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「だれも知らない小さな国」佐藤さとる

2024年01月14日 | 本 レビュー

だれも知らない小さな国2010/11/12

佐藤さとる

我が家には1973年に刊行された文庫もあります(かなり傷んでいます💦)

これは、去年たまたま古本屋で見かけて購入しました。

いつの間にか復刊されていて

本の中身も文字が大きくなって、とても読みやすかったです。

子供の頃、この本のタイトルだけは知っていましたが

実際に読んだのは大人になってからです。

 

初めて読んだときは、情景が頭に浮かんできて

どこか懐かしさを感じるような感動を覚えました。

 

主人公のセイタカサンが生きた時代は戦前~戦中~戦後です。

小学3年生の時に見つけた「ぼくの小山」との出会い。

そこはコロボックルが大昔から住んでいる場所で

その昔、乱暴で欲張りの人間たちにひどい目にあわされてから、隠れてしまったという。

 

しかし小山がこの先どうなるか心配なので、人間の味方を探していたとき目にとまったのが

セイタカサンだったのだ。

 

コロボックルが初めてセイタカサンに姿を現したとき

偶然にも居合わせた女の子(おちびさん)が、同じくコロボックルの味方になり

最終的に「小山」を買いとることができ、ハッピーエンドとなります。

 

この後に続くコロボックル物語では、味方となった2人が結婚して子供が生まれ

小山に家を建てて住み始める...と話が進んでいきます。

 

この物語はファンタジーなのだけれど、どこか本当の話のような不思議な感覚になります。

読んだあとは、心がポカポカ温かくなりました。

 

子供の頃、自分だけの世界って持っていませんでしたか?

秘密基地とか、物語の中に自分を逃避させたり、空想したり...

ファンタジーや神話が身近にあったのだなあと思います✨

 

ところで、今回この物語を読んでハッとした文章があります。

コロボックルが言った言葉です。

「ネズミヨリモ モズヨリモ ワシラハ ニンゲンガコワイノダ」

大昔はコロボックルと人間はうまく共存していたのに

金儲けのためコロボックルをつかまえようとする悪人たちの存在..

 

結局のところいつの世にも、悪人はいるわけで...

 

私は子供のころからすごく怖がりで、幽霊が出たらどうしようとか

テレビで心霊現象の番組などがやっていても、絶対に見ないほうでしたが

いつの間にか「いちばん怖いのは生きた人間なんだ」って思うようになってから

怖がりを卒業しました👻

 

 



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