宅急便が届いた。
すっかりと忘れていたけど、私が小田原の籠淸さんから送ってもらうように手配した母の好物だった。
四回目の圧迫骨折で入院している母の退院予定日は明日だったのだ。
三回目までは二週間弱で退院していままで通りの生活に戻っていたのだけど、今回は痛みが残っているようで、急性期病院から系列の医療療養病床へと引き続き入院となった。
今日はその病院の説明を受けに行った。
ま。
帰りにながの東急さんに寄ってエスカレーターで上階へ上っていたら、家庭用品売り場のグラスの柄に驚いた。
ああ・・・
母が入院するたびに少しずつ不要と思われる物は捨てるようにしていた。
その中に細長いコップが6個あったのだ。細長い器専用スポンジでないと洗えない上に、このコップにはジュースを入れるしか用途ないだろと思ったのだった。
退院してきた母が、あのコップ捨てちゃったのと本当にとっても悲しそうな顔をしたのだった。
なんか悪いコトしたかな?と心に引っかかっていたのだった。
それが、形は違うけど、その捨てたコップと同じ柄のコップがあったのだった。
オレンジと黄色のコスモス風な花が印象的な石塚硝子さんのアデリアレトロシリーズのアリス。
ついでに見たことあるような無いような、赤と白の花がまわるような花まわし。
同封のしおりを読んでみたら、創業200年余の石塚硝子さんが食器事業へ参入したのが昭和36年。ブランド名はADERIA。ポップな柄と手頃な価格で昭和の家庭に普及したという。
なるほどにそれでウチにもあったのか。
母がアリスを買ったのは20代だったのかな?30代だったのかな?このアリスにはどんな思い出があったのだろう?
母がいつ退院するかはわからない。あっという間に出てくるかもしれないし長引くかもしれない。
もし気温が高い日なら、このコップにたっぷりとアイスティーを入れて出そう。ストローも付けて。
今日は昨日とはうって変わって梅雨っぽい風が吹いた長野盆地。
やっぱり早めの梅雨入りになるのかな。