強烈な陽射しの霜月初日。
銀座・資生堂ギャラリーへ。
「第八次椿会 このあたらしい世界 ''ただ、いま、ここ''」。
会期は10月31日~12月24日。
参加アーティストは、杉戸洋、中村竜治、Nerhol(田中義久&飯田竜太)、ミヤギフトシ、宮永愛子、目[mé]。
第八次椿会はコロナ下で始まった。
1年目。メンバーは資生堂の美術収蔵品倉庫で初めてリアルに顔合わせと話し合いをし、資生堂ギャラリーの空間を分け合うかのように展示をした。
2年目。メンバーはオンラインで打ち合わせをし、個々の作品は緩くつながる展示をした。
3年目。最終回。突然の疫病下という未曾有の事態に暗黙的に目指していた調和から一歩踏み出し、「放置」と「無関心」をキーワードに準備を進めてきたという。
ギャラリーへの階段を下りた踊場で真っ先に目を引くミヤギフトシの作品。
その後ろ、気が付かない来館者もいる場所に、Nerholの作品。
更に階段を下りれば、真正面に宮永愛子の作品。
そして、やっぱり来館者が気が付きにくい高い位置にNerholの作品。
そんな調子で各々の作品が点在する。
中村竜治。
杉戸洋。
ミヤギフトシ。
宮永愛子。
そして、目[mé]。
気が付かないか、気が付いたとしてもゴミが落ちているようにも見える、床に貼られた小さな小さな写真。
とりあえず収束した疫病。
この展覧会の最終回。
これまで築いたメンバー同士の距離感や信頼を解きほぐして個に戻るという試みでもあるという。
それでもなお感じるとれるつながり。
ふと、そうだ、疫病下でなくてもそうして暮らしてきたと思い出した。目的を同じくする時、その時その時を一緒に乗りきって、その時その時が過ぎるといつの間にか離れる。の、繰り返しだったし、たぶんこれからもその繰り返しで終点までいく。だからといって孤独ではないのだ。