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「花屋さんが言うことには」山本幸久

2025年01月12日 | 本 レビュー

「花屋さんが言うことには」2024/3/5

山本幸久

表紙の美しさと、裏表紙のあらすじを読んで、購入を決めました。花好きな人なら、読むのが止まらなくなるかも?とても面白かったです。9章からなる花のタイトルの短編で、主人公が成長して行く姿もまた微笑ましいです。

主人公の紀久子が勤めていたのはブラック企業。仕事の過酷さに耐えかねて退職届を送ったが、上司からファミレスに呼び出され、退職届を返される。無茶苦茶な理由で、なんとか紀久子を働かせ続けようとする上司に困っていたところ、駅前の花屋さんの李多に救われる。それがご縁で紀久子は花屋で働くことになる。

紀久子は24歳と若く元気だ。美大出ということでセンスもいい。とにかく一生懸命に花屋で働く。その中で花言葉や、花を贈るイベントなどを知ることとなる。

3章に出てくる「フリル菊」については、私も興味津々で、「こんな菊、本当にあるの?」ということで、ネットで調べました。2020年に愛知県が開発していて、実際の名前は「かがり弁」というのだそう。写真で見ましたが、菊とは別物の花って感じで、とてもかわいかったです。どこかで購入できるのかなあ?

そして3章に登場する翁は幽霊なのか?それとも何か裏があるのか?最後まで分からなかった・・・

最終章の「鶏頭」は書下ろしだそうですが、このお話はない方がよかったかなあ(個人的感想です)。8章の「カーネーション」の終わり方が好きだったので、ここで終わって、あとは読者の想像におまかせしますって感じのほうがよかったです。

 

3章「菊」に出てきた、9日9日の「重陽の節句」別名「菊の節句」

こちらの写真は横浜山手西洋館の重陽の節句装飾

 

 

 

5章「ミモザ」

3月8日はミモザの日(国際女性デー)

女性に感謝を伝え、ミモザを贈る日