裕がなさ過ぎてなんとも窮屈。
…という余得もございますが、宿はおとなしく北九州にしておきました。
さて。
この船の感想…といわれたらまず一言目にはウルトラスーパーめちゃくちゃ速いということですかね。
洋上でしか得られないスピード感。
これはぜひ体感していただきたいと願うや切であります。
だったら今度は新日本海フェリー行きましょうか。敦賀から寄港便乗りたいw
僕はこれまで船旅をいくつかフィーチャーしたことがございまして、乗るたびに言っているんですが、これはもう移動時間をお金で買うようなものです。
今の時代はタイパだコスパだとかが叫ばれる世の中ですが、この船に関しては上下便とも深夜出港で深夜到着。
移動に21時間かかるというタイパ、コスパという言葉にとらわれることなく、移動手段、移動時間そのものを楽しめれば十分で、それが船旅が選択される道筋でもあったりするわけです。移動に21時間。飛行機で行けばいいじゃないか、新幹線で行けばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、自由に寝てくつろいで動き出しは次の日から。こんな優雅な時間の使い方はないのではないでしょうか。
そして船旅は陸地から離れるので、一時的ではありますがネットからもスマホからも、すべての連絡が断ち切られます。
つまり誰からも制約を受けずに時間を過ごせる大いなる余得があるのは、飛行機や新幹線、バス旅などでもなかなか得られないよ得なのではなかろうかと。
タイパ、コスパもいいけれど、いいじゃん自分らしく真逆を行けば。
そんなことを思いながら、フェリー旅の綴りを閉じたいと思います。
ご覧いただいた奇特かつ酔狂でありがたき読者の皆様方。
お付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
(※乗船日…2024年5月29~30日)
まだの方は上記2つもどうぞご覧ください。
そんなわけで。
翌朝。
2024年5月29日23時45分出港予定だった東京九州フェリー新門司港行きは、荷役の遅れが原因で20分遅れ、日付が変わった5月30日0時05分頃に出港した「それいゆ」に乗船。
消灯時間の深夜1時半を過ぎた夜中2時ころに部屋をのそのそ這い出して、ああ背徳のカップラーメン、しかもビッグサイズを、船の揺れと、これは別名太平洋の暴走族の異名をとる東京九州フェリー独特の、時速28ノットあたりを速力が醸し出すスピードに対する重力を背中で感じながら、夜中におやすみなさいをしたところ。
今は今朝7時半頃。
船は三重県沖を航行中なようでございます。
それではいろいろ船内探索をしてみようかなと思います。
実は今日5月30日は、フィリピン近海で2024年最初に発生した台風1号と離合する予定で、悪天候と相当な揺れを覚悟していたのですが、どうもこの船に乗っている間だけは天気は持ちそうな気配で、今の天候は曇り時々晴れ間がでる様子。
風もそれほど強くなさそうなので、さっそく6階デッキに出て、太平洋の水平線を楽しもうと思います。
こちらは右舷側なので、遥か先にうっすらと見えるのは三重県の尾鷲あたりでしょうか。
そして左舷側は遥かに望む水平線\(^o^)/
フェリー旅の醍醐味、特に外海もそうだし日本海側を走るフェリーにも言えると思うのですが。「水平線だよガンバ♪ 水平線だよガンバ♪」という歌の歌詞をはっきり書いちゃうと某ジャスラッ〇クさんが飛んでくるので言いませんが、水平線を独り占めできるんですよ。
風はほぼほぼ感じないんですが、乗っているとかなりのスピード感を感じます。
試しにスマホの速度計アプリで計測してみましょう。
えっ!!
時速32ノット!?
エリック・ノットじゃございませんよ。昔千葉ロッテにいた。
こりゃ高速艇も水中翼船もびっくり。
時速32ノット、先にも触れましたがこの船の速力がおおよそ27.2ノット、1ノットは1カイリでおおよそ1.852キロメートル。
この27.2ノットでも相当な速力なんですが、GPSではなんとまあ驚異の32ノットを計測しております。
これがどれくらいのスピードかというと、時速キロ換算にするとなんとなくお分かりいただけるかと。
時速32ノットをキロ換算するとこうなります。
せーのドン。
太平洋上を時速50キロ相当。
そりゃたしかに20分くらいなら遅れようが新門司港への定時入港には大した影響はないわけです。
さて船室内に戻ると、デッキと海を眺めながらの小さなスポーツジムもございます。
ここはあとで運動しにこようかな。いつも仕事中は運動のし過ぎなんで。
スポーツジムに限らず、船内がすべて目覚めるのは8時になってからで、レストランや売店、スポーツジム、あとは5階船首部分に船長や航海士気分が味わえる、「フォワードサロン」という、読書や前展望をするにはうってつけのスペースも、自販機以外のスペースが目覚めるのは朝8時からになっております。
改めて、6階フロアから4階フロアまでの吹き抜けを、吹き抜け同様にはめ込まれているエレベーターと共にご覧いただきます。
船内には東京九州フェリーのグッズやアパレルなどがイチ押しなのか、そこかしこに展示されております。
そういえばこの船に乗る前に、何度か太平洋フェリーや阪九フェリーにも乗ったことがあるんですが、アパレルには手を出したことがなかったな。
さて、朝8時を回ったのでベッドで寝ている嫁さんを叩き起こしてレストランに行きましょう。
朝ごはんに行ってみたいと思います。
東京九州フェリーのレストランはすべて定食やアラカルト方式になっていて、お好きな分量でお召し上がりくださいね…という形。
というわけで僕の朝ご飯は、和食にしようと思ったんですが、やっぱり洋食に行ってしまいましたw
最近はどうにも糖質が足りないような気がしたので、糖質はしっかり加えておかねばなりません。
朝食をたらふくいただいた後も船内をぐるっと一回りします。
まずは出港後深夜1時半まで営業していた売店が8時に営業を再開したので、こんなものを買ってみました。
これはフェリーに乗らないと買えない代物。
御朱印ならぬ、東京九州フェリーの「御船印帳」であります。
神社ならば御朱印様。
船に乗ったら御船印。乗船記念にありがたく購入いたしました。
御船印は、日本全国100社以上がこのプロジェクトに関わっているという、実は日本は船大国であるというお墨付きのようなもので、関東近郊では東京湾フェリーですとか、あとは隅田川を走る水上バスなどもこのプロジェクトに参加しており、御朱印じゃないや、御船印を集めることが出来ます。
詳しくはこちらのサイトをどうぞ。
さて、朝8時を過ぎたので、先に触れた5階船首部分にあるフォワードサロンが開放されております。
8時から入港前まで開放はされておりますが、日没が近くなると船内の光が一つ上の操舵室の部分にかかり、光が船の航行に影響するためにカーテンが閉められます。
欲を言えばフォワードサロンでお酒を飲みながら、船長や航海士気分になってどっちからなんか船が来たとか楽しめたらよいのですが、フォワードサロンでは飲食禁止なので静寂が保たれます。
ささやかながら、家族やカップル向けのために記念撮影用の操舵もございますので記念にどうぞ。
たまたま鍵もドアも解放されていたので、おそらくお客が乗っていないエリアであろう、一番お安い「ツーリストA」の船室をそっと一枚。
僕一人であるならば、ここで雑魚寝で寝たいだけ寝て行ってもいいんだけど…ねえ。
今の船旅はパーソナルスペース重視で、ある程度のプライバシーが保たれます。
ただしツーリストAのベッド内にはテレビモニターはございませんので、宿り木はどうしても船内の公共スペースに頼らざるを得ません。
しかし見える先は水平線。
良俗であれば何をしてもかまいません。
盗難が心配な向きにはコインロッカーも完備してございます。
さて。
時計はいつしか10時前。
三重県を過ぎて和歌山県沖にさしかかろうとしております。
時間がおおよそ10時15分ごろだったでしょうか。
船長からのアナウンスで、「まもなく右舷側で、昨夜新門司港を出発した僚船『はまゆう』とすれ違います」とのアナウンス。
とにかく手持無沙汰なのを幸い、もう一度デッキに出てまいりました。
以下は拙い動画でご紹介。
ううむ。
速いっっ!!
前回太平洋フェリーの仙台名古屋便に乗った際に、福島県沖ですれ違った時は、船体自体が近かったこともあったけれど、あれよりも相当速い。
それでは比較映像といたしまして、これは直接載せてしまった方が早いので、比較してみてください。
さて、和歌山県沖を離れるとしばらく陸地から離れるため、スマホの電波が本格的につながらなくなります。
その前にお隣の展望大浴場へ行ってきましょう。
入った。
出た。
いや~。
凄いねこのフェリー。
お客が少なめだということはわかっていたからもちろん浴室貸切状態だったのはもちろんのこと、浴室が貸切ということは、露天風呂もサウナも貸切状態\(^o^)/
いや~。
サウナなんてコロナ禍になって行ったことがなかったんでもう何年振りかにお世話になりました。
露天風呂も貸切。
浮力でざっぱんざっぱんお湯が流れて湯船の中で流される身体。理科や化学の勉強ですw
さて、部屋に戻ってきてくつろいでいるとですな…。
一息つくと同時に、これは離合する台風1号崩れの熱帯低気圧の影響もあるのか、多少船が揺れだしたので、なんだか腹がグルグルとかき回されているかのような感覚に陥っただけれど…。
いやあ。
これは船酔いしちゃったかな(・・;)
揺れといっても物が飛び交うほどの揺れではないのだけれど、なんだか変な酔い方を始めたので、しばし部屋のベッドでグロッキー。
……。
さて、そんなこんなで昼食もなんとなくパスし、ようやく気分が整ったところが16時あたり。
船は徳島県、高知県沖を通過して、いよいよ豊後水道方面に向かおうと舵を切るところ。
気分転換にデッキへ出てみると、高知県でも西側なんて行ったことも見たこともないけれど、四国からはみ出た突端がいろいろと見えてまいりました。
この東京九州フェリーの「それいゆ」は、系列が新日本海フェリーの関係なのかどうか、太平洋をブンブン走るのに、船籍は小樽にあるんですな。
国内でフェリーを走らせるなら、船籍はとりあえずどこでもいいけど日本国内であればいい…というどうでもいい話をどこかで見聞きしたような気がしますが、記憶違いだったらごめんなさい。
もう一度フォワードサロンに出てきて、今度はこれこそ船長気分。
競馬の予定もないのに無駄に双眼鏡を持ってきて、双眼鏡で豊後水道を行きかう船を見てやろうじゃないか…という魂胆。」
世の中は便利になったもので、周囲を行きかう船の情報を英語で流してくれるアプリなんてーのも存在するので、それも駆使すればいろいろ情報は得られるんですが、僕がフォワードサロンで双眼鏡を眺めた限り、行きかう船は3隻くらいしかなかった(´・ω・`)
曇りだから夕日が見えないのが残念だけれど、思えばあっという間にもう夕方です。
さっき夕方を迎えたころには、スーツケースを引きながら新京成で松戸まで出てました。
もう24時間が経過しようとしております。
そろそろ最後の晩餐、お夕食タイム。
昼間に船酔いを起こしてダウンしてしまった影響で、あまり食欲はないといえばない、しかし船酔いは起こしても酒は飲み続けているということで(・・;)
まあ少々、ぼちぼちというところにしておきましょう。
今回はアラカルトで軽く。
丸ちくわうどん。
嫁さんはがっつりとチキン南蛮。
体調が良ければ、北九州名物門司港焼きカレーなんてーのもあったので食べたかったんですが、これは後悔というか戒めというか、食べたいものは後先考えずに食べたいときに食べておけということですな。
いやね、深夜にカップラーメン食べてやると思ってセーブしちゃったんだよなあ…。失敗した。
部屋に戻ると夕闇。
豊後水道を経て、地域的にはこれは周防灘になるのかな。
時計は20時30分近く。
徒歩の客は三々五々4階ロビー前に集まりだしている様子。
そろそろ荷物整理をしてロビーに行きますか。
ロビーではNHKBSの野球中継が流れている。
野球のオンシーズンはBSで野球を見て退屈なのをしのぐのもまた一興。
何度となく乗ったエレベーターにもご挨拶。
新門司港21時到着後の予定ですが。僕たちは小倉駅前に宿を取っており、ちょうど新門司港到着後すぐに、門司駅経由小倉駅新幹線口行きの送迎バスがあるというので利用しましょう。
「タクシーですと、手配と配車が非常に困難な時間帯となっておりますので、徒歩の方はなるべく送迎バスをご利用ください」と、何度も何度も念を押すかのようにアナウンスされていたのが印象的。
それもそのはず。
昨今のドライバークライシス2024問題とも関連してくるのだけれど、コロナ禍でタクシーの台数自体が極端に減っており、ましてや新門司港は小倉や門司とはかなり人里離れた場所に存在するので、深夜帯で配車がままならないというのもむべなるかな。こちらの地図で一発でわかります。
いやあ。
名残惜しい21時間、いや21時間を切って20時間55分。
船で新門司まであっという間でした。
ヒマだから本でも読もうかと2冊くらいスーツケースに入れたけど、結局読まなかった(・・;)
一晩お世話になった「それいゆ」に別れを告げるのもそそくさと。
ターミナルでは西鉄バス北九州の恒美営業所からやってきたこの車体のバス、まだ現役で走ってたんだな。
おそらくその昔は福岡までの都市間高速バスで活躍していたクルマで、この車体のバスは僕も一度小倉からひきの号で福岡に行ったことがあります。
車齢でいえばおそらく20年近くは経過しているんじゃないかしら。
バスは20名弱ほどのお客様。
門司駅前で6~7人降りて、定刻より10分近く早い21時50分ごろに無事小倉駅新幹線口に到着しました。
西鉄バスのバス停といえば、やっぱりこれだね。
お隣には北九州市営バスのバス停もあったので記念に1枚いただきますw
小倉駅は表口がJR九州の在来線駅で、新幹線口、場所的には北口になるのかな。
新門司港からフェリーをご利用の際は、無料シャトルバスはいずれも小倉駅は新幹線口にバス停があるのでご注意を。
僕たちの宿は小倉駅前、ちょうど駅前バスターミナルの近所にあるダイワロイネットホテルに投宿。
実はこの行程で行けば、新幹線の時刻表を見れば、博多はもちろんいくらでも間に合うし、九州新幹線で10分少々の待ち合わせで22時03分発「みずほ615号」に間に合ってしまいます。
…ということは。
フェリーと新幹線を乗り継いで横須賀から鹿児島中央までその日のうちに到着できますw
鹿児島中央着が23時36分なんで、宿が西駅の近所ならその日のうちに投宿もできますw
ただし旅程はあくまで予定で、あわただしく鹿児島中央までの予定を立ててしまうのも余裕がなさ過ぎてなんとも窮屈。
…という余得もございますが、宿はおとなしく北九州にしておきました。
さて。
この船の感想…といわれたらまず一言目にはウルトラスーパーめちゃくちゃ速いということですかね。
洋上でしか得られないスピード感。
これはぜひ体感していただきたいと願うや切であります。
だったら今度は新日本海フェリー行きましょうか。敦賀から寄港便乗りたいw
僕はこれまで船旅をいくつかフィーチャーしたことがございまして、乗るたびに言っているんですが、これはもう移動時間をお金で買うようなものです。
今の時代はタイパだコスパだとかが叫ばれる世の中ですが、この船に関しては上下便とも深夜出港で深夜到着。
移動に21時間かかるというタイパ、コスパという言葉にとらわれることなく、移動手段、移動時間そのものを楽しめれば十分で、それが船旅が選択される道筋でもあったりするわけです。移動に21時間。飛行機で行けばいいじゃないか、新幹線で行けばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、自由に寝てくつろいで動き出しは次の日から。こんな優雅な時間の使い方はないのではないでしょうか。
そして船旅は陸地から離れるので、一時的ではありますがネットからもスマホからも、すべての連絡が断ち切られます。
つまり誰からも制約を受けずに時間を過ごせる大いなる余得があるのは、飛行機や新幹線、バス旅などでもなかなか得られないよ得なのではなかろうかと。
タイパ、コスパもいいけれど、いいじゃん自分らしく真逆を行けば。
そんなことを思いながら、フェリー旅の綴りを閉じたいと思います。
ご覧いただいた奇特かつ酔狂でありがたき読者の皆様方。
お付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
(※乗船日…2024年5月29~30日)
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